借金減額シミュレーション(借金減額診断)は、現在の借金額、金利、毎月の返済額を入力することで、任意整理で具体的に借金…[続きを読む]
借金200万円は返済に何年かかる?任意整理なら解決できる?
テレビCMだけでなく、TwitterなどのSNS、Youtubeなどの動画配信による広告が一般的になってきました。そういった媒体でお金を借りられる消費者金融やカードローンなどの宣伝動画を目にする機会が増えた方も多いかと思われます。
宣伝動画を見て、「今月ちょっと厳しいから」「欲しい物があるから」とお金を借り続け、気がついたら200万円もの借金を背負っていたということもあるようです。
「200万円の借金を返す」と口にするのは簡単です。しかし、実際に完済するのは並大抵のことではありません。
この記事では、200万円の借金の完済がなぜ難しいのかを検討し、有効な借金解決方法の1つである「任意整理」についてご紹介します。
目次
200万円の完済は難しい?借金の支払いをシミュレーション
「世の中には何千万円もの借金を背負っている人がたくさんいる。200万円くらいなら自分でもなんとかなりそう」……このように考えている方はいませんか?
確かに、マイホームを買えば数千万円のローンを組みますし、自動車を買うときも100万円規模のローン契約をすることが多いです。
それを考えれば、200万円の借金であっても時間をかけて完済できそうに思えてしまうかもしれません。
しかし、そう簡単には行かないのが実情です。
返済の難しさを知るために、借金の返済シミュレーションをしてみましょう(※以下のシミュレーションは借入額200万円、実質年利15%で行なったものです)。
できるだけ毎月の支払額を減らす少額返済
毎月の支払額を減らすということは、少額の返済を長期間続けるということです。
しかし、例えばアコムなどの有名消費者金融の公式サイトにある返済シミュレーターの場合、あまりに長期の返済は想定されていません。実質年利15%のときは「78回以下」の支払いでなければ、シミュレーターの利用そのものができない仕様となっています。
つまり返済期間は最長6年6ヶ月ということです。
返済期間6年6ヶ月の場合、200万円の支払いは以下のような状況になります。
- 毎月の支払額:40,288円
- 完済までの総支払額:3,142,497円
- 利息分の支払額:1,142,497円
ご覧の通り、6年半の分割払いをすると、利息部分だけで100万円以上もの支払いが発生してしまいます。
そもそも、約4万円の支払いを6年半続けることそのものが難しいと思われます。その間に病気をするかもしれませんし、勤め先の都合で収入が減る可能性もあります。家族や親戚、友人などにお祝い事や不幸などがあって急な出費が必要になることもあるでしょう。
このように、金利の高い借金を長期間かけて返済するのは得策ではないと言えます。
毎月の支払いを増やしできるだけ早く返済する
返済が長期にわたると膨大な利息を支払う事態に陥ってしまいます。
では、1年間(12回払い)で返済する場合はどうでしょうか?同じくシミュレーターを用いて調べてみます。
- 毎月の支払額:180,516円
- 完済までの総支払額:2,166,194円
- 利息分の支払額:166,194円
確かに利息の支払額は抑えられましたが、毎月約18万円の支払いをすることになりました。
仮にあなたの年収の手取り額は300万円程度だとすると、毎月約25万円を得られることになります。
この25万円から返済のための18万円を引くと、残りはたった7万円です。収入の半分以上が借金返済に消えてしまうと考えると、これも現実的な方法ではありません。
2年〜5年で分割返済したい
返済期間が長すぎても短すぎても非現実的なら、2~5年間で計画を立ててみましょう。
200万の月々の返済額(2年〜5年)
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
2年 | 96,973円 | 327,348円 | 2,327,348円 |
3年 | 69,330円 | 495,888円 | 2,495,888円 |
4年 | 55,661円 | 671,728円 | 2,671,728円 |
5年 | 47,579円 | 854,770円 | 2,854,770円 |
どのパターンでも言えることですが、200万円もの借金を返すとなると、月々4万円以上の返済と、高額な利息の支払いがセットで必要になることがわかります。
リボ払いをする場合
参考までに、「リボ払い」を利用した場合のシミュレーションを見てみましょう。
手数料率(実質年利)を15%、毎月の支払金額を元金2万円とした場合です(元金定額方式)。
- 毎月の支払額:20,000円~約45,000円の間で変動
- 完済までの総支払額:3,264,312円
- 支払手数料(利息):1,264,312円
支払回数はなんと約100回、返済期間は8年3ヶ月の長期に及びます。
返済期間の問題に加えて、自分が借りた額+120万円以上もの支払いが発生すると考えると、リボ払いの怖さがわかると思います。
リボ払いシミュレーター
200万円の借金を解決できる「任意整理」とは?
ここまで見てきて「毎月何万円も支払うなんて厳しすぎる」「利息が高くて完済は無理だ」などと思った方も多いでしょう。
しかし、だからと言って借金を放置してはいけません。放置しても利息は増える一方ですし、返済期日を過ぎれば遅延損害金も発生して、借金の総額は膨らむ一方です。
200万円もの借金を解決する方法として、ここでは「任意整理」をおすすめします。
200万の任意整理の月々の返済額
任意整理は、弁護士に依頼して債権者と直接交渉してもらい、将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう債務整理方法です。
その後、原則3年〜5年間の分割払いで借金を返済していく方向で交渉をまとめてもらいます。
例えば、任意整理をして利息が0になった200万円の借金を3年で支払う場合、月々の返済額は約55,555円になります。
一方、任意整理をせずに、実質年利15%の200万円の借金を3年で支払う場合、月々の返済額は約69,330円です。
毎月の差額は約13,775円であり、3年間の合計では約495,880円の差が生まれます。任意整理をするだけで50万円近くも得をすることになるのです。
任意整理をした場合の支払い計画
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3年 | 55,555円 | 0円 | 2,000,000円 |
5年 | 33,333円 | 0円 | 2,000,000円 |
任意整理にデメリットはある?
将来の利息や遅延損害金をなくすことができ、返済スケジュールを再調整できるなど、任意整理にはメリットが多いです。
しかし、デメリットもあります。
例えば任意整理後の一定期間は、ローンを組んだりクレジットカードの利用ができなくなったりします。
任意整理をすると、その情報が貸金業者やクレジットカード会社の間で共有され、「この人は返済能力に問題がある」と認識されます。そのため、任意整理から5年程度は様々な業者の審査に落ち、お金を借りづらくなってしまうのです。
ただし、これをデメリットとするかどうかは考え方にもよります。「借金癖や借金体質から抜け出す期間」と前向きに捉え、実際に借金生活から抜け出せば、その後の人生で借金による失敗を回避できるようになるかもしれません。
借金200万円と任意整理に関するよくある質問
借金200万円は何年で完済できる?
以下は、金利15%で200万円を借入した場合についての返済シミュレーションです。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
1年 | 180,516円 | 166,194円 | 2,166,194円 |
2年 | 96,973円 | 327,348円 | 2,327,348円 |
3年 | 69,330円 | 495,888円 | 2,495,888円 |
4年 | 55,661円 | 671,728円 | 2,671,728円 |
5年 | 47,579円 | 854,770円 | 2,854,770円 |
借金が200万円ある場合、1年間という返済期間で完済しようとすると、トータルで約16万円という高額な利息が必要となります。
そもそも、毎月18万円を1年間支払い続けるのは困難でしょう。
自分の生活水準を維持しながら借金の返済を無理なく進めるためには、4年以上の返済期間を見ておくべきです。
しかし、この場合の支払利息の合計は67万円以上になります。
借金200万円ならば「頑張れば返せる」「少し節約すれば完済できる」と考える方もいるかもしれませんが、200万円を自力で完済することは、月々の返済額と利息を見てもたいへん困難であることがわかります。
一方、「任意整理」に成功すれば、その後の返済額は以下のようになります。
任意整理をした場合の支払い計画
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3年 | 55,555円 | 0円 | 2,000,000円 |
5年 | 33,333円 | 0円 | 2,000,000円 |
借金はいくらになるとやばい?
借金の重大度は、収入や支出は個人によって異なります。同じ200万円の借金でも、月収30万円を超える人と、月収15万円程度の人とでは、「やばいかどうか」の感覚は大きく異なってくるでしょう。
一般人にわかりやすい一つの目安としては、「債務額が月収の20倍以上」「毎月の返済額が【月収-家賃】の3分の1以上」というケースでは、もはや支払不能状態と言えるため、1日でも早く弁護士や司法書士に相談することをオススメします。
逆に、以下の基準に当てはまるならば、200万円を自力で完済できる可能性も0ではないでしょう。
(とはいえ、この条件はかなり厳しいと言えます。)
- 年収が600万円を超えている
- 家賃、光熱水費などの生活費を除いて、毎月18万円を1年間支払い続けられる
- 家賃、光熱水費などの生活費を除いて、毎月7万円を3年間支払い続けられる
なお、借金が100万円以下でも、「生活が苦しい」「滞納を続けてしまいそう」ならば交渉の余地があります。
本格的な支払い不能に陥ってしまう前に、弁護士や司法書士にご相談ください。
任意整理以外の借金200万円の解決・返済方法は?
任意整理は、債務者と債権者の合意に基づいて行われます。
ほとんどの債権者は「踏み倒されるよりは利息をカットしてでも元本を支払ったもらった方が良い」と考えて交渉に応じてくれますが、中には確固たる態度で任意整理の交渉の席につかない債権者も存在します。こうなると合意はできませんので、当然ながら任意整理失敗となってしまいます。
また、職場を解雇されたり病気になってしまったりして収入がなく、毎月数万円でも支払うのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
このような場合は、個人再生や自己破産による借金の減免を図ることが考えられます。
個人再生は、借金を元本から大幅に減額して長期の分割払いをすることができます。いくら減額できるかは借金の金額や債務者の資産などにより変動します。
借金が200万円ならば、減額できても最低でも100万円は返済していく必要があるでしょう。
一方の自己破産は、裁判所に申し立てをして借金を0円にする手続きです。税金や国民健康保険料などは減額できませんが、あらゆる負債の支払義務を免除できるので、現在収入がない方は実質的に自己破産一択となるケースもあります。
なお、生活必需品を除く高価な資産(マイホームや車など)は処分の上で債権者に配当されますが、手持ちの資産がほとんどない場合は財産の処分は発生しません。
借金問題はいずれかの債務整理方法で解決できる可能性が高いので、諦めずに一度弁護士事務所や司法書士事務所にご相談ください。
任意整理は早めに検討を
任意整理に成功すれば、返済総額を抑えつつ返済期間のリスケジュールが可能です。
「がんばれば返済できるかも」と思って無理な生活や返済を続けていると、いずれ破綻して、結局自己破産などをすることになりかねません。返済に少しでも不安が生まれたら、その段階で弁護士や司法書士にご相談ください。
弁護士・司法書士は借金問題を解決するプロです。現状のまま借金の完済が可能かどうかを判断し、借金の額や内容などに応じて最も良い解決方法をアドバイスすることができます。
借金のお悩み解決は、弁護士・司法書士にお任せください。