大分県の世帯数ランキングとその内訳
大分県の世帯数は、全国第32位と、人口の多さのランキングを僅かに上回ってはいますが、人口の多さと世帯数が比例している都道府県と言って差し支えないでしょう。
また、持ち家率ランキングは、全国第37位と、残念ながらワースト10に入るほど低い順位であり、マイホームを持つのが難しい都道府県であると言えます。 その最大の理由として挙げられるのが、大分県の年間収入ランキングが全国第42位と、非常に低い水準であるということでしょう。 年間収入が少なければ、マイホームを持ちたくとも資金に余裕が無いのはあきらかです。
また、平成28年の国土交通省の調査によると、大分県の可住地面積は、九州内では、鹿児島県、熊本県、福岡県、宮崎県についで5位であり、大分県は山岳が多く、他の都道府県と比べて住宅地として利用出来る面積が少ないというのも、持ち家率が低い理由の一つなのではないでしょうか。
そして、近年は大分県に限らず、どの都道府県においても持ち家志向が低下してきており、特に若い世代で「賃貸でも十分」と考える人々が増えていることも、持ち家率の低さに繋がっているものと思われます。
大分県の一世帯あたりの負債現在高
次に、大分県の一世帯あたりの負債現在高、つまり借金がどのくらいあるのかについて見ていきましょう。
大分県の一世帯あたりの負債現在高は、全国第41位と、非常に下位の方であり、負債の少ない都道府県であると言えます。
一世帯あたりの住宅・土地のための負債は、全国第42位となっていますが、持ち家率の低い大分県では、マイホームのための負担は少なくてすむものと推測されます。
一世帯あたりの月払い・年払いの負債も、全国第39位と非常に低くなっています。 月払い・年払いの負債としては、自動車保険の支払い、新聞の購読料、習い事の月謝などが考えられますが、大分県は車社会であるため、自動車保険への加入は必要不可欠であり、その支払いがこの項目の出費の大半を占めていると思われます。
このように、負債の少ない大分県ですが、一世帯あたりの住宅・土地以外の負債は、なんと全国第10位と突出して高いのです。 住宅・土地以外の負債としては、マイカーローン、カードローン、キャッシングなどによるものが考えられますが、前述の通り、車社会である大分県では、マイカーローンの出費がほとんどを占めているとみて良いでしょう。
しかし、本当にマイカーローンだけが原因なのでしょうか? 大分県では、パチンコやスロットにハマってしまい、消費者金融から借金をしてしまう人が年々増加し、問題となっているのです。 パチンコやパチスロでの支出も、見逃すことの出来ない住宅・土地以外の負債の一部なのではないでしょうか。
パチンコは、使う分の金額をあらかじめ決めておき、少額で楽しむぶんには良い気分転換にもなりますが、場内の音や熱気で冷静でいられなくなり、もう少し粘れば大当たりがくるかもしれない!などと考え、気がついた時には大金を失っているということも少なくありません。 そうなると、生活費が足りなくなってしまい、やむなく消費者金融に手を出してしまったり、ギャンブルなので依存性が高いため、借金をしてでもパチンコを打ちたいと思ってしまうのです。
パチンコ、パチスロは、多重債務への入口とも言われています。 遊ぶ際は節度を持って楽しみましょう。 また、大分県には別府競輪場があり、パチンコ以外のギャンブルも楽しめる環境にあるため、注意が必要です。
大分県の一世帯あたりの貯蓄残高について
続いて大分県の一世帯あたりの貯蓄残高について見ていきましょう。
大分県の現在残高は、全国第41位と、データからはあまり貯蓄が得意ではないことが伺えます。
では、貯蓄内容の内訳はどのようになっているのでしょうか。
自由に出し入れ出来る預金である通貨性預貯金の額は全国第32位、毎月決まった額のお金を積み立てていく預金である定期性預貯金の額は全国第36位と、いずれも低い方の順位となっています。 有価証券の保有率も全国第42位と、投資にも消極的です。
このように、順位だけ見ると、大分県民は貯蓄にほとんど力を入れていないようにも思えますが、大分県は、負債現在高も少ないのです。
また、ゆうちょ銀行の通貨性預貯金の額だけは全国第12位と高い順位を誇っています。 こういったことも考慮すると、大分県民は、貯蓄が苦手であるとは言いきれず、貯蓄よりも借金をしないことに力を入れており、必要な時に必要な額の金額を引き出せるよう、ゆうちょ銀行へ通貨性預金をし、身の丈にあった生活をしている堅実な県民性を持っているという見方も出来るのではないでしょうか。