任意整理した後でカーリースは利用できるか?

任意整理してもカーリースは利用できる?
  • 任意整理した後で、「カーリース」はどうなるのでしょうか?

任意整理は債務問題の一解決策ですが、後にカーリースを利用する際には注意が必要です。

任意整理は信用情報(ブラックリスト)に記録されるため、カーリースの審査に影響を及ぼす可能性があります。ただし、カーリース会社によっては影響を受けない場合もあります。具体的な状況によって異なるため、慎重な計画が重要です。

この記事では、任意整理をした後のカーリース契約についてご紹介していきます。

任意整理した後でカーリースは利用できるか

「任意整理をしてからカーリースを利用できるか」という質問に関しては、利用は難しいと言わざるをえません。

任意整理を含めた債務整理をすると、金融機関同士の情報ネットワーク(信用情報機関)に「この人は過去に借金を約束通りに返済しなかったことがある」という情報が掲載されます。

これを俗に「ブラックリスト入りする」と言います。

カーリースの契約時の審査の際、リース会社は契約相手がブラックリストに載っていないかどうかを確認します。

もしあなたが任意整理をしていた場合は、当然ブラックリストに載っているので、「この人は契約通りに支払いができない可能性がある」として新たな契約を断られてしまいます

債務整理中で、トヨタファイナンス/オリックスカーリースに通ったということは難しいです。

審査が極めてゆるいか、審査自体がないカーリースを利用することは可能でしょう。
しかし、そういったカーリースは頭金などが必要となることがあるため、契約の前に確認が必要です。

なお、任意整理から約5年経過するとブラックリストに載っている情報が削除されるので、それを待ってカーリースを申し込めば審査に通る可能性があります。

任意整理後、カーリース契約を継続するには?

カーリース継続するには任意整理の対象から外す

任意整理は、自己破産や個人再生と違って債権者を選ぶことができるので、カーリース以外の債務のみを任意整理すれば、カーリースはそのまま契約を続けることができます。

カーリース以外の借金で悩んでいるという人は、カーリースを残したままで他の借金のみを任意整理するのが得策でしょう。

任意整理をすると、現在契約中のカーリースはどうなる?

リース会社を対象に任意整理すると車は解約

まず、カーリースを契約している間に、リース会社を相手にして任意整理を行った場合のことを考えていきましょう。

結論から言えば、リース中の車は所有者であるリース会社に解約されてしまいます
リース契約の場合は、カーローンと同じで、物品の購入者(所有者)が利用者ではなくリース会社となっているため、契約通りの支払いを受けられないと分かったリース会社は対象の車を回収してしまうのです。

また、車を引き上げられる=車が使えない状態になる=リース契約を解除する、ということになりますが、カーリースは途中で解約すると違約金が発生し、一括払いを請求されてしまいます。
任意整理すること自体は可能ですが、するとなればかなりのデメリットを覚悟しなければならないのです。

ちなみに、個人再生や自己破産(※すべての債権者が整理の対象になります)の場合も同様です。

カーリース契約の仕組みとは?

リース契約では、目的の品物をリース会社が利用者に代わって購入し、その品物を一定期間利用者に有償で貸し出します。
カーリースの場合は、目的の品物が乗用車になり、その車の所有者はリース会社、使用者はあなたということになるのです。

このままだと単なるレンタル契約のようですが、カーリースには主に以下のような特徴があります。

  • 頭金がなく、税金やメンテナンス費用込みの料金
  • 定期点検などを行ってくれる
  • 走行距離に制限がある
  • 契約期間内の解約や変更ができない

カーリースは月々決まった金額を無理なく支払うことで、制限内の走行距離で新車を使用することができるという仕組みです(毎月おおよそ1,500kmまでの走行距離を守る必要があります)。

またカーリースでは、リース契約を無事終了した暁に「使用していた車が気に入ったから買い取る」ということが可能な商品もあります。

その際には、残価(リース契約時に予想して定める、リース満了時の車の価値)を支払うことで、それまで使用していた車を自分の所有物とすることができるのです。
(しかし、最終的に買い取る場合、トータルの支払い額は車ローンより高くなります。)

弁護士なら専門的なアドバイスが可能

このように、任意整理をすると、新しくカーリースの契約をすることができなくなります。
既に契約中のカーリース契約も、整理の対象とすれば解約されてしまいます。

現在カーリース契約をしている人は、カーリースを任意整理の対象から外すことで多くの問題を回避することができます。
しかし、任意整理後に新しくカーリースを契約したいと考えている場合は、任意整理をした事実が足かせになってしまうでしょう。

カーリースのことが気がかりで任意整理に踏み出せないという方は、借金の整理にあたって弁護士などの専門家に相談して、カーリースについて視野に入れた上で最適な債務整理方法を検討してもらうことをお勧めします。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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