親の離婚にショック|年代別の子供の気持ちと影響やストレスを解説
この記事では、離婚は仕方ないと考えながらも、子供への影響が心配で離婚になかなか踏み切れない方向けに、離婚による子ども…[続きを読む]
親が離婚すると、幼い子どもは少なからずショックを受けることが多いです。
「小さい頃のトラウマ」と聞くと悪いことばかり頭によぎるため、子どものためを思って離婚を思い留まるという夫婦も多いのではないでしょうか。
しかし、離婚は子どもにとって悪い影響ばかりではありません。離婚により家庭環境が改善すれば、子どもものびのびと成長することができます。
大事なのは単に片親を避けるということではなく、ご自身と子どもが安心・安全に暮らせるための選択を考えることです。
この記事では、離婚が与える子どもへの影響を心配している方向けに、親が離婚すると子供の性格・素行はどうなるのか、また離婚によるトラウマや悪影響への対処法を解説します。
目次
早速ですが、親の離婚がトラウマになってしまった場合、子どもには下記のような特徴が出る傾向があります。
必ずしも全てに当て嵌まるわけではありませんが、その理由を含めて可能性を把握することは将来的なリスクを知る上で大切なことですので、参考にしてみてください。
離婚した後の子どもの心理状態は、やはり不安定になりがちです。
具体的には、「片方の親から見捨てられた」という心理から、以下のような傾向が見られるようになる可能性があるでしょう。
離婚した時の子どもの年齢にもよりますが、思春期である場合などは上記のような傾向を見せることが多く、その変化に注意してあげる必要があります。愛情不足、コミュニケーション不足とならないよう、子どもとの会話を大切にし、甘えさせてあげるようにしてください。
一方で、周囲との関係性に依存するからこそ、異性・友人との関係を大事にするようになることもあります。
離婚した後のひとり親家庭では、子どもたちに不自由させないようにと親が働く時間が以前よりも増える傾向にあります。
朝から夜まで働く日々が続けば、子どもの行動などにおいて全てには目が行き届かなくなることも多くあります。鍵を渡して自由に遊ばせたり、食事を作れない代わりにお金を渡して自分で買って食べるよう指示したりすることもあるでしょう。
このような場合、「親に見放された」と考えた子どもは、目が届かないうちに非行に走ってしまうことがあるようです。
ひとり親家庭の子どもたちは孤独を感じやすいといわれています。孤独や不安こそ非行の原因となりますので、これらをできるだけ感じさせないようにするためにも、上記のような問題行動が増えても頭ごなしには叱らないようにしましょう。
なぜ彼らがそのような行動をとったのか、時間をかけてしっかり理由を聞いてあげることが大切です。
親が離婚をすると、多くの子どもは親ではなく自分自身を責めてしまいます。具体的には、以下のような感情を抱くと言われています。
実は、「甘えたい感情をおさえ、自分が悪いと思い込めば両親を責めずに済む」と無意識のうちに考える子どもは少なくないと言えます。
離婚後は子ども達の表情や仕草などに気を配るようにしましょう。いつもより暗い表情が増えた・無駄に明るい(空元気に見える)などの傾向がある場合は、自分の感情を抑え込んでいる可能性があります。
「あなたは何も悪くない」「離婚は子どものせいではない」と繰り返し言い聞かせてあげましょう。
反対に、親への失望を抱いたり、裏切りを感じて怒りの感情に駆られたりする子どももいます。
なぜ離婚してしまったのか、何が原因なのかを問いただし、親に対する反発を示すこともあるでしょう。
特に感情のコントロールができない年齢の子供にとっては、やるせなさを片親にぶつけるしかなくなってしまうのです。
親が離婚した後は、子どもの周囲環境にも否応なく変化が訪れます。
例えば、「苗字が変わる」「転校の必要が生じる(友人関係が変わる)」「子どもがアルバイトや家事で家庭に貢献する必要性が生じる」などです。
離婚後は親が仕事で出かけている時間が増えるケースがほとんどですので、親がすぐそばにいない状況が増え、子どもの中には自立心が芽生えます。
このような自立心の芽生えは決して悪いことではありません。しかし「早く慣れなければ」「自分でなんとかしなければ」と考え、親を助けようとするあまり親にとって「良い子」を目指し頑張りすぎてしまう子は多くいます。
親に迷惑をかけまいと必死で努力することが本人にとっての負担になることもあるため、「無理せず、自分らしくいて良い」ということを伝えてあげましょう。
次に、子どもの年齢別に離婚の影響を考えます。
結論を言えば、親と過ごした記憶がはっきり残る年齢(幼稚園)から思春期にかけては大きな影響を与える傾向にあります。
以下では簡単にまとめるに留めますので、詳しくは下記のコラムもご覧ください。
0歳〜2歳程度までは、離婚していなくなった親の記憶はほとんど残りません。
そのため、離婚が後にトラウマとなってしまうケースも少ないでしょう。
3歳、4歳頃になると、脳の海馬が発達し完成する時期に入るため、少しずつ親の記憶が残ります。もっとも、まだ幼少期であることには変わりないため断片的な記憶が残るに留まるケースが多く、言語の発達も未熟であるため、中には「全く覚えていない」というケースもあります。
この時期に離婚をすると、大きくなるにつれて「なぜひとり親なのか」と考える傾向にありますが、親の愛情をしっかり受けながら経済的に安定している家庭で育てば、問題は少ないといえます。
幼稚園から小学校低学年にかけては、皆さんも「記憶がある」という方が多いのではないでしょうか?
この年齢になると、子どもたちは親とどんな遊びをしたか、どのように可愛がってくれたのかなどを少しずつ記憶しています。
よって、「あの頃はお父さんがいた」「両親が一緒によく遊んでくれた」など、一緒に住んでいない親のことを思い出すことも将来的にはあり得るでしょう。
また、この頃の子どもが、「親が離婚をしたのは自分のせいかもしれない」と思い自分を責めてしまったり、「また自分が良い子にしていれば親が戻ってくるだろう」と考えたりもします。
この頃の自我は発展途上の段階で、また自分と親を同一視しがちなのです。
また成長の家庭で出て行った親に反感を持ち、「見捨てられた」という意識を抱くケースもあります。
親としては「あなたのせいではない」と、自分自身と親の問題を切り離して考えられるようにサポートをしてあげる必要があります。
小学校3年生くらいになると、言語能力や認識能力も発達し、物事に対し善悪の判断がつく年齢となってきます。
親の記憶はしっかりと残り、この時期に離婚することになれば「なぜ離婚するの?」という疑問を持つかもしれません。
一方、善悪の判断が「黒か白」しかないという未熟な年齢のため、離婚する理由について問いただし親を責めるなどの態度を見せる子もいます。また、一緒にいない親に対して怒りの感情を持ちやすくなります。
幼少期よりは成長したものの、自立心が芽生え始めるとともに愛情もたくさん欲しい時期であるため「甘えたい」気持ちも大きいはずです。
そんな中で自分の気持ちを親に理解してもらえないという感情を持つと、嘘をつくことが増えたり、不登校・万引きなどの問題が出てきたりするかもしれません。
忙しい中でもできる限り子どもとのコミュニケーションをとるようにし、環境の変化にも気づいてあげるようにしましょう。
なお、この頃から子どもの意思が親権者の決定に反映される可能性が上がります。
高校生にもなると「離婚」という状況に対してしっかりと受け止められる年齢です。親の良いところも悪いところも理解しているケースが多いため、離婚の相談をすれば率先してアドバイスをするというお子さんもいらっしゃるようです。
もっとも、16歳から18歳程度までは多感な時期であることには変わりなく、心の成熟度も人によって大きく異なります。
子どもの性格や気質によって離婚に対する反応は大きく異なりますので、親御さんの判断が必要です。
どちらにしろ、離婚をするならば子どもに対ししっかりと説明してあげることが必要です。
進路の選択や将来について考え始める年頃ですので、経済的な面での心配をさせないことや学業のサポートを怠らないことも必要かもしれません。
このように、親の離婚は子供の感情をゆさぶり、心の安定を奪ってしまいます。
悲しみ、不安、怒りといった負の感情が高まれば、子供の精神的・心理的発達に悪影響を及ぼす恐れもあります。
しかし、離婚は決して悪いことばかりではありません。以下のように子どもにプラスの影響を与える場合もあります。
「夫がDV・虐待をする」など、身体的・精神的暴力に悩まされ離婚を検討している方は多いといわれています。
DVなどの直接的な暴力はなかったとしても、毎日のように喧嘩している、ほとんど口をきかなくなっているという夫婦もいらっしゃるでしょう。
「子どもが成人するまでは…」と日々の生活に耐えている方もいますが、このような環境で我慢を続けることが子どもに悪影響を与えるのは言うまでもありません。
毎日のように暴力や罵声が浴びせられるような家庭で育つと、たとえ子どもに直接的な矛先が向かなかったとしても、以下のような影響が出ることが考えられます。
上記はあくまでも傾向ですが、仲の悪い夫婦の間で育つ子どもへの影響やトラウマは必ずあります。
「子どものために離婚しない」という選択が、却って子供に負担になっていることも多いのです。
離婚することでこれらの状況から子ども遠ざけられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
親が離婚すると、親自身が精神的に解放されることになります。そして、子どもはそれを見て安心感を覚えるケースが存在します。
親が明るい顔をしていれば、子どもも嬉しくなるものです。親が幸せそうに暮らす顔を見ることで子どもは安心できるのです。
家庭の雰囲気が明るくなることで、子どもも以前よりのびのびと過ごせるようになるでしょう。
このように、あまりに家庭の状況が悪化している場合は、離婚が子どもにとっての救いとなることもあります。
「毎日のように激しい喧嘩をしている」「DVやモラハラ、虐待がある」というのが日常ならば、子どものために離婚を真剣に検討すべきかもしれません。
子どもにとって、親の離婚は人生の中で大きな出来事であることに変わりありません。
何歳で離婚することになったとしても、子どもへの悪影響を少なくするためには、子ども目線でしっかりとコミュニケーションを取ることが大切です。
とはいえ、子どものことばかり考えご自身の幸せをないがしろにするのもよくありません。子どもは親の幸せをしっかりと見て育つからです。
離婚には経済的な問題もつきまといますが、子どもたちにとって重要なことは親の幸せな表情と愛情です。真剣に向き合い、しっかりと説明をすれば離婚についても理解してくれるでしょう。
特に、DVやモラハラ、虐待があるならば、離婚が子どもに良い影響を与えることは少なくありません。
DVまでいかずとも、毎日喧嘩が絶えないような家庭ならば離婚に踏み切ることも考えてみてください。
逆に、離婚をしても親子関係を大事にしたい・子どもの影響を最小限にしたいという方は、面会交流で定期的に会うなどのコミュニケーションが可能です。
子どもがいる場合の離婚問題でお悩みならば、一度弁護士に相談してみてください。