家賃の滞納で裁判所から呼び出しが来た!無視するとどうなる?
家賃を支払えなくなってしまい、滞納を続けていたら、裁判所から郵便物が届きます。契約の解除や強制立ち退きになる前に、弁…[続きを読む]
アパートなどの賃貸を借りる際の賃貸借契約には、家賃保証会社との契約が必要となることが多いです。
一昔前までは家族などに連帯保証人をお願いするケースも多かったですが、近年はより確実に家賃未払いのリスクを避けられる家賃保証会社の利用を義務付けている(連帯保証人だけでは契約できないとする)貸主が増えています。
家賃保証会社は、怪我や病気など様々な原因で借主からの家賃の支払いが滞った時、滞納分の家賃を代わりに貸主(大家さんなど)に支払い、後から借主に立て替え分を請求します(常に大家さんと借主の間に入って、借主から家賃を受け取り大家さんに支払いをするケースもあります)。
家賃保証会社の大手として「全保連(ぜんほれん)」などは有名なので、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
家賃保証会社が存在することで、貸主は家賃未回収のリスクを減らすことができ、住居の円滑な提供・確保が実現できているのです。
しかし、近年この家賃保証会社による悪質な取り立て・督促のトラブルが多く発生しています。
「深夜に訪問される」「『借金してでも返せ』と言われた」「回収が強引」「無理矢理追い出されそうになった」など、借主が著しく不利な状況が社会問題化しているのです。
この記事では、家賃を支払えずに家賃保証会社から請求を受けている人に向け、滞納状態の解消方法や督促に対する正しい対応方法を解説します。
【参考】家賃保証会社の悪質な取り立て・追い出し、トラブル後を絶たず「深夜に訪問」「回収が執拗」|Yahoo!ニュース 2023年1月
目次
冒頭の通り、家賃保証会社には「家賃滞納が発生した場合にのみ立て替え払いをする」タイプと、「常に大家さんと入居者の間に入り、入居者から家賃を受け取って大家さんに支払う」タイプの契約形態があります。
前者の場合、家賃を数日滞納しただけですぐに家賃保証会社が代理で支払うということはありません。滞納したら、まずは大家さんや管理会社から電話などで連絡が来るでしょう。
この場合「うっかり家賃の支払いを忘れていた」というケースもあるので、期日を決め、それまでに支払えばそれ以上トラブルにはなりません(短期間の滞納を何度も繰り返していると問題になるケースもあります)。
しかし、滞納が1ヶ月を超えると、貸主が家賃保証会社に連絡する可能性があります。
家賃保証会社が家賃を代位弁済した後は、家賃保証会社から借主に督促・取り立てが行われます。内容証明郵便で請求が届くことがありますが、これについても気づいた時点で家賃保証会社に支払うようにしましょう。
一方、常に家賃保証会社が仲介しているようなケースでは、早期から内容証明郵便などで請求が届くことがあります。
「家賃保証会社が立て替えているから、大家さんには迷惑がかかっていないし大丈夫」ということはありません。過去には「保証会社による賃料の支払があったとしても、賃借人の賃料の不払という事実に消長を来すものではない」とした裁判例もあります(大阪高裁・平成25年11月22日判決)。
家賃の滞納期間が3ヶ月以上になると、大家さんや家賃保証会社から契約解除及び明け渡し請求書が届くケースも多いです。
民法上では、賃貸契約の解除に関しては、3ヶ月滞納が続くと「信頼関係が破壊された」とされ、賃貸借契約を解除されてしまう可能性があります。
とはいえ、3ヶ月経過してすぐに家を追い出されるということはありません。
契約解除及び明け渡し請求書が届いてからも何もせずに放置していると、明け渡しの訴訟が起こされます。申立てから2ヶ月程度で判決が下り、その後、強執行人による制的な退去手続きが実行されます。
いずれにせよ、家賃の滞納を続けるといずれは立ち退きを命じられてしまうため、早めに滞納の解除を目指すべきです。
家賃保証会社が存在することで、貸主は安心して物件を貸し出すことができます。
しかし、近年、この家賃保証会社による督促・取り立ての厳しさが問題視されています。
最近明らかになっているのは、家賃保証会社が「深夜まで執拗に回収の連絡をしてくる」「借金をしてでも払えと言ってくる」「借り主の部屋にある私物を勝手に処分する」などの行為をおこなっていることです。
なぜこのようなことが起きるのかというと、家賃保証会社による滞納家賃の取り立てを規制する法律が存在していないのです。
例えば、貸金業法では、取り立てにおいて脅迫や暴行を用いたり、私生活の平穏を害する督促(深夜・早朝の連絡や、過度な電話催促など)をしたりすることを禁止しています。
そのため、正規の消費者金融やクレジットカード会社、金融機関などからの借金に関しては、このような手法を用いて苛烈な取り立てをすることはありません。
しかし、家賃保証会社はこれらの規制の対象外となっています。
よって、深夜・早朝の取り立てや、突然の立ち退き要求、家具を勝手に外へ持ち出すなど、追い出し行為にも似た取り立てを行う企業が存在するのです。
もちろん、このような問題行為が明るみになったことで世間の反発が生まれ、多くの家賃保証会社は上記のような取り立てを行わなくなりましたので、相対的な被害数は少なくなっています。
また、国や業界団体は対策に乗り出しています。ニュースでは、以下のような施策を打ち出していると報じています。
国交省は17年、任意の業者登録制度(家賃債務保証業者登録制度)を始め、22年11月時点で90社が登録する。保証会社には「虚偽告知・誇大広告の禁止」「契約締結時の書面交付」といったルールの順守を求め、必要に応じて指導する。
92社が加盟する業界団体「家賃債務保証事業者協議会」も自主ルールを定め、滞納回収時に正当な理由なく物件に立ち入ったり、借り主の持ち物を処分したりすることを禁じ、違反した場合は内部で審査し、処分する。
特定適格消費者団体「消費者支援機構関西」(大阪)は09年以降、保証会社7社に対し、不当な条項の削除や修正を申し入れ、借り主の部屋にある私物を勝手に処分できる条項の使用停止などを実現してきた。
【参考】家賃保証会社の悪質な取り立て・追い出し、トラブル後を絶たず「深夜に訪問」「回収が執拗」|Yahoo!ニュース 2023年1月
とは言え、保証会社側に有利な契約条項はまだ多いとも指摘されており、借主としては、保証会社との契約時の条項にしっかりと目を通しておくことが大切です。
上記のような督促・取り立てに苦しんでいるケースはもちろん、家賃の支払いができずに困っている方は、強制退去を避けるためにも何らかの対応策をとる必要があります。
まず、家賃を払えない場合、黙って滞納するよりは、払えないと分かった時点ですぐに支払い先へ連絡をすると、圧倒的に印象が良くなります。
支払えない理由(コロナ禍の収入減や解雇、病気など)をしっかり伝え、いつ支払いができそうなのかを話せば、事情を汲んで家賃の支払いを待ってもらえるかもしれません。
交渉先次第ですが、分割払いなどにも応じてくれるかもしれないので、とにかく黙って滞納をせずに連絡をしてみることが大事です。
解雇や離職、収入減によって生活が困窮している場合には、国の制度を利用することで家賃の一部を補助してもらえる可能性があります。
例えば、離職・廃業者が一定の要件を満たすと、厚生労働省の「住居確保給付金」により、市区町村ごとに定める額(生活保護制度の住宅扶助額)を上限に、実際の家賃額を原則3ヶ月間(延長は2回まで、最大9ヶ月間)支給してもらえます。
また、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象とした「生活福祉資金貸付制度」や「生活保護制度」もありますので、生活に困っている方はご自身が対象でないか確認してみることをお勧めします。
※制度の内容が変更される可能性もありますので、国や自治体のホームページなどで、常に最新の情報をご確認ください。
弁護士や司法書士に依頼をして「債務整理」をすれば、今ある借金を合法的に減免することができます。
しかし、ここで注意をしなければならないのは、滞納した家賃を「個人再生」や「自己破産」で減額・免除すると、賃貸契約の強制解約・立ち退き請求をされる可能性が高いということです。
家賃を踏み倒して住み続けるというのはあまりに虫が良い話ですので、これはある意味当然と言えるでしょう。
しかし、住居は生活をする上でなくてはならないものです。強制退去させられるから債務整理ができないというのは、債務者から経済的な再生のチャンスを奪ってしまうことになります。
そこで(通常は債務整理前に特定の債権者にだけ支払いをすることは許されないのですが)、滞納分の家賃については特別に支払うことを裁判所が認めてくれる場合があります。
裁判所に認めてもらった上で、滞納分の家賃をしっかりと支払うならば、個人再生・自己破産が原因で住居を追い出されることはありません。
しかし、これを裁判所に説明をするには専門的な知識が必要となりますので、必ず弁護士や司法書士に事情を話しサポートを受けるようにしましょう。
また、「任意整理」では、遅延損害金や将来の利息について、自分で選んだ債権者のみ減額の交渉をすることができます。
減額率は少ないですが、個人再生や自己破産と違い、対象とする債権者を選べるのが任意整理の利点です。滞納している家賃を交渉の対象から外し、他の借金について任意整理を行うことができれば、立ち退きを迫られることなく借金を減額することが可能です。
もちろん、任意整理から外した滞納家賃はしっかり支払うことが前提となりますが、多重債務に苦しんでいるならば有効な選択肢と言えるでしょう。
減収で今の住宅の家賃を支払うことが難しいならば、賃料の安い賃貸に引っ越すことも一案です。
引っ越し費用はかかりますが、任意の退去ならば滞納家賃については免除してもらえることもあるようです。
この場合、大家さんに対し、早めに任意で家を明け渡す意思を伝えましょう。
最初に紹介したような悪質な取り立てや立ち退きの要求に遭っているならば、業界団体や消費者団体など、然るべき機関に相談をしましょう。
借主との契約に不当な条項があれば、削除や修正の申し入れをしてくれるでしょう。
過去には、申し入れでは解決できず、提訴に至ったケースもあります。その結果、借主に著しく不利と思われる契約条項が削除されたというケースもありますので、泣き寝入りせずに相談をすることがお勧めです。
家賃保証会社は、怪我や病気など様々な原因で借主からの家賃の支払いが滞った時、滞納分の家賃を代わりに貸主(大家さんなど)に支払い、後から借主に立て替え分を請求します(常に大家さんと借主の間に入って、借主から家賃を受け取り大家さんに支払いをするケースもあります)。
前者のケースで家賃保証会社が家賃を代位弁済した後は、家賃保証会社から借主に督促・取り立てが行われますので、入居者は家賃保証会社に立て替えてもらった賃料を支払う必要があります。
家賃保証会社が存在することで、貸主は安心して物件を貸し出すことができていると言えるでしょう。
昔から、家賃保証会社による督促・取り立ての厳しさは問題視されています。
家賃保証会社が「深夜まで執拗に回収の連絡をしてくる」「借金をしてでも払えと言ってくる」「借り主の部屋にある私物を勝手に処分する」などの行為をおこなっているとニュースになったことは一度ではありません。
特にリーマンショック直後はこれも顕著でしたが、最近ではこのような問題行為が明るみになったことで世間の反発が生まれ、多くの家賃保証会社は上記のような悪質な取り立てを行わなくなりました。
また、国や業界団体も対策に乗り出しています。
とは言え、保証会社側に有利な契約条項はまだ多いとも指摘されており、借主としては、保証会社との契約時の条項にしっかりと目を通しておくことが大切です。
【参考】家賃保証会社の悪質な取り立て・追い出し、トラブル後を絶たず「深夜に訪問」「回収が執拗」|Yahoo!ニュース
家賃の滞納期間が3ヶ月以上になると、大家さんや家賃保証会社から契約解除及び明け渡し請求書が届くケースも多いです。
民法上では、賃貸契約の解除に関しては、3ヶ月滞納が続くと「信頼関係が破壊された」とされ、賃貸借契約を解除されてしまう可能性があります。
まず、家賃を払えない場合、黙って滞納するよりは、払えないと分かった時点ですぐに支払い先へ連絡をすると、圧倒的に印象が良くなります。
支払えない理由(コロナ禍の収入減や解雇、病気など)をしっかり伝え、いつ支払いができそうなのかを話せば、事情を汲んで家賃の支払いを待ってもらえたり、分割払いなどにも応じてくれたりするかもしれません。
それ以外では、以下のような解決策が考えられます。
特に、多重債務に苦しんでいる場合は、債務整理をすることで家賃以外の借金を減免することができるかもしれません。
債務整理を失敗なくスムーズに行うには、弁護士・司法書士への相談が不可欠ですので、ぜひ当サイトで紹介している事務所にご相談ください。