ギャンブル依存症にかける言葉・家族にできること
ギャンブル依存症は本人の意思だけで治療できるものではありません。しかし、末期になると多額の借金を作ってしまい、生活に…[続きを読む]
日本は「ギャンブル大国」と言われています。競馬・競輪・ソシャゲ・競艇・オートレースといった公営ギャンブルに加えて、事実上のギャンブルであるパチンコ・パチスロの店舗がそこかしこに存在します。
ギャンブルにのめり込んでしまうことによる社会問題の1つが「ギャンブル依存症」です。
男性・女性問わずにギャンブル依存症が原因で多額の借金を抱えてしまう方は多く、借金地獄となり私生活に支障が生じる事例も多数見られます。
いけないことだと分かっていても歯止めが効かない場合、「ギャンブル依存症」を疑った方がいいかもしれません。
借金をしてまでギャンブルを続けていると、給料や預貯金などの財産を差し押さえられて強制的に返済に充てられるという末路が待っているでしょう。
実は、このようなギャンブル依存症による借金でも「債務整理」により解決できるケースが多いです。
債務整理をすれば借金を減額あるいは免除できるため、借金問題やギャンブルの問題が一挙に解決する可能性があります。
この記事では、ギャンブル依存症で借金地獄に苦しんでいる方に向けて「債務整理とは何か?」「どうすれば債務整理に成功するのか?」を解説していきます。
目次
このように、日常生活でギャンブルに関係する何かを見つけてしまうと、それをきっかけにして「ギャンブルをしたくて仕方がない」という状態になってしまう依存症が「ギャンブル依存症」です。
ギャンブル依存症は、1970年代に「病的賭博」という名前で、WHOから病気として認定されています。
「意思が弱いからギャンブルから抜けられないのだ」と考える人もいるかもしれませんが、意思だけでは治療できない病気はたくさん存在し、ギャンブル依存症もその1つです。
ギャンブル依存症の人は、ギャンブルによって得られる興奮や刺激、勝利の快感に依存しているため、ギャンブルをすること自体が自己肯定感やストレス解消、または一時的な逃避となってしまいます。
継続的にギャンブルをすると当然ながら資金は底を尽き、消費者金融、銀行、クレジットカードなどから借金を繰り返すようになります。金銭感覚が狂った結果として借金地獄で首が回らなくなるほか、正常な判断ができなくなり、人間関係の悪化、精神的な苦痛、健康問題までもを引き起こすことがあり大変危険でしょう。
ギャンブル依存症の代表的な症状は以下のようなものです。
上記のような行動パターンがある場合、ギャンブル依存症を疑ってみる必要があります。
なお、ギャンブル依存症と言っても、常にギャンブルのことを考えているわけではありません。
例えばパチンコ依存症の人の場合、ネオンの看板を見たり、パチンコ屋で聞く音(電子音、効果音、球の跳ぶ音など)を耳にしたりすると、スイッチとなってパチンコをしたくてたまらなくなることがあるようです。
関連:「 パチンコ依存症の特徴|どうしたら治る?主婦が借金地獄からの脱却」
ギャンブル依存症の治療には、認知行動療法やグループセラピー、または薬物療法などがあります。
また、治療に加えて、支援団体やカウンセリングを受けることで、ギャンブル依存症を克服している方も多くいます。
とはいえ、ご自身が依存症であると認めず、治療や支援に対して抵抗するケースも少なくありません。
いずれにせよ、依存症を自力で治すことは難しいため、まずは専門家のサポートを受けることをお勧めします。
ギャンブル依存症が生活にもたらす悪影響は広範囲にわたります。
その最たるものが「借金」です。
ギャンブルは基本的に「勝てない」ようにできています。
仮に一度は勝つことができても、負けなしでい続けることはできません。しかし、それにも関わらず「いつか絶対に勝てるはず」「次で当たれば元を取れるはず」「勝ったらやめよう」などと考えて、借金をしてでもギャンブルを続ける例は枚挙にいとまがありません。
ギャンブル依存症による借金地獄で生活苦を強いられている方のために、ここでは、借金を解決する方法である「債務整理」を3種類ご紹介します。
いずれの手続きであってもギャンブル依存症による借金は解決できますが、中には注意点が存在するものもあります。
あなたにぴったりの債務整理方法はどれか、どの債務整理が最もデメリット・リスクが少ないのか等、詳しくは債務整理に強い弁護士・司法書士にご相談ください。
任意整理は、日本で最も多く行われている債務整理方法です。
債権者と直接交渉して、借金の将来利息を一部カットしてもらいます。その上で、借金の残額を3年〜5年程度の分割払いで返済する旨の和解を取り付けます。
消費者金融の借金やリボ払いなど、利率が高い借金の場合、利息を減らせるだけでもかなり返済が楽になります。
さらに、返済スケジュールを立て直すこともできるので、月々の返済額は一気に少なくなるでしょう。
任意整理では借金の理由は問われませんので、ギャンブル依存症による借金も減額できる可能性があります。
また、任意整理は以下で説明する他の債務整理と違って裁判所を通さずに済むので、費用を抑えて短期間で終わる点もメリットと言えます。
しかし、借金の元本を減らす効果はないため、借金の総額が多すぎる場合は焼け石に水かもしれません。
また、債権者が任意整理に反対した場合は合意ができませんので、裁判所を通す手続きを通さざるを得ません。
個人再生は、裁判所に申立てを行って借金を元本から大幅に減額してもらう制度です。
減額率は平均して5分の1ですが、借金総額などによっては最大で10分の1になることもあります。
減額してもらった借金は、任意整理と同様に原則3年程度かけて分割払いで返済します。完済できれば、圧縮してもらった残りの借金は全て免除になります。
このため、将来的に継続した収入を得られる見込みがある方のみが申立てを認めてもらうことができます。
借金の減額率が高いことに加えて、他の債務整理と違って「住宅ローン特則」という制度があるため、ローンの残っている持ち家を処分せずに他の借金を減額できるというメリットがあります。
マイホームをお持ちの方や、借金額が高額な方は、個人再生を選択するメリットが大きいでしょう。
個人再生も、任意整理と同様に借金の原因は問われません。
よって、ギャンブルが理由の借金も元本から減らすことができます。
一方、必要書類や手続きが複雑であるため、一般人が自力で行うのは大変な困難を強いられるでしょう。弁護士・司法書士の負担も大きいことから、債務整理費用が他に比べて高額になる傾向があります。
自己破産も、裁判所に申立てをするタイプの債務整理です。
自己破産では、裁判所から認可を得られれば借金をゼロにしてもらうことができますが、当面の生活に必要な財産(生活必需品や家具家財、一部の生活費など)を除く一定以上の財産は処分され、債権者への弁済に充てられてしまいます。不動産や高価な車などを所持している方はこの点に留意する必要があるでしょう。
(財産が少ない場合は、特に財産を処分することなく借金をゼロにしてもらうことも可能です。)
任意整理や個人再生などの減額では完済できないほど借金が膨れ上がってしまっているならば、自己破産が有効な選択肢になるかもしれません。
しかし、実はギャンブルが原因の借金を自己破産する際には注意が必要です。
というのも、自己破産には「免責不許可事由」といって、「こういった事情(事由)がある人の借金はゼロにできません」という決まりがあり、残念ながらギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当するからです。
つまり、ギャンブル依存症になって賭け事(賭博)をやめられずにできた借金については自己破産できないと法律により定められているのです。
ただし、「裁量免責」といって、免責不許可事由があっても裁判官の裁量で免責を認めてもらえる制度が用意されています。
実際、この裁量免責によってギャンブルによる借金を自己破産できた人は大勢いるので、裁量免責を目指す場合は弁護士・司法書士に相談してアドバイスを受けましょう。
関連記事:「パチンコに負けすぎて借金をしたら自己破産で解決できる?」
「ギャンブル依存症でも自己破産できるか?」で詳しく解説していますので参考ください。
他にも、手続中の資格制限(職業制限)や引越し・旅行の制限がかかるケースもありますので、心配な方は一度弁護士にご確認ください。
「わざわざ債務整理なんてしなくても、家族や親戚からお金を借りていれば生活はできる」
「今は借金まみれだが、ギャンブルで当たったら返せば良い」
ギャンブル依存症に陥っている方はこのように考えがちです。
しかし、それではギャンブル依存症を解決できませんし、借金問題の根本的解決もできず、人間関係までもが破綻してしまう可能性があります。
弁護士・司法書士に債務整理を依頼することで、借金とギャンブル依存症の両方を解決できるかもしれません。
債務整理は、法的には自分自身で行うことも可能ではあります。
しかし、債務整理をする場合は専門家である弁護士・司法書士に依頼するのが一般的です。
特に弁護士は、裁判手続きにおけり代理人になる権利を有しているため、個人再生・自己破産では債務者本人の代理人として複雑な手続きのほとんどを行ってくれます。
裁判所手続きを適正かつ迅速に行なってくれるので、借金問題を早く、確実に解決できる可能性が飛躍的に高まります。
もちろん、裁判所を通さない任意整理の場合でも、専門家が代理人になるだけで交渉を有利に進めることができます。
むしろ、専門家がついていなければ交渉の席にさえついてくれない債権者は多いでしょう。
以上から、債務整理はどの手続きであっても弁護士や司法書士に依頼することを強くお勧めします。
弁護士・司法書士は、経済的な再建を目指すために個々のケースに合わせて最適な債務整理を提案してくれますし、将来的に再び生活が困窮することがないよう長い目で見た返済計画内容も考えてくれます。
しかし、債務整理で一旦借金問題を解決できても、ギャンブルを止められなかったら意味がありません。
よって、ギャンブル依存症の場合はいかにしてギャンブル断ちをするかが大きな課題となります。
ギャンブル依存症は自分で治せる類の病気ではないため、改善には専門機関への受診や自助グループへの参加が必須とも言えます。
そして、弁護士・司法書士に債務整理を依頼すれば、事務所によってはギャンブル依存症を治療するためのクリニックを紹介してくれることがあります。
専門家に依頼をすれば、単なる借金の解決にとどまらず、今後改めて借金と無縁の人生を送るための手助けを受けられるのです。
ギャンブル依存症を本人の意思のみで治療することは非常に難しく、放置していると借金を重ねてでもギャンブルをしてしまいます。
「ギャンブルをやめたいと思っているのに、なぜかやめられない」という状態ならば、それはギャンブル依存症かもしれません。
ギャンブルで作った借金については、債務整理で解決することが最もおすすめな対処法と言えます。
債務整理後一定期間は借金そのものができなくなるため、ギャンブルから身を遠ざける効果も期待できます(=信用情報機関のブラックリスト登録)。
借金を放置していると、利息や遅延損害金などで支払総額が増える一方です。特にギャンブル依存症ならば、元金はあっという間に膨らんでしまうでしょう。
弁護士・司法書士は、単に借金に困っている方だけでなく、「ギャンブルを止められない」「ギャンブル依存症により私生活にまで影響が出ている」という状況の方を多く見てきています。よって、あなたの借金の理由、状況(総額・借入先の数)、現在の収入や支出などを加味した上で、それぞれにとって最善の解決方法を導き出してくれるでしょう。
弁護士事務所や司法書士事務所によっては、ギャンブル依存症の治療に適したクリニックを紹介してくれることもあります。
借金問題やギャンブル依存症を根本から解決するためにも、債務整理をお考えならばどうぞお気軽に弁護士・司法書士までご相談ください。