個人再生後も年金を受け取ることができる?

借金問題を解決する合法的な手段の1つに「個人再生」というものがあります。
個人再生に成功すれば、借金は大幅に減額され、残務について原則3年程度の分割払いをしていくことにいなります。

さて、法律で認められた個人再生ですが、利用されている数は比較的少なく、制度自体をよく知らない方も多いようです。
「個人再生をしたら借金を減額される代わりに、何か不利益が生じるのでは?」と考える方がいるかもしれません。

中には、「年金生活だから、これが受け取れなくなったら困る」「これまでしっかり支払っている年金が将来減額されないか不安」という声もあります。

この記事では、個人再生と年金の関係について解説していきます。

1.個人再生をしても滞納年金は減額されない

冒頭で述べたように、個人再生をすると借金の支払額を大幅に減らすことができます。
そのため「滞納している税金も減額される」と勘違いしている人がいます。

しかし「公租公課」については、例外的に個人再生をしても減額することはできません

公租公課とは税金やそれに準ずるもののことで、国民年金の支払いも含まれます。

つまり、個人再生をしても年金の支払額を減らすことはできませんし、支払えなかった部分については将来の年金受給額に反映され、もらえる年金の金額が減ってしまいます。

どうしても年金が払えない場合は、年金事務所に相談しましょう。収入などに応じて、支払いの全額免除や一部免除などをしてもらえることがあります。

免除をしてもらえば滞納扱いにはなりません。
免除と滞納では将来もらえる年金受給額が違ってきますが、免除の方が断然有利といえます。

2.個人再生後の年金の受け取りについて

年金は減額されないとはいえ、「借金の支払いをするという義務を果たさず個人再生で他の借金の減額を受けたのだから、将来もらえる年金額が減ってしまうのでは?」と考える方もいるようですが、ご安心ください。
個人再生をしても、将来の年金が受け取れなくなることはありません

受給できる年金の金額は、年金の支払額や支払期間などによって決定されます。個人再生の履歴が年金額に反映されることはありません。

年金を差し押さえられることもない

なお、借金の滞納を続けたことによって債権者から訴訟を提起され、強制執行を受けたとしても、債権者によって年金を差し押さえられることはありません。
年金は差し押さえが禁止されている財産であるため、差し押さえの対象にならないのです。

ただし、受け取った年金を銀行口座に入れている場合は要注意です。

現金や預金は差し押さえできる財産なので、年金で得た現金・預金は差し押さえの対象となってしまいます。

口座内の現金残高は、年金によるものと、その他の原因で得たものが入り混じっていることが普通であり、これを客観的に区別することはできないからです。

「年金は差し押さえ禁止」と述べましたが、正確には「年金を受け取る権利」が差し押さえ禁止と認識しておきましょう。

3.既に年金を受け取っている場合に個人再生できるか

個人再生に成功すると、減額後の債務を3〜5年にわたって支払い続けていくことになります。
定期的な支払いが前提となるため、安定した収入が将来にわたって継続する見込みのある人でなければ、裁判所は個人再生を認めてくれません。

このように書くと「公務員や正社員として働いている人以外は個人再生できないのでは?」と思うかもしれません。
はたして、年金を受け取って生活している人は、個人再生をすることができるのでしょうか?

3-1.年金は安定した収入とみなされる

結論として、年金は基本的に安定した収入と考えられています。
そのため、年金生活者でも問題なく個人再生をすることができます。

ただし、受給している年金が「障害年金」の場合は注意が必要です。

障害年金は障害が治癒するなどの事情で受給額が減る、または受給資格がなくなる可能性があります。
そのため、障害年金の受給者が個人再生の申立てをした場合は、裁判所によって個別に判断が行われます。

一方、加齢によって支給される老齢年金の場合は、障害年金と違って安定的な収入とみなされますので、上記のような心配はありません。

3-2.口座の凍結には注意

銀行から借金をした状態で個人再生をすると、その銀行にある口座が凍結されてしまうことがあります。
口座が凍結されると、その口座から現金を引き出すことができなくなります(入金はできることがあります)。

銀行は口座を凍結した後、銀行が持つ債権と債務者の口座にある残高を相殺します。
例えば残高が100万円で、銀行からの借金が80万円だとすると、80万円分が相殺されて残高が20万円になってしまいます。

残高の内容が年金で得たものかどうかは関係なく相殺されてしまうので、口座に入れておいた年金が減ってしまうのです。

【口座の現金を引き出しておけば良い?】
もし、口座の中に残高がなければ、差し押さえや相殺も大した意味をなしません。しかし「個人再生の前に多額の現金を引き出して、口座残高を0にしておこう」と考えるのは早計です。
現金は隠しやすい財産と言えます。個人再生の前に口座から多額の現金を引き出してしまうと、裁判所から「申立人は「財産隠し」を企んで、お金を引き出したのではないか?」と疑われてしまいます。
確かに、個人再生前に現金を引き出すことは有効に働くケースもありますが、そのタイミングや現金の使い道については慎重になる必要があります。よって、まずは弁護士にご相談ください。個人再生の注意点を弁護士から聞き出して、その指示に従うことが安心です。

4.年金に関するお悩みも含めて個人再生は弁護士へ相談を

年金を受給していても個人再生をすることは可能です。
また、個人再生が将来の年金受給額に影響することもありません。

しかし、年金受給額に対して債務額があまりにも多い場合や、そもそも個人再生で解決できないほどの借金を抱えている場合などは、別の方法で借金を解決する必要があります。

個人再生で借金を解決できる場合でも、多くの書類を揃えて裁判所に提出し、複雑な手続きを間違えることなく、そして滞りなく行う必要があります。

弁護士にご相談いただければ、「自分は個人再生をできるのか」「受け取った年金はどうなるのか」など、多くの不安を解決することができます。

個人再生や借金に関するお悩みがある方は、ぜひ弁護士までご連絡ください。

 

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執筆
S藤K
行政書士試験を受験し、合格。宅建士やFP2級、測量士補などを取得。
現在は多ジャンルの記事を書きつつ、漫画やゲームのシナリオも執筆するライターです。
行政書士試験勉強中に難解な言葉と遭遇して苦労したため、わかりやすい言葉に置き換えながら執筆するように心がけています。
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