クレカ現金化行為は、各カード会社が契約上禁止にしているだけでなく、個人情報を悪用されたり詐欺に遭ったりする危険があり…[続きを読む]
金貨金融の手口とは?実態は危険で闇金!借金解決方法
お金を借りようとして、街中やインターネットで宣伝をしていた貸金業者を訪ねたら
「この金貨を別の金貨ショップに売れば現金が受け取れますよ。購入代金はツケで1週間後に支払ってくれれば大丈夫です」
などと言われ、後払いで金貨を購入させられるというケースがあります。
このように、表向きは貸金業者や金貨販売業を装い、利用者に金貨を介してお金を貸し付ける悪徳業者は「金貨金融」と呼ばれます。
金貨金融とは、近年増えている新しい闇金・悪徳金融業者の手口で、利用者は「お金を借りている」という感覚を抱きにくいが故に安易に手を出してしまいがちです。そして、気づいた時には負債・借金が膨れ上がり、闇金からの執拗で苛烈な取り立て・督促に苦しめられてしまいます。
悪徳金融から逃げる、逃げ切りたいと考えている人も多いでしょう。
この記事では、金貨金融の手口と、金貨金融が危険な理由、実際に利用してしまい督促に苦しんでいる方に向けた正しい対処法をご説明していきます。
金貨金融とは
金貨金融とは、利用者に金貨(純金コイン)を販売し、後からその代金を回収することで利益を得る悪徳業者です。
仕組みとしてはクレジットカードの現金化とほとんど同じで、2011年に初めて摘発されて以降も新しい手口の闇金として横行しています。
具体例を用いて、金貨金融の手口をご説明します。
金貨金融の具体例
まず、お金に困っている利用者が、金貨金融から時価4万円の金貨を6万円で購入したとします。この時金貨金融は、「代金はツケておきますので、10日以内にお支払いください」などと言います。
その場では無償で金貨を受け取った利用者は、別の金貨ショップでこの金貨を時価である4万円で売却できます。すると、すぐに4万円の現金が手に入るわけです。
その後は、金貨金融が指定した通り、10日以内に金貨の代金の6万円を支払うことになります。
すぐに現金が手に入るのは魅力的に感じるかもしれませんが、これはたった10日で2万円の利息が発生しているのと同じです。そして、お金に困っている人がこれを返済することは不可能であるケースが多いです。
【金貨金融の手口(利用の流れ)】
1.金貨金融から金貨を時価より高くツケ払い(後払い)で購入する
2.別の金貨ショップで金貨を時価で売却し、現金を得る
3.約1週間〜10日後、金貨金融に購入した金貨の代金を支払う
金貨金融が危険な理由
上記の通り、金貨金融は金貨という形でお金を貸し付け、後日になってそれを莫大な金利と共に回収します。
「闇金」と同様の手口であり、一度利用すると以下のようなリスク・デメリットが付き纏います。
- 金利が非常に高い
- 執拗に督促されて精神的に追い詰められる
- 個人情報を悪用される
金利が非常に高い(年 1,000%を超えることも)
日本において利息の上限は、年15~20%とされています(貸金業法・出資法による)。
金貨金融を含めた闇金は、これよりも遥かに高い金利・利息を設定して融資を行っています。
例えば、年18%の金利で30万円を借りると、1ヶ月後の支払いでかかる金利は1,470円です。
しかし、仮に金貨金融から時価5万円の金貨を買い、10日後に75,000円支払うとなると、10日間で発生する金利は50%です。これは、年利に換算すると約1,825%にもなります。
金貨金融では「年利は○%」と明示されるわけではありませんので、正規の貸金業者と比べどれほどの暴利で貸されているかの実感が湧かないのが更に危険と言えます。
執拗で苛烈な督促・取り立て
上記のような莫大な金利でお金を貸されても、金貨金融を利用するほどお金に困っている方が指定した日に完済できる可能性は低いです。
こうなると、闇金は私生活の平穏を害するような悪質な督促・取り立てを行い、債務者を精神的に追い詰めていきます。
例えば、時間帯を問わないしつこい電話や脅迫、家族や職場への嫌がらせ、自宅に押しかけて張り紙をされる、ネットに個人情報を掲載される、出前や緊急車両を呼ばれるなどの被害が報告されています。
このような嫌がらせをすることで借金の返済を迫り、時間をかけてお金を貪られてしまいます。
個人情報を悪用される
金貨金融はもちろん、闇金などの悪徳業者は、融資前に必ず借り手の個人情報を要求します。
氏名、生年月日、住所、電話番号はもちろん、「信用のため」と言って勤務先、家族構成を聞き取り、上記の督促・取り立てに活用するのです。
更に、返済が滞った場合には、手元にある個人情報を脅迫手段として、「ネットに個人情報を流す」「勤務先に連絡する」「家族に返済させる」などと脅し、返済を迫ります。
それだけでなく、闇金は実際に個人情報を名簿屋に売却したり、同業者に横流されたりすることがあります。
こうなると、別の業者や詐欺師、闇金からターゲットにされて多くの連絡が来ることになります。
金貨金融への正しい対応策
金貨金融などの闇金からお金を借りてしまった場合、上記のようなリスクを抑えて早期に解決するためにも、弁護士や司法書士に相談することがお勧めです。
金貨金融による高金利の貸し付けは、過去に逮捕者も出ているれっきとした犯罪行為です。
参考:「金貨金融」業者を初摘発 警視庁、出資法違反容疑で|日本経済新聞(2011年6月29日)
このような法外な利息をとる闇金からお金を借りた場合、債務者はお金を返済する義務がありません。
通常、利息制限法を超える利息の部分は無効です(利息制限法1条)し、利息109.5%を超える場合には消費貸借契約自体が無効です(貸金業法42条1項。民法708条)ので、この場合には利息部分・元本部分ともに返済が不要となります。
とはいえ、利用者が「契約自体が無効だから返す必要はない!」と闇金に主張しても、当然ながら業者は聞く耳を持ちません。むしろ、厳しい取り立てや悪質な嫌がらせがエスカレートし、更に精神的に追い詰められてしまいます。場合によっては家族に請求される・職場に電話がかかるなど、更なるトラブルに発展する可能性があります。
しかし、法律を破っている闇金は法律の専門家には太刀打ちできず、裁判になった場合は勝てる見込みもないため、多くの闇金業者は弁護士・司法書士などの専門家の介入を嫌います。
弁護士や司法書士が介入した途端、その債務者との関係を維持することを嫌がり、闇金が督促や請求を止めることが多くあるのです。訴訟も辞さない姿勢を見せることで、闇金は最終的に債務者との関係を断つでしょう。
場合によっては、闇金から一部のお金が返ってくることもあります。闇金からの借金を解決するなら、弁護士・司法書士に代理人として交渉してもらいましょう。