闇金が完済させない理由と、借金完済できない場合の解決方法

闇金が完済させない理由と、借金完済できない場合の解決方法

「闇金の借金を完済した!」というインターネット上の書き込みを見たことがある方はほとんどないかと思います。
というのも、闇金はお金を不正に搾り取り続けることを目的としており、利用者が完済しないように様々な手段をとってくるからです。

仮に闇金を完済できたとしても安心できません。

借金を完済した利用者は闇金にとって良客と認識されるため、新たな勧誘を受けたり、無理矢理融資されたりして更なる返済を強要されるケースもあります。
中には、個人情報が闇金・違法業者のネットワークに流出し、家族や職場までトラブルに巻き込まれることもあります。闇金から逃れることは大変なことなのです。

この記事では、闇金からの借金がなかなか完済できない理由と、完済した後でも闇金と縁を切ることができる解決方法を考えていきます。

闇金からの借金を完済できない理由

「闇金から借りてはいけないと言うけれど、しっかり返済できるならば別に構わないのでは?」と安直に考えている方もいるかもしれません。
しかし、闇金からの借金が危険と言われる所以は、ズバリ「借金が完済できない(完済させてくれない)」という点です。

闇金からの借金は、以下のような理由で完済がかなり難しくなっています。
そして、実際に完済ができないと、闇金は脅迫まがいな厳しい取り立てで利用者を追い詰めてくるのです。

違法な高金利を設定し長期返済を強いる

闇金は、法定利率を大幅に超えた高額な利息を短期で回収します。
高い金利での返済が長期にわたればわたるほど、闇金は多額のお金を回収できることになります。

闇金業者は「トイチ」「トサン」「トゴ」などの言葉で金利を表現します。
それぞれ以下のような意味です。

  • トイチ:10日で1割の金利(年利3,142%/複利の場合)
  • トサン:10日で3割の金利(年利1,441,791%/複利の場合)
  • トゴ:10日で5割の金利(年利267,504,316%/複利の場合)

仮にトイチ(複利)で100万円借りた場合、1ヶ月後の返済額は133万1000円となります。 100日後には約260万円と、借りた額の2.5倍を超えて膨れ上がってしまいます。
こうなると、借りたお金を利息つきで完済するのは困難でしょう。

このような法外の利息は、法的には借主に返済義務はありません。
しかし、取り立てに悩んだ借主が音を上げてお金を払うことを狙って、闇金は執拗な電話・嫌がらせをして借金の返済を迫って来るでしょう。

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利息のみを払わせる

闇金の目的は、金利を長期にわたって回収することです。1回で返済されてしまうと十分な利益を得ることができません。
借主に返せない借金を長期間背負わせることで、継続的に金銭を供給してくれることに期待しているのです。

「用意が大変でしょうから、今回は利息の一部返済だけで良いですよ」「今月はジャンプ(元本の返済をスキップして利息のみを返済する)をしても良いですよ」などという一見して親切に見える提案も、このような思惑からくるものです。

元本を受け取らないことで完済させず、長期で高額な利息を搾り取ろうとするのです。

理由をつけて返済金を受け取らない

闇金はできるだけ金利を膨らませ、返済を長期に渡らせることを企んでいます。
よって、債務者が返済しようとしても難癖をつけて受け取らないことも往々にしてあります。

例えば「今担当者がいない」などと言って持参したお金を受け取らないケースや、「入金が確認できない」などと言って返済をなかったことにするケースがありえるのです。

手数料などを追加で請求してくる

「いよいよ完済が間近になってきた」というところで、突然「追加の手数料を払ってください」などと言われて追加の請求を受けることもあります。

「(返済が遅れたことに対する)慰謝料」という名目で催促をしてくることもあり、これによって完済が遠のいてしまいます。

押し貸しを行う

押し貸し」によって無理矢理追加の借金を作らされることもあります。
完済間近のタイミングを狙って追加で強制的にお金を貸し出されたり、銀行口座に勝手にお金を振り込んで「利息をつけて返せ!」と迫ったりするのです。

闇金業者に口座を知られていると、完済後であっても押し貸しをされる可能性がありますので注意が必要です。

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闇金完済後に発生するリスク

闇金の借金をなんとか完済しても安心できません。
「この客は支払いをする良い客だ」「簡単にお金を取れる客だ」と判断され、更なる借金を強制される可能性や、闇金間のネットワークにより別の闇金からターゲットにされたりする可能性があります。

完済しているのに残務があると指摘される

過去に闇金を利用し完済した人に「○○万円の返済がまだ行われていません」などと電話をかける「カラ貸し」は横行しています。
「完済したはずなのに」と疑問に思っても、「こっちが嘘をついているというのか」と恫喝されたり、「家族に代わりに返済させるぞ」「会社に請求するぞ」と脅されたりするのです。

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また、「完済まで○ヶ月も待ってやったんだから、慰謝料を追加で払え」など、何かしらの理由をつけて取り立てを止めてくれないケースもあります。

押し貸しで追加の融資をされる

完済前もそうですが、完済後であっても、闇金に知られた口座があると「押し貸し」のターゲットになり、知らぬ間に振り込まれた金銭に対して法外な利息を請求されてしまう可能性があります。

押し貸しされたお金を少しだけ使ってしまったから…と思い返済すると、再び押し貸しをされる可能性が高いと言えるでしょう。
闇金は常に相手に借金がある状態を作り出そうとするのです。

個人情報を悪用される

闇金からお金を借りるときは、利用者の個人情報や、勤務先・親族などの連絡先を闇金業者に伝えることが通常です。
そして、当然ながら闇金業者側は完済後もこの情報を破棄しません。

個人情報が知られていると、完済後もこれが流出・悪用される可能性が大いにあります。

住所・氏名・電話番号・口座情報など、利用者の個人情報は悪徳業者間で売買されることがあります。
悪質業者に個人情報を売られた場合、例えば、利用者名義で様々な買い物をされる・名義を利用して知らないうちに何かしらの契約(携帯電話契約・口座契約など)を結ばれる、といった被害が考えられます。

また、「保証人」などとして勤務先や家族の情報を教えていると、家族・友人・知人が次のターゲットとして巻き込まれてしまう可能性もあります。

別の闇金から連絡・勧誘される

とある闇金業社に提供した個人情報は闇金業者間のネットワークに流出するため、他の闇金から狙われるリスクも高くなります。
特に、闇金を一旦完済すると、「優良顧客」として格好の標的となり、多くの闇金業社から狙い撃ちされることになる可能性が高いです。

結果として、他の闇金業者からの勧誘が繰り返されたり、「押し貸し」の対象になったりするといった危険性があります。

完済できない闇金問題の解決方法

このように、闇金の借金は完済が難しく、また、完済できたとしても闇金と完全に縁を切ることは難しいです。
一度関わってしまえば、握られている個人情報によって家族や職場にも迷惑がかかる可能性があります。

そんな闇金問題を根本的に解決するにはどうすれば良いのでしょうか?

闇金の借金に返済義務はない

実は、闇金からお金を借りても、違法金利が設定されている場合これを返済する義務はありません

まず、年利109.5%以上で貸付を行った場合、借主は全額について返済する必要がありません(貸金業法42条1項。民法708条)。
また、年利20%以上109.5%未満で貸付を行った場合、20%を超える利息部分については返済不要です(厳密にいうと、元本の額によって20%という額は変動します。)

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しかし、返済義務がないからといって督促を拒否すると、逆上した闇金業者からの取り立てが更に厳しくなる可能性も考えられます。

そこでおすすめなのは、闇金に強い司法書士、弁護士に相談することです。

闇金に強い弁護士や司法書士に相談する

闇金業者には「弁護士に相談しても意味ないぞ!」と言われるケースは多いですが、実際には、闇金被害の対応を弁護士や司法書士に依頼するメリットは大きいです。

  • 闇金業者との交渉を全て任せることができる
  • 高額な利息の支払い、電話・取り立ての辛さから解放される
  • 解決後に再び同じ闇金から連絡が来ても対応をお願いできる(アフターフォロー)

闇金業者は非合法な存在です。裁判になった場合は、違法行為をしている闇金業者が勝てる見込みはありません。
すなわち、法律を破っている闇金は、法律の専門家には太刀打ちできないのです。

弁護士や司法書士が介入した途端、闇金業者にとってはその債務者との関係を維持するデメリットが大きくなり、取り立てを止めて手を引くことが多いです。

さらに、闇金に強い弁護士や司法書士ならば、忘れた頃に取り立てを再開してくる執拗な闇金業者に対しても繰り返し対応してくれます。

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警察に相談する

闇金は、重役が逮捕されてしまえば営業が続けられませんし、刑事裁判で有罪となれば懲役刑となる可能性もあります。
闇金は利用者が警察に通報しないよう様々な脅しをかけますが、これは、裏を返せば闇金は警察に通報されることを嫌がっているということです。

しかし、警察は「民事不介入」といって、民事事件には対応してくれないことが多いです。
そして、闇金が関わっているとはいえ、借金は民事事件なので、警察に相談しても早急な解決は見込めないと思ってください。

近頃では、逮捕を避けるために巧妙な手口で貸し付けから取立てまでを行い、証拠を残さないようにする闇金業者が増えています。
しかし、物を壊される、脅迫される、暴行を受けるなどすれば、それについては当然刑事事件となります。このような場合は警察に相談してみましょう。

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完済後のトラブルを防止・回避する方法

電話番号を変更する等で連絡手段を断つ

まず、闇金が把握している携帯電話番号を変更すると良いでしょう。
家の電話番号を知られている場合は、これについてもできれば変更することをお勧めします。

闇金は、例え完済されたとしても継続してお金を搾り取ろうとあらゆる手段を尽くします。
また、一度提供した電話番号などの個人情報は、闇金や悪徳業者のネットワークに流出している可能性が極めて高いです。

電話番号をそのままにしておくと忘れた頃に闇金業社から連絡がくる可能性もありますので、連絡手段はできる限り変更するようにしましょう。

さらに、SNSのダイレクトメッセージを利用して借金の勧誘をしてくるような闇金(ソフト闇金・LINE闇金など)に対しては、アカウントの削除・変更をお勧めします。

銀行口座を解約する・作り直す

押し貸しについては、銀行口座を知られている以上避けられることではありません。
繰り返し押し貸しをされないよう、銀行口座を解約することもお勧めします。

なお、身に覚えのない振込みに気づいたら、まずは銀行に問い合わせをしましょう。
単純な誤送金(誤振込み)である場合、組戻し(振戻し)の手続きで振り込まれたお金を元の所有者に返金することができます(手数料は不要です)。

銀行の調査により送金元(振込人の連絡先)が判明することがありますが、これが闇金業者であると疑われる場合、自ら連絡をしてはいけません。

他の闇金から連絡が来ても無視する

流出した個人情報を用いた別の闇金業社からの融資勧誘電話には、「借りない」とハッキリ断るべきです。「この人には融資勧誘をしても無駄だ」と闇金に明確に理解させる必要があります。

したがって、強い態度で迫られたり、何度も電話をかけられたりしたとしても、怖気づかずに毅然とした態度で臨みましょう。
「しつこい電話が止まるなら」と、一度でも借金に応じてはいけません。

闇金からの電話は、一度明確に融資を断ってしまえばあとは無視しても構いません。
そこで、着信拒否受信設定なども1つの手段です(ただし、着信拒否をしても、非通知で電話をかけてくることもあるので要注意です)。

しつこい場合は弁護士・司法書士に対応を依頼する

繰り返しますが、闇金は、弁護士・司法書士などの法律の専門家には太刀打ちできません。

闇金業者は非合法な存在ですので、仮に裁判になった場合は、違法行為をしている闇金業者が勝てる見込みはないです。よって闇金は、法律の専門家、特に弁護士・司法書士が債務者の味方になることを嫌います。

弁護士・司法書士が闇金に連絡を取り、何度連絡をしてきても専門家が対応するなどと言えば、多くの闇金は手を引きます。法律の専門家と争っても勝ち目はなく、時間の無駄だと考えるからでしょう。

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まとめ

闇金は常に相手に借金がある状態を作り出し、真綿で首をじわじわ絞めるような手法を好んで使います。
一度関わりを持ってしまった場合、長期間付きまとわれる可能性が高いです。

闇金からの法外な利息は、本来返済義務がありません。
無理に完済しようとせず、弁護士や司法書士にご相談ください。

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  1. 闇金業者の利子が高すぎて返せない
  2. 闇金業者からの取り立て・嫌がらせが苦しい
  3. 闇金業者が会社・家族にまで連絡してきた

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服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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