任意整理による借金解決|メリット・デメリットやその後の生活について
任意整理とは、自己破産や個人再生とは違い、裁判所を通さずに行なう債務整理の手法です。 簡単に言うと、借入をしている金…[続きを読む]
債務整理は自力で行うことも可能ですが、法律知識に乏しい一般の人が自力で行うことはおすすめできません。
債務整理は、債権者側との交渉や、裁判所に提出する書類作成に大変な労力がかかる上に、手続きを行うときにミスがあると、本来は受けられる借金減額のメリットが受けられなくなってしまうことがあるからです。
とはいえ、「ただでさえ多重債務でお金に困っているのに、弁護士を雇うなんてできるわけがない」「弁護士費用を払えないから、債務整理もできない」などと悩んでいる方も多いかもしれません。
しかし、選択する債務整理方法、依頼する弁護士事務所の選び方、そしてあらゆる制度の活用方法によっては、弁護士費用を安く抑えることができるかもしれません。
今回は、弁護士に債務整理の代理人を依頼した場合の費用相場について解説します。
目次
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」などの方法があります。
選択する手続きの方法や依頼する法律事務所によって異なりますが、おおよその費用相場は以下のようになっています。
(もちろん、費用だけで債務整理方法を選択することはできませんので、手続きの効果などを踏まえて検討するべきです。)
弁護士費用 | 着手金 | 2~4万円/1社 |
---|---|---|
報酬金 | 2万円/1社 | |
実費(郵便の費用等) | ~5,000円 |
任意整理の費用は、債権者1件ごとに計算するのが一般的で、1件あたりの着手金の相場は3万円程度です。
(相手が闇金の場合には5万円程度になることがあります。)
例えば、消費者金融からの借金が3件、銀行からの借金が1件あるという人の場合、全ての借金を任意整理すると3万円×4件=12万円の着手金が発生します。
整理したい借金の本数が多い(つまり債権者がたくさんいる)場合には、任意整理の費用も高額になる傾向があります。
報酬金は1社について2万円程度が相場ですが、減額できた分に対して5~10%の減額報酬金がかかる事務所も多いです。
また、着手金は多少高額でも、報酬金を0円としている事務所もあります。
任意整理を弁護士に依頼した場合、手続きの途中で過払い金の発生が判明することがあります。
弁護士に過払い金返還請求の代行を依頼した場合には、実際に取り戻すことができた金額の20%程度を成功報酬として支払うことが多いです。
例えば、10万円の過払い金返還に成功したとしたら、10万円×20%=2万円程度を成功報酬として弁護士に支払うといった形になります。
弁護士費用 | 着手金 | 30~50万円 |
---|---|---|
報酬金 | – | |
裁判所費用 | 印紙代 | 10,000円 |
郵便切手代 | 数千円 | |
官報公告費用 | 12,000円程度 | |
個人再生委員の報酬 | 約15万円〜 |
個人再生を弁護士に依頼したときには、30~50万円程度が弁護士費用相場になります。
(「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」という制度を利用してマイホームを残す場合、手続きが複雑になるため、弁護士費用は上がる傾向があります。)
報酬金については、個人再生の場合通常発生しません。
弁護士費用 | 着手金 | 20~50万円 |
---|---|---|
報酬金 | – | |
裁判所費用 | 印紙代 | 1,500円 |
郵便切手代 | 数千円 | |
官報公告費用 | 12,000円程度 | |
管財予納金 | 20万円~ |
自己破産を弁護士に依頼したときの費用相場は、30万円~40万円という場合が多いです。
報酬金について通常発生しないのは個人再生と同じです。
自己破産には「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、どちらになるかによって費用が変わります。
このように、弁護士に債務整理を依頼すると、数万円〜数十万円程度の費用を負担することになります。
「手元にそんなにお金はない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、この点ついて大きな心配は不要です。
ほとんどの法律事務所が費用の後払いや分割払いに応じてくれる他、「法テラス」という、弁護士費用が払えない人のための救済機関があります。こういった手続きを活用することで、債務整理費用を抑えることができる場合があります。
今、借金問題の相談は無料としている弁護士事務所は非常に多いです。
無料相談では、あなたの具体的な状況(借金の金額や毎月の収入など)を見ながら「家族には内緒にしたい」「マイホームを残したい」などのご希望を加味した上で、どの債務整理を選択するべきかについてアドバイスをしてもらえます。
自分はそもそも債務整理を行う必要があるのか、行うとしてどの方法をいつまでに選択するべきなのかがよくわからないという方も、一度法律事務所に無料相談をしてみると良いでしょう。
また、今後かかる費用についても、初回の相談で明示してもらえることが多いです。
【全国対応】お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。
【全国対応】お客様の借金の状況を細かくお伺いした上で、最適な債務整理方法をご提案いたします。
債務整理をお願いしたい人が日々のお金の工面に苦労していることは当然ですので、債務整理を専門的に扱う事務所には、費用に関し柔軟に対応している所が多いです。
事務所によっては、弁護士費用を「後払い」「分割払い」してもらえるところがあります。
弁護士に債務整理を依頼すると、「受任通知」の送付により債権者に対する支払いがストップします。
すると、今まで借金返済に充てていた金額が浮いてくるので、その中から弁護士費用の支払いに出せる部分が出てきます。
「後払い」「分割払い」ならば、支払いストップ後のお金を積み立てておくと良いでしょう。
また、着手金無料の弁護士を利用する方法もあります。
任意整理では、報酬金を高めに設定することなどによって着手金を無料にしている弁護士事務所があります。
そうした弁護士を利用すれば、依頼の時にお金がなくても手続ができるので、費用が心配な方にはお勧めです。
ただ、着手金が無料な分、報酬金が高く設定されていることもありますので、全体的な費用をよくチェックしておく必要があるでしょう。
個人再生や自己破産をするときには、個人再生委員や破産管財人の「予納金」がかかるケースがあります。
予納金は裁判所に収めるお金で、個人再生委員や破産管財人の人件費(報酬)となります。
予納金は15万円や20万円などとなるので高額ですが、個人再生委員の予納金については、基本的に分割払いです。
自己破産の管財予納金についても、裁判所によっては分割払いさせてもらえるところがあるので、一度弁護士に相談してみましょう。
収入が一定以下なら、法テラスの利用も有益です。
法テラスの「民事法律扶助」という制度を利用すると、法テラスが弁護士費用の立て替え(ただし予納金を除く)をしてくれます。
その後は法テラスに分割で立替金を償還していけば良いのですが、分割金の償還は月々5,000円~です。「これなら支払える」という方も多いでしょう。
法テラスの利用については収入面での条件などがありますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。
債務整理を自力で行う場合と、弁護士に依頼して行う場合を比較すると、以下のようなメリットがあげられます。
借金の問題は、早めに法律的な対策を打つことでスムーズに解決することができます。
現在、大きすぎる借金が払えずに苦しんでいる…という方は、費用の心配はせず、少しでも早く弁護士に相談してみることをおすすめします。