闇金のジャンプとは？利息だけを支払い続けるリスク

闇金（ヤミ金）からお金を借りて返済していると、返済が苦しくなってきたところで、闇金業者から「ジャンプをしませんか？」など言われることがあります。

「ジャンプ」は一見して債務者にとって有利となるサービスと思うかもしれませんが、実はかなり危険な返済方法で、ジャンプを繰り返すことで完済がどんどん遠のいていく（ヤミ金を返済できなくなる）ことが考えられます。

この記事では、闇金からジャンプを提案される理由や、お金を返済できなくなった時の正しい解決方法を解説していきます。

闇金が提案する「ジャンプ」の手口

「ジャンプ」とは？

「ジャンプ」という用語は、闇金が提案する返済手段の一つです。
闇金は、利用者の返済が苦しくなってきたあたりで、「今回は厳しそうですし、返済日に利息のみを支払いませんか？」という提案をすることがあるのですが、この「利息のみの支払う」という手法が「ジャンプ」です。

返済ができない！と慌てていた利用者としては、利息だけで良いならば返せる！と、「ジャンプ」を勧めてくれたことに却って感謝してしまうこともあるそうです。

実際にジャンプをするとどうなるか

利息のみを返すということは、次回の支払いが再び元金＋利息になるということで、本来の完済期日を延期させることになります。

つまり、闇金をジャンプすると元金が減少することはなく、さらに延期された返済期日に向けて新たな利息が発生するため、借金の総額が増加することになります。

一見して利用者（債務者）に有利に見えるジャンプのシステムですが、実は借り手にとって非常に不利な条件であり、ジャンプを繰り返すことで借金の負担がどんどん膨れ上がってしまいます。

消費者金融と闇金の「ジャンプ」の違い

消費者金融においても、利息だけを支払う「ジャンプ」が行われることがあります。

しかし、消費者金融は闇金業者とは違い、ジャンプを安易に勧めることはありません。ジャンプが債務者にとってマイナスになるケースも熟知しているので、消費者金融は債務者から念入りにヒアリングを行った上で、「ジャンプをすることで次回の返済は問題なく行ってくれるだろう」と確信した時のみジャンプを許可します。

とはいえ、消費者金融がジャンプを繰り返し許すことはありません。「今後、本当に元金返済をできるのだろうか？」と思われたならば、連帯保証人への請求や法的措置に進む可能性もあるので注意が必要です。
また、「一年にジャンプできる回数は2回まで」というように決めている業者もあるようです。

闇金がジャンプを勧める理由

闇金は、利息制限法で定められた上限利息を大幅に超えた暴利を設定してきます。例えば、元金の額が10万円未満の場合は年20%が法定利息ですが、闇金は10日で3割、5割（いわゆるトサン、トゴ）などで利息を設定し、これは年利換算すると1,000%を超えます。

つまり、闇金は少額な融資ながらも莫大な金利を回収することで収益を得ており、「借金を完済させずに利息を払わせ続けること」は闇金にとって大きな利益となるのです。

例えば、10日で5割（トゴ）の利息で10万円を貸した場合、10日後には15万円を返済しなければなりません。ここで無理に15万円を用意させるより、5万円だけ返済するジャンプを許可すれば、現時点で5万円を回収できるほか、闇金はその10日後に再び15万円を請求できます。そして、そこでも利息（5万円）だけのジャンプを許可すれば、その時点で元金10万円の回収が完了します。
その後もジャンプを繰り返させれば、闇金は10日ごとに5万円を受け取ることができ、継続的に利益を得ることができるのです。

また、最近は普通の闇金よりも対応が丁寧な「ソフト闇金」が増えています。
闇金と違い恐喝的な取り立てもないため、「あまりに物腰が柔らかだから闇金と気づかなかった」という方も多いです。

このようなソフト闇金は、利用者との関係を継続させて長い期間で利息を搾り取るため、利用者を安心させる（信頼させる）目的でジャンプを勧めてきます。
しかし、ソフト闇金も通常のヤミ金も、法定利率の上限を超えた違法な金利に変わりありません。

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闇金でジャンプをすることのリスク・デメリット

完済日が先送りになる

通常、貸金業者からお金を借りた場合は、元金０円になるまで元金＋利息を毎月分割払いします。利息は元金の額を基に算出されるため、元金が減れば利息も少しずつ減っていき、いずれ完済をすることができます。
しかし、ジャンプをして利息だけ支払いすれば当然ながら元金は減りません。この結果、完済日がどんどん先送りになります。

実際、ネットニュースでは「毎月ジャンプで利息のみを支払い続け、３年間も闇金に返済を行なっていた」などというケースもあるようです。

借金総額が膨れ上がる

借金総額は「元金＋利息＋遅延損害金」です。ジャンプを使って利息ばかり返済して元金が減らないと、それはつまり借金総額がどんどん膨れ上がるということです。

先の例（10日で5割（トゴ）の利息で10万円を貸した場合）で考えれば、本来は1ヶ月（30日）で337,500円支払うことで完済になります。
しかし、これをジャンプすると、利息のみ237,500万円を支払うことになり、更に元金は10万円残ったままになります。これを次月以降も利息付きで返済していくことになります。

次月以降もジャンプするとなれば、やはり元金は減らずに何ヶ月も継続して闇金へと支払いを続けることになります。

ジャンプがクセになり元金がなかなか減らない

一度ジャンプを利用すると、「返済が少額で済んだ」「滞納をせずに済んだ」という安心感からジャンプがクセになってしまいます。
できるだけ長期間に渡り貸し出しをして金利を膨らませようと企んでいる闇金としては、ジャンプがクセになった顧客は格好の「カモ」だと思うことでしょう。

結果的に、追加の融資の勧誘をするなどして更に利息・借金総額を膨らませ、最後までお金を搾り取ろうとしてきます。

闇金にジャンプを提案された時の対処法

上記のようなリスクを考えると、ジャンプはしないに越したことがなく、「ジャンプさせないのがお客のため」とも言えます。
しかし、闇金は自社の利益とするため、比較的簡単にジャンプを勧めてきます。

実際に、闇金に「ジャンプしませんか？」と言われたら、「ジャンプはしません」とはっきり断ることが大事です。

しかし、相手は悪徳業者であり、短期で完済をさせないために様々な手段を打ってきます。ジャンプ以外にも、「今担当者がいない」などと言って持参したお金を受け取らないケースや、「入金が確認できない」などと言って返済をなかったことにするケースがありえるでしょう。

更に、突然「追加の手数料を払ってください」などと言われて追加の請求を受けることや、「（返済が遅れたことに対する）慰謝料」という名目で催促をしてくることもあります。「押し貸し」「カラ貸し」などの被害に遭うこともあるでしょう。

闇金としては、利用者がお金を長期で支払ってさえくれればそれで良いのです。

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このような理由から、ジャンプを提案されたのならばしっかり断った後、弁護士や司法書士に相談をして闇金業者から手を切ることを考えるのがおすすめです。

「すぐに返せるだろう」「少額ならば問題ないだろう」などと思い軽い気持ちで借りた闇金でも、ジャンピなどを巧みに用いられることで借金総額はどんどん膨らんでいきます。
自分で対処するのは難しいため、闇金問題に強い専門家の協力を仰ぎましょう。

ジャンプを使う闇金一覧

「ジャンプ」のシステムは、有名な漫画「闇金ウシジマくん」でも用いられている手口です。
そして、現実の闇金業者もこのジャンプを使ってくるケースは多くあります。

ジャンプを使うことをおすすめしてくるソフト闇金としては、以下のような業者が有名と言えます。

• まるきん
• バルーン
• ドッグ
• ソーレゼウス
• ステップ
• ラビットキャッシュ

※過去に優良ソフト闇金として広く宣伝していた「メビウス」は、サイバー捜査により摘発され逮捕されました。また、「ラッキー」「リーフ」「ミヨシ」「ハッピーレンディング」「ハーデス」なども有名ソフト闇金でしたが、いずれも公式サイトは閉鎖されています。

これ以外にも、多くの闇金がジャンプを提案してきます。

繰り返しますが、金利のみの返済を続けるメリットはありませんので、提案を受けても断るようにしましょう。

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まとめ

• ジャンプとは、借りたお金のうち利息だけを返済すること
• 闇金がジャンプをおすすめする理由は、長期に渡り借金の返済を続けさせるため
• 闇金問題は自分で対処することが難しいため、弁護士・司法書士へ相談を

利息分だけの返済は、闇金の利用者にとって嬉しい対処だと思うかもしれません。
しかし、ジャンプをすると返済時期が先延ばしにされ、借金総額も膨れ上がってしまいます。結果的に何年も闇金へ返済を続けることになり、闇金地獄の罠にハマってしまいます。

闇金から借りてしまった時は、警察に連絡することで嫌がらせがエスカレートすることもあります。
よって、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、対策について話し合うことをおすすめします。

闇金から借りた法外の金利の借金は、実は返済義務はありません。契約自体が無効になるケースも多いです。
弁護士・司法書士は、闇金に対し毅然とした態度で対応を行い、あなたの闇金問題の根本的な解決をサポートします。

ぜひ、当ポータルサイトで闇金問題に強い弁護士・司法書士を検索してみてください。

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