強制執行とは?差し押さえまでの流れと生活への影響
借金滞納による強制執行(差し押さえ)の具体例・生活への影響と、強制執行までの流れ、対処法を解説していきます。法律の専…[続きを読む]
NHK受信料については、「テレビがないのにドアの前で払えと騒がれた」「NHKに脅迫まがいの言動で支払いを迫られた」など、物議を醸すような話題が後を絶ちません(※2021年以降は訪問によらない営業にモデルチェンジしています)。
そのような中、2023年4月1日から改正NHK受信料規約が施行され、NHK受信料に関する「割増金」の仕組みが動き出すことになりました。
割増金とは、簡単に言えば「不正な手段により放送受信料の支払いを免れたとき」「正当な理由がなくて受信機設置の翌々月の末日までに受信契約の申込みをしなかったとき」に、該当者に対して支払いを免れた放送受信料に加えて請求できる、その2倍に相当するお金のことです。
ある種の罰金とも捉えられるものであり、世間では大きな反発の声が上がっています。
このようにNHKは未払い対して厳しい姿勢を見せていますが、そうは言っても「受信料を支払う余裕なんてない」「お金がないし、普段NHKは見ないから支払いたくない!無視したい」という方は多いでしょう。
NHKの公式サイトによると、受信料について「地上契約」は月額約1,023円、「衛星契約」は月額約1,813円と決して安くはありません(2024年2月現在)。
※上記の金額は口座振替・クレジットカード等の12ヵ月払いの場合であり、前払いやその他の継続振込等では月額受信料が変動します。12ヶ月まとめて前払いをするのが最もお得です。
NHK受信料を払わないとどうなるのでしょうか。また、お金がない場合にNHK受信料を払わない方法や、減額・免除をしてもらえる措置はあるのでしょうか。
目次
公共放送のあり方から、NHKの受信料を支払わなくても罰則が科されることはありません。
しかし、NHKと契約済の状態で滞納したり、未契約で無視し続けたりすると、以下のような問題が発生する可能性はありますので注意が必要です。
2023年4月1日から改正NHK受信料規約が施行され、NHK受信料に関する「割増金」の仕組みが動き出すことになりました。
新日本放送協会放送受信規約には、「不正な手段により放送受信料の支払いを免れた場合」と「正当な理由がなくて受信機設置の翌々月の末日までに受信契約の申込みをしなかった場合」は、当該放送受信契約者に対し、「支払いを免れた放送受信料に加え、その2倍に相当する額である割増金を請求することができる」と書かれています。
未払い受信料に加え、その二倍の割増金が請求されるとなると、単純な未払いならば請求されるのは「三倍」の金額になります。
受信料契約を交わしている状態で支払いを滞納していると、延滞金も発生します。
延滞金の金利は、年利換算で12%です。この数字は銀行カードローンの年利と大差なく、請求額はあっという間に膨らんでしまいます。
受信料を滞納したり、受信設備があるのに支払わないでいることが判明したりすると、NHKが督促を行い、最終的には裁判所の手続きに移行する可能性も0ではありません。
法的措置を無視していると、給与や預貯金を差し押さえられ、強制的に未払金を徴収されることになるでしょう。
こうならないために、未払いになったらできるだけ早く滞納状態を解消する必要があります。
【信用情報に傷はつかない】
NHKの受信料の支払いを滞納しても、ブラックリストに登録されることはありません。NHKは金融機関ではなく、信用情報機関への情報提供も行っていないため、滞納をしてもブラックリストへの掲載の心配は要りません。
しかし、例えば受信料の支払いをクレジットカードで行っていて、そのクレジットカードの支払いを滞納してしまっているようなケースでは、クレジットカード会社から信用情報機関に情報が届き、事故情報が登録されてしまいます。この場合はブラックリスト状態となってしまい、今後クレジットカードを作る時やローンを組む時に悪影響が出ることになりますのでご注意ください。
先述の通り、NHKの受信料は原則として支払わなければならないと法律で定められています。
しかし、経済的な事情でNHK受信料が払えない場合には免除や減額を受けられる可能性がありますし、家に受信機がないような場合は支払わないで済むこともあります。
そもそもテレビなどの受信機が家にない場合はもちろん、これまであったとしても故障などにより廃棄することで手元になくなった場合には、NHKと契約する必要はありません。
他にも、一人暮らしや単身赴任を解消して実家などに戻る場合には、退去する世帯の契約が解除可能です。
解約する場合には、NHKふれあいセンター(0120-151515)に電話をして問い合わせ、解約届を提出しましょう。
なお、「スマホやカーナビ、パソコンでもテレビは見れるから」と契約を迫られるケースが過去にはあったようですが、これらの設備については「協会の放送(NHKの放送)を受信することのできる受信設備」である場合には受信契約の対象となります。
反対に、テレビ機能のないカーナビや、アプリを入れておらずNHKは見られない状態のスマホ、ラジオ放送を限定で受信するような設備ならば、NHK受信料の支払義務は生じません。
インターネットテレビとは、インターネット回線を使った動画の配信サービス全般のことです。電波ではなくネットを使ってテレビを視聴します。テレビなのかモニターなのか議論が分かれるところですが、広い意味でテレビと称しているようです。
例えば、Tverなどを活用すれば、地上波テレビの番組もインターネットテレビで見れる時代になりました。
株式会社立花孝志が販売している、「NHKをぶっ壊すTV」は、放送法第64条の対象機器ではなく、受信料の契約の必要(支払う必要)がないことを謳っています。
「日本放送協会放送受信料免除基準」に該当する場合は、申請をすることで受信料が全額または半額免除になります。
この基準は、家計の事情や障害により定められています。
他にも、社会福祉施設等や学校の免除、災害被災者の方への免除があります。
気になる方は一度基準を調べてみると良いでしょう。
【参考】日本放送協会放送受信料免除基準|NHK
この動画では、NHK受信料が免除になる条件をわかりやすく解説しています。
日本放送協会放送受信規約には、同一生計支払に関する特例(家族割引)について記載されています。
例えば、親元を離れて生活している学生や、単身赴任をしている場合ならば、家族割りが適用されます。
【参考】家族割引制度のご案内|NHK
なお、学生かつ経済的理由により奨学金受給対象となっている場合は、先述の「日本放送協会放送受信料免除基準」に該当するため、全額免除が受けられます。
【NHK受信料に時効はある?】
既にNHKと契約をしていて支払いを滞納している場合、受信料の消滅時効は5年です。すなわち、最後の支払いから5年以上が経過し、「時効の援用」を行えば支払義務が免除になります(もっとも、NHKは時効が成立する前に法的措置をもって回収を図ることがほとんどですので、時効の成立は期待するべきではありません)。
一方、未契約の場合はそもそも時効が成立しません。「受信機があるのに契約をせずに支払いを免れていた」というケースでは、受信設備を設置した翌月からカウントされて受信料を請求されるでしょう。
NHKの公式サイトによると、受信料について「地上契約」は月額約1,023円、「衛星契約」は月額約1,813円となっています(2024年2月現在)。
現在利用者の多い動画配信サイト(Amazon Prime Video、Netflix等)と同等あるいはより高額な料金設定となっているため、「高すぎる」「そんなに支払えない」という声も多いようです。
※上記の金額は口座振替・クレジットカード等の12ヵ月払いの場合であり、前払いやその他の継続振込等では月額受信料が変動します。12ヶ月まとめて前払いをするのが最もお得です。
NHKの受信料は、NHK放送を受信できる受信設備を設置している場合は必ず支払わなければならないとされています。
これを破っても罰則が科されることはありませんが、正当な理由なく支払いを拒否していると法的措置(財産の差し押さえなど)をとられる可能性も0ではないことは留意しておきましょう。
なお、NHKは世帯ごとの契約を必要としています。よって、アパートなどの集合住宅であっても受信料の支払義務は生じます。
受信契約の申込期限は、テレビを設置した月の翌々月の末日までになっています。
この期限を過ぎても契約をしなかった人に対し、NHKは受信料の2倍にあたる割増金を通常の受信料に上乗せして請求できることになっています。
未払い受信料に加え、その二倍の割増金が請求されるとなると、単純な未払いならば請求されるのは「三倍」の金額になります。
NHKの「受信料の推計世帯支払率(全国・都道府県別)」によると、2022年度末のNHK放送受信料の未払い率(未納率)は21.7%でした。未納率はここ数年20%前後で推移しています。
この20%の中には、契約していない世帯はもちろんですが、契約しているものの支払えずに滞納している世帯も含まれています。
2021年に全国で契約している世帯数は3,796万件でしたが、うち世帯支払数は3,682万件となっているので、契約しているものの支払えずに滞納している世帯は約3%ということになります。
NHKから「特別あて所配達郵便」が届くのは、NHKと受信契約を結んでいない世帯の住所に限られます。
NHKは、送付先の住所の存在は確認しているものの、そこに実際に住んでいる人がいるかどうかは把握していません。
そのため、NHKからの特別あて所配達郵便には、受信契約を結ぶお願いや受信契約の申込書が同封されることがあります。
しかし、未契約の世帯に突然NHK受信料の請求書が届くことはまずありません。
「テレビがない」「テレビが壊れたから処分した」というようなケースでは、NHKの受信料を支払う必要がありません。
しかし、NHK放送を受信できる受信設備を設置している場合は受信料の支払義務が発生しますので、未払いとなって強制執行にならないために注意しましょう。
もし、借金の支払いや奨学金の支払いなどで生活が苦しく、NHKの受信料を支払えないという状態ならば、NHKが定める免除制度の他、弁護士や司法書士に依頼をして「債務整理」を検討することもおすすめです。
債務整理により借金を減免できれば、受信料を支払う経済的な余裕も生まれるかもしれません。一度弁護士・司法書士にご相談をいただければと思います。