住民税を滞納して差押予告書が届いた!無視してよい?どうすればいい?
住民税(市民税・都民税・県民税)を滞納していると、役所から「督促状」や「催告書」といった書類が送られてきます。
さらに、督促状・催告書を無視し続けていると、最終的には「差押予告書」というものが届き、自分の資産や給料を差し押さえられる可能性があります。
自分の資産や給料を差し押さえをされてしまうと、職場や家族に、税金を滞納していることをバレる危険性もあり、生活は一層苦しくなるでしょう。できることなら、差し押さえは事前に防ぐべきです。
この記事では、住民税を滞納して差押予告書が届いた時の対処法について解説していきます。
また、もし住民税を払えない理由として、払いきれないほどの借金を抱えているといった場合は弁護士にご相談ください。
適切な借金整理方法についてアドバイスをしてくれるでしょう。
目次
差押予告書とは?
差押予告書は、債権者が債務者の資産を差し押さえることを予告する文書です。
債務者が債務を履行せずに滞納や不履行を続けている場合、債権者は裁判所の許可を得て、債務者の資産を差し押さえることができます。しかし、差し押さえは債務者に対する厳しい手続きであるため、債権者は通常、債務者に対して差し押さえの予告を行います。
差押予告書には、差し押さえ対象となる資産の種類や数量、差し押さえの理由、差し押さえの予定日などが記載されます。債務者は予告を受けた後、一定期間内に債務の履行や交渉を行うことで、差し押さえを回避することができます。しかし、債務者が対応しない場合、差押予告に従って裁判所が差し押さえ手続きを進めることがあります。
- 債権者の情報:債権者の氏名や住所などの情報が記載されます。
- 債務者の情報:債務者の氏名や住所などの情報が記載されます。
- 債務の内容:債権者が主張する債務の内容や金額が記載されます。
- 差押の予告:債務者に対して差押手続きを行う意向が通知されます。
- 返済の期限:債務者が返済を行う期限が示されます。
訴訟の可能性:債権者が訴訟手続きを検討する可能性があることが記載されることもあります
住民税を滞納して差押予告書が届いた!どうすればいい?
差押予告書が来た段階で、滞納分を支払えるのであれば苦労はしません。そもそも、お金があれば督促状や催告書が届いた段階できちんと支払に応じることでしょう。
督促が続いてもなお滞納を続けるのは、ひとえに支払ができない状況に陥っているからです。実際問題、金銭的に余裕がないために、払いたくても払えないというケースが大半でしょう。
しかし、事情はどうあれひたすら督促を無視していれば、役所は滞納者の財産や給料を差し押さえて強制徴収に踏み切ります。
そうならないためにとれる対処法を説明します。
役所に相談をする
どうしても支払いが難しい場合は、督促状が届いた段階で役所に行って事情を話しましょう。
役所にきちんと支払いの意思をみせれば、支払いを猶予してくれることもあります。また、分割払いを認めてもらえる可能性もあります。
相談時には、納税について誠実な態度をとることが肝心で、一括納付により事業継続や生活が困難になることを伝えましょう。
分割払いの約束ができれば、少なくとも約束通りに支払っている限り、差し押さえを受ける危険性はなくなります。
仮に差し押さえられ厳しい場合はどうすればよいのでしょうか?
生活できない恐れがあるとき
税金の滞納による差し押さえの場合、一般的にその金額を減額することはできません。
ただし、最後の手段として、給料の差し押さえが「生活を著しく困窮させるおそれがあるとき」には、『滞納処分の停止』(国税徴収法153条)により、差し押さえの解除を受けられる可能性があります。
ただし、滞納処分の停止は税務署長が職権で行うものであり、債務者が申し立てる手続きはありません。また、差し押さえ可能な金額がある場合には停止が難しいと考えられます。
もし給料が差し押さえられると生活が困難になる場合は、税務署に生活状況を説明し、滞納処分の停止について相談することもできます。ただし、応じてもらえるかどうかは保証されていません。
以上が一般的な情報ですが、具体的な状況や地域の法律によって異なる可能性があるため、個別のケースについては税務署や法律の専門家に相談することをおすすめします。
債務整理での解決も検討する
住民税の滞納の理由が「多重債務の返済に追われ、住民税を払う余裕がない」ということであれば、債務整理によって解決できる可能性があります。
債務整理をすると借金を減額・免除をしてもらえます。
税金の滞納分は債務整理によって減らすことはできませんが、債務整理をすれば税金以外の借金負担が減りますので、税金を支払う余裕が生まれる可能性が高いです。
債務整理後の支払いについては、弁護士・司法書士に相談するとよいでしょう。
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住民税の滞納に関するよくある質問
住民税を滞納するとどうなるか?
住民税の滞納を続けていると、最後は「差し押さえ」という事態になります。
次に、住民税滞納から差し押さえまでの流れをみていきましょう。
督促状が届く
住民税を滞納していると、まずは「督促状」が届きます。滞納後20日以内に届くケースが多いでしょう。
督促状が届いたら、役所が通知書を発送した日から10日以内に滞納分を全て支払わなければなりません。
支払いをしないまま放置してしまうと、地方税法331条1項により「いつでも差し押さえ可」の状態になってしまいます。
支払期日から差し押さえ可の状態になるまでの期間はおよそ1ヶ月ですので、それほど時間的な余裕はないので注意が必要です。
しかし、「差押え可」の状態になり、仮に差し押さえができる状態になったとしても、直ちに強制徴収になることは原則としてありません。
催告書が届く・電話等で督促される
督促状は一度だけではなく何度か届くこともありますが、次の段階となったら「催告書」が届くでしょう。
催告書は赤い封筒に入っているので、ぱっと見てかなり目立ちます。
また、催告書など書面での督促だけに留まらず、電話や対面での督促も始まります。市区町村の職員から電話で払うように言われたり、実際に家まできて説得されるケースもあるようです。
基本的に、滞納後1~3ヶ月程度この請求方法がとられるのが一般的です。
しかし、滞納後数年たった段階で急に催告書が届くこともあるようなので、対応は市町村によってまちまちです。
差押予告書が届く
督促状や催告書がきても無視をしていると、いよいよ「差押予告書」が届きます。
差押予告書が届くのは、住民税を滞納してから早くて3ヶ月程度です。しかし、先述の通り遅い場合は忘れた頃になって書面が届くこともあります。
税金滞納による差し押さえは、一般的な民間の差し押さえとは異なり、裁判所の許可や判決など複雑な手続きを必要としません。
強制執行をしようと思えばすぐにでも差し押さえできてしまう状態なので、要注意です。
しかし、解決方法がない訳ではありません。差し押さえを免れるには、差押予告書が届いたタイミングでの対処が重要です。
住民税は債務整理できる?
税金の滞納分は債務整理・自己破産等によって減らすことはできません。
住民税とは?
住民税とは都道府県や市区町村に払う税金のことで、都道府県民税と市町村民税を合わせたものです。
個人に対する都道府県民税と市町村民税は、都道府県は徴収を行わず、市区町村がまとめて賦課徴収することになっています。
住民税は都道府県や市町村における行政サービスの必要経費の分担金で、福祉や教育・防災をはじめとする公的サービスの原資となります。
住民税は職業によって支払い方法が異なります。
例えばサラリーマンは毎月の給与の中から天引きされているので、基本的に住民税の滞納をすることはありません。
しかし、自営業やフリーランスの人は自ら支払をしなければならず、所得に応じた金額を翌年に請求されます。支払時期は毎年6月頃で、昨年1年分の請求がまとめて届きます。
日本に住んでいる限り、基本的に住民税は支払わなければなりません。期日までに支払わない場合は延滞税が付き、その後も支払いをしなければ差し押さえで強制的に徴収される可能性があります。
まとめ
税金を支払えないならば、役所に誠意を見せることが大切です。
事情を伝えれば、分割払いにしたり、支払いを待ってもらえたりする可能性もあります。
相談に行くのは気が重いかもしれませんが、誠実な対応をすることが重要です。
また、他の借金を返しきれないほど抱え込んでしまった方や、債務整理を検討している方は、是非一度弁護士にご相談ください。