養育費減額調停とは|申立ての流れと弁護士なしのケース・依頼するメリット

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離婚後に「養育費減額調停」と呼ばれる調停があります。

離婚時に養育費の金額を取り決めたとしても、その後収入の減少や再婚などを理由として、養育費の支払いが難しくなるケースがあります。

そのような場合には、家庭裁判所に「養育費減額調停」を申し立てることにより、養育費の金額を減らせる可能性があります。

家庭裁判所での調停と聞くと難しそうな印象を受けますが、考慮されるポイントや聞かれること、手続きの流れを押さえておけば安心です。不安な方は、どのような形で養育費減額調停の申し立てを進めるべきかについて、一度弁護士に相談してみましょう。

この記事では、養育費減額調停の考慮ポイント・申立ての流れや、弁護士に依頼をするメリット、必要書類、弁護士なしだと不利になるか、聞かれること、行かない場合、不成立なら審判移行か、却下できる理由などについて解説します。

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養育費減額調停とは?

養育費減額調停は裁判所で行われる調停手続きですが、実際にどのようなことが話し合われるのか、またどのような点が考慮されるのかなどについて、基本的な点を解説します。

 離婚後の養育費減額調停の概要

養育費減額調停は、離婚時または離婚後に一度取り決めた養育費について、その後の事情変更を理由とする減額の話し合いを行う調停手続きです。

養育費減額調停の中では、調停委員が双方の言い分を個別に聞くことにより、調停案への合意を目指して話し合いを仲介します。

夫婦ともに、養育費に関する自分の希望を調停委員に伝えたり、必要に応じて資料を提出したりしながら、養育費に関する落としどころを探っていくことになります。

当事者双方が調停案に同意すれば、調停は成立となり、養育費は調停案どおりの内容で減額・変更されます。また、弁護士なしで行われることもちろんもあります。

養育費減額調停が不成立なら審判移行

一方、話がまとまらないケースもあり、調停が不成立となる場合があります。

この場合、自動的に「審判手続き」へと移行するのが通常です。

そして、裁判官により審判の形で解決案が提示されます。当事者双方に異議がなければ、養育費は審判の内容のとおりに変更されます。

ただ、当事者が審判の内容について不服がある場合、即時抗告という手続きが可能です(家事事件手続法156条4号)。

養育費減額調停で聞かれることと考慮されるポイント

養育費減額調停では、養育費が決定された段階と現在の状況を比較して、事情変更による養育費の減額を行うべきかどうかが争点となります。

調停委員は、当事者双方に対して歩み寄りを促し、さまざまなことを聞いてきますので、聞かれることは何なのか気になる方も多いでしょう。

まず、調査委員は「審判や訴訟」になった場合の結論を想定して聞いてくるということがポイントです。

調停の段階でも、審判や訴訟になった場合にどのような要素が考慮されるかということを意識することが重要です。

養育費の減額要因としては、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 支払い義務者の収入の減少
  • 親権者の収入の増加
  • 親権者が再婚して、再婚相手が子どもと養子縁組をした場合
  • 支払い義務者が再婚して子どもができた場合

上記のうち、支払い義務者および親権者の収入バランスの変化はもっとも重要な要素です。養育費の金額を合意した当時から著しく収入バランスが変わっている場合には、養育費の金額変更が認められる可能性が高いでしょう。

なお、変更後の養育費の金額がどのくらいになるかについては、基本的に養育費算定表をベースに決まります。

聞かれることとしては以下のようなものがあるでしょう。

  • 現在の収入額: あなたの現在の収入はいくらですか?
  • 現在の生活状況: あなたの現在の生活状況を教えてください。
  • 希望する養育費額とその根拠: あなたが希望する養育費の金額とその根拠は何ですか?
  • 子供が何歳になるまで養育費を支払うのか: あなたが考えている養育費の支払期間は何歳までですか?
  • 養育費の支払方法: 養育費の支払い方法についてどのような希望がありますか?

また、以下のツールで、算定表と同様の計算式でご自身のケースに応じた養育費の目安を簡単に試算できます。ぜひご活用ください。

一般に減額が認められず、却下できる理由

例えば、以下のような例で、減額を求めようするケースがありますが、原則認められず却下できるでしょう。

  • 面会交流を拒否されたことだけを理由として養育費の減額を認めろとの主張
  • 支払い義務者が勝手に作った借金などが理由で養育費を支払えない場合

養育費は元夫婦双方の経済状況に応じて決定されるものなので、面会交流を交換条件とすることはありません。

また、借金も支払い義務者側の個人的な事情に過ぎないので、やはり養育費の減額は認められず却下できます。

養育費減額調停の申し立て|必要書類・費用

実際に養育費減額調停を申し立てる際には、裁判所が定める所定の手続きに従って申立てを行う必要があります。
以下では、申立てに関する手続きについて、必要書類の書式と併せて解説します。

まずは、養育費減額調停の申立人・申立先の裁判所・申立て費用・必要書類についてそれぞれ解説します。

申立人

養育費減額調停は、元夫婦のどちらからも申し立てることができます。養育費の減額に関する調停なので、実際には養育費の支払義務者の側が申立人となるケースが通常でしょう。

申立先の裁判所

申立先は、原則として相手方の住所地の家庭裁判所となります(家事事件手続法245条1項)。ただし、元夫婦間で別途の合意をすれば、合意した家庭裁判所に対して申立てを行うことが可能です。

申立て費用

養育費減額調停の申立てに必要な費用は、以下のとおりです。

<養育費減額調停の申立てに必要な費用>

・収入印紙 1,200円分
・連絡用の郵便切手 約1,000円分(各家庭裁判所で異なるため裁判所にご確認ください)

必要書類

養育費減額調停の申立てに必要となる書類は、以下のとおりです。

<養育費請求調停の申立ての必要書類>

・申立書およびその写し1通
・対象となる子の戸籍謄本(全部事項証明書)
・申立人の収入に関する資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書、非課税証明書などの写し)

上記以外にも、家庭裁判所の要請により、追加の資料の提出が求められるケースもあります。

申立書の記載例

養育費減額調停を申し立てる際には、申立書を裁判所所定の書式に従って作成します。

書式は以下のとおり、裁判所ホームページに掲載されています。

冒頭の「事件名」の欄の「養育費減額請求」にチェックしたうえで、必要事項を記入してください。

*裁判所HP:養育費減額調停申立書書式

また、申立書の記載例についても、裁判所ホームページで以下のとおり紹介されています。同記載例は当初の養育費請求調停を申し立てるケースを想定したものですが、養育費減額調停の場合にも、基本的には同様に必要事項を記載すればOKです。

*裁判所HP:養育費減額調停申立書記入例

養育費減額調停の流れについて

養育費減額調停の申立てから、調停の成立または不成立に至るまでの流れについて詳しく解説します。

まずは元夫婦間での話し合い

養育費の減額については、調停の申立てに先立って、元夫婦間での話し合いが行われることが通常です。

しかし、元夫婦同士が顔を合わせると、つい感情的になってしまったり、双方の言い分が大きく食い違ったりして、話し合いが不調に終わってしまう場合もあります。
その際には、養育費減額調停の申立てを行うことになります。

養育費減額調停の申立て方法については、ここまででご説明したとおりです。

調停開始から調停終了までの流れ

養育費減額調停の申立てが受理されると、実際に調停期日において、調停委員を介した元夫婦同士の交渉・話し合いが行われます。

調停期日の流れ

調停期日では、元夫婦双方が出席の下、調停委員が調停室にそれぞれを一人ずつ呼び出して話を聞きます。
当事者である元夫婦は、調停委員に対して自分の主張を伝えたり、逆に調停委員を通じて相手の主張を聞いたりして、歩み寄りが可能かどうかを検討することになります。

調停1回あたりの時間はおおむね2時間程度です。
その調停期日の間に話し合いがまとまらず、継続して話し合いを行うべきと判断される場合には、次回の調停期日が指定されます。

裁判所と元夫婦のスケジュール状況にもよりますが、だいたい1か月に1回程度のペースで調停が開催されるのが一般的です。

調停の終了

養育費減額調停は、以下のいずれかの場合に終了します。

  • 当事者双方が調停案に合意した場合
  • 調停が不成立となった場合
  • 申立人が調停申立てを取り下げた場合

上記のうち、調停が不成立となった場合には、既に解説したとおり自動的に審判手続きに移行します。

調停に相手が来ない・無視・行かない場合は、どうなる?

養育費減額調停が始まったにもかかわらず、相手が来ない、無視する、行かないと言った場合、また何度も調停期日を欠席した場合、調停は「不成立」となります。

この場合、これで終わりというわけではなく「審判手続き」に移行します。

この際に、調停を欠席した当事者は裁判所に対して主張を提出していない状態です。この状態で審判が下されるため、審判の結果は、出席している当事者の側にとって有利な内容になることがほとんどです。

なお、調停委員の側から、いったん調停外での話し合いを行うことを促すため、申立ての取下げをすすめられる場合もあります。

養育費減額調停を弁護士なしと弁護士ありの違い|不利になる?

養育費減額調停における弁護士のありなしは、大きな違いをもたらします。弁護士に依頼すれば、以下のようなメリットが期待できます。

弁護士のメリット

まず、弁護士は離婚や調停に関する法律の専門家です。養育費減額の条件や算定方法、必要な証拠書類などの知識を有しています。適切な主張や準備ができ、有利な進め方をアドバイスしてくれます。

また、調停は感情的にならずに事実関係を冷静に説明する必要があります。弁護士は当事者ではないため、中立的な立場から状況を判断し、建設的な対応ができます。

そして、調停は双方の主張をすり合わせる場でもあります。弁護士は交渉の経験と技術を持ち、有利な条件を引き出すことができます。一人では難しい交渉を弁護士を通じて行えます。弁護士なしとありで大きな違いが生じます。

弁護士なしの場合は、減額が認められる可能性がダウンしたりするか?

弁護士は、養育費に関する事件処理を豊富に扱っています。

そのため、依頼者から具体的な事情を聞いたうえで、養育費の減額が認められる可能性はあるか見通しを立てることが可能です。

また、どのくらいの金額なのかなど見通しを立てることができます。

依頼者としても、事件の見通しがわかっていなければ、相手の主張が妥当かそうでないかを適切に判断することができません。

その意味でも、弁護士に依頼をして事件の見通しについてのアドバイスを受けることは重要になります。

弁護士なしの場合は、そういったことが難しくなります。

弁護士なしなら、調停を進めるうえで有益なアドバイスがもらえない?

弁護士は、調停手続きの内容や流れについても精通しています。

依頼者としては、裁判所に出向く機会自体、人生の中で何度もあるものではないでしょう。

弁護士なしでの不慣れな手続きの中では、自分の主張や希望を思うように調停委員に伝えることができない可能性も否定できません。

弁護士に依頼をすれば、調停を進めるうえで気を付けるべきポイントや、準備すべき事項についてのアドバイスを受けることができます。

そのため、安心して調停手続きに臨むためにも弁護士ありのほうがおすすめです。

弁護士なしで自分で手続きをすると手間が増える?

養育費減額調停に際しては、申立書の作成・提出や、必要に応じて主張書面・証拠資料の提出を行う必要があります。

これらの作業にはたいへんな手間がかかるため、申立人だけで、自分で準備を行うのは相当な負担になります。

つまり弁護士なしで自分ですることはやめて、不利にならないよう、専門家である「弁護士に依頼」をすれば、これらの準備を依頼者の代わりに行ってくれるため、依頼者の手間が大幅に軽減されます

 まとめ

以上で養育費減額調停の聞かれることや弁護士費用、また相手が来ない場合や無視する場合、却下できる理由、不成立なら審判移行か、必要書類、自分でする場合などを解説しました。

上記で、解説したように、一度養育費を取り決めたとしても、その後に元夫婦間の収入バランスが変化するなどの事情変更が生じた場合、養育費の減額が認められる場合があります。

養育費減額調停は、養育費の減額について話し合う、裁判所における公的な手続きです。

調停手続きは話し合いとはいえ専門性が高く、また交渉ごとになるため精神的負担も大きくかかってきます。
そのため、弁護士に依頼をしてサポートを受け、事務処理面・精神面での負担を軽減しながら手続きを進めることをおすすめします。

収入の減少・再婚などにより養育費の支払いが苦しくなったという方や、相手から調停を申し立てられたという方は、ぜひ一度弁護士に相談してみてください。q

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監修・執筆
阿部由羅(あべ ゆら) 弁護士
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで、各種の法律相談を幅広く取り扱う。webメディアにおける法律関連記事の執筆・監修も多数手がけている。
■URL https://abeyura.com/lawyer/

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