ビットコインの税金が払えずに破産する!?

ビットコイン破産

近年、投資の話で盛り上がるトピックといえば「ビットコイン」です。
数万円が何百万になり大儲けしたという噂もあれば、大損した・借金を抱えたという噂も聞こえてきます。

現在、ビットコインで取引を行っている方、これから始めようとしている方は、価値の暴落以外にも気をつけるべきことがあります。

それは「税金」です。
ビットコインは、日本の所得税制上「雑所得」としてカウントされ、「ビットコインを使用することにより生じた利益」は「所得税の対象」になるのです。

よって、ビットコインで儲けと出した場合、その利益の半分くらいはしっかりと残しておかないと、翌年の税金の支払いができなくなるかもしれません。

今回は、ビットコインと税金対策について解説します。

1.ビットコインと税金

まずは、ビットコインが税法上どのように扱われるのか、注意すべきポイントはどこにあるのかについて簡単にご説明します。

1-1.ビットコインは雑所得としてカウント

冒頭の通り、 ビットコインは日本の所得税制上「雑所得」としてカウントされます。

雑所得は、給与所得など他の種類の所得のどれにも区分されないものという位置付けです。
しかし、実はこれが一番損する所得税の区分なのです(詳しい理由は1-2でご説明します)。

また、ビットコインは、一部のお店などで日本円のように使用することができます。ビットコインで物やサービスを購入することができるわけですが、実はこれにも問題があります。

ビットコインで物を購入すると、その物自体も利益としてカウントされてしまうのです。
ビットコイン自体だけでなく、ビットコインにより取得した物についても税金を算定する際に考えておかなければいけません。

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1-2.雑所得は税制上不利になる

さらに問題になるのは、雑所得では損失の繰越控除ができないということです。

損失の繰越控除は、その年の損失を以後3年間損失として計上し、控除することができるシステムです。税制上は、所得税のさまざまな繰越控除システムがありますが、雑所得にはこれがありません。

つまり、大きな損をしても、損をした年の期間でのみしかカウントしてもらえません。
翌年、翌々年と損失としてカウントしてもらえないということは、税金を多く支払わなければいけない可能性が高くなるということです。

次に、雑所得には「総合課税方式」というものが導入されており、所得に応じて税金も上がるシステムとなっています。
一見無駄のないシステムに見えますが、1,800万円以上になってしまうと、税率は40%にもなり、かなり高い税金を支払わなければいけません。

総合課税方式は7段階に分かれており、5%〜45%まで上がる仕組みですが、ビットコインで大儲けするほど税金が上がってしまいます。税金対策もしっかり考えなくてはいけないのです。

このように、ビットコインは所得税法上「雑所得」としてカウントされるため、税制上不利になってしまいます。
これまで確定申告を一度もしたことがないというサラリーマンほど、気をつけないと後に税金破産につながりかねないのです。

2.ビットコインで税金破産する原因

上記を踏まえ、ビットコインで税金破産する原因を2つご説明します。

2-1.税金で実際の利益は半分程度になる

ビットコインで税金破産してしまう原因としては、まず、税金により利益の半分程度が持っていかれることが挙げられます。

先にご説明した通り、雑所得は総合課税方式をとっているため、4,000万円以上の所得がある場合には45%が課税されることになります。
そして、これに住民税を足すと、最高55%が税金で持っていかれることになるのです。

また、税金は年ごとに区切られていることも、税金破産を生む原因となっています。

というのも、2017年に出した利益は、2018年に確定申告することになります。2017年4月に1億円の利益を出したが、2018年1月に7,000万円の損失があったという場合、実際の利益は3,000万円です。

しかし、税法上は年ごとに区切られているため、7,000万円の損失については通算処理できません。
そのため、1億のうち55%である5,500万円は税金としてカウントされてしまいます。

実際の利益を差し引いても、2,500万円は自分で用意しなければいけなくなってしまうのです。

このように、儲けた金額が大きければ大きいほど、税金の額も上がってしまうため、税金が支払えず、破産してしまう可能性も高くなります

2-2.他の投資と相殺できない

もう1つの原因として考えられるのが、他の投資と相殺できない点です。

通常、株やFXなど、雑所得の中で複数の投資を行っている場合、損益計算を通算処理することができます。
「株で儲かってもFXで損してしまった」という場合、これを通算処理できるので、所得としてカウントされる金額が実際の利益と変わらないようにすることができます。これにより、税金が安くなる効果があります。

株の場合は、給与所得などの他の区分とも損益通算ができるため、税制上のメリットも大きくなります。

しかし、ビットコインの場合は、他の投資手段と通算処理することはできません。
株で儲けて、ビットコインで損をしても、これを相殺することができないのです。

ビットコインは、他の区分との損益通算はおろか、同じ雑所得内でも投資の種類が違え、損益通算はできない仕組みになっています。

3.ビットコインによる破産を防ぐ税金対策

ビットコインやFXなど、小さなお金で大きな利益を生み出してしまう投資方法は、税金破産のリスクが常にあります。
次に、税金破産を防ぐための、ビットコイン取引における対策をご紹介いたします。

3-1.利益から税金をあらかじめ計算する

特にやってはいけないことは、利確した分をすぐに現金などに変えて使ってしまうことです。
税金の計算もせずすぐに使用してしまうと、後で税金が支払えないという事態が発生してしまうのです。

そのため、利益が出たら税金分を計算して取っておくことが税金対策になります。

ビットコインで利益としてカウントされるのは、以下のような行為です。

  1. ビットコイン自体を売却する(利益を得る)
  2. ビットコインとアルトコインを交換して利益を得る
  3. ビットコインで物やサービスを購入する

ビットコインを売却して利益が出れば、これは課税対象です。日本円に換金するだけでも利益になるので、注意が必要です。
また、アルトコイン(他の仮想通貨)と交換して利益が出ても、ビットコインで買い物をしても、利益とみなされ課税対象となります。

いずれかの行為を行った段階で「課税対象になる」と考え、自分で帳簿をつけておくことをおすすめします。
そして、月ごとに税金がどれくらいになるのかを計算しておきましょう。

ちなみに、ビットコインを保有し続けるだけでは利益にあたりません。利益確定をせず、長期的に運用されている場合は問題なしということです。
また、ビットコインを売買する際にかかる消費税は、現在非課税になっています。

3-2.サラリーマンは給与所得との合算に注意

現在ビットコイン一本で生活している場合は、ビットコインで利益確定した分につき、税金計算を定期的に行い、確定申告を行えば大丈夫です。

もっとも、ビットコインを利用しているほとんどの方はサラリーマンで、給与所得などの固定収入がありながら、投資として行っているケースが多いでしょう。

サラリーマンの場合、特に注意が必要です。税金の申告は会社に任せている方がほとんどのため、自分で計算して申告するという習慣がないためです。
取引を始める前に、税金についてしっかりと学んでおくことが大切です。

また、サラリーマンの場合、自分で確定申告を行うことはもちろんですが、給与所得との利益を合算することに注意が必要です。

例えば、給与所得が年間500万円あったとします。そして、ビットコインの利益が3,900万円あったとしましょう。この場合、課税対象となる所得は4,400万円です。

ビットコインでは、「3,900万円なので税率は40%」ではなく、所得全体で計算するため「4,400万円なので税率は45%(住民税含むと55%)」となります。

サラリーマンのように給与所得があるという方は、給与所得についても合算が必要がということを理解しておいてください。

4.無申告・過少申告したらどうなる?

「税金が高すぎて支払えない!」という場合に考えてしまうのが、税金の無申告・過少申告でしょう。
しかし、これは絶対にやってはいけません。倫理的な問題だけではなく、後でトラブルになってしまうことが多いです。

仮に税金の無申告・過少申告が発覚した場合、元の税額から最大で50%増の税金が課される可能性があります。

無申告の場合は、「無申告加算税」が上乗せされます。さらに、悪質と判断された場合には「重加算税」というものが課せられ、重い税率となってしまいます。
過少申告の場合は、「過少申告課税」というものが課され、「延滞税」が課されることもあります。

税金逃れは、今年バレなかったから大丈夫というものではありません。申告後、何年も「大丈夫かな?」と思い悩むことになります。
このような思いをするなら、しっかりと税金を支払っておくのが賢明だといえるでしょう。

5.自己破産・個人再生で税金は免除されない

「多額の借金がどうしても支払えない場合は、自己破産が有効だ」と聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

自己破産とは、今ある借金のほとんど全てが、裁判所の許可により免除される手続きです。
全ての債務の支払義務が免除されるのは大きなメリットですが、今ある持ち家や高価な車など、一定の資産は手放さなければなりません(生活必需品や99万円以下の現金などは残すことができます)。

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実は、自己破産をしても税金の支払義務は免除されません。
(個人再生の場合も、税金は減額の対象外です。)

ビットコインで自己破産を考えるケースでは、「大きな利益を生んだあとに大損して税金が支払えない」というのが代表例です。
しかし、自己破産では、非免責債権(破産法253条)というものがあり、これに該当する場合は免除ができないことになっているのです。所得税、住民税などの各種税金もこれに該当します。

ただし、自己破産まで考えるケースでは、税金以外の借金も抱えているケースがあるかもしれません。
このような場合、税金以外(消費者金融や銀行などから)の借金を自己破産することで、税金の支払いをする余裕が生まれるかもしれません(それでも、ビットコインの税金額でしたら市役所に相談して分割払いなどにしてもらうことは必要でしょう)。

また、税金の支払いが理由で生活できないほど困窮している場合、延納などが認められることもあります。これについては、別途市役所に相談してみてください。

6.ビットコインは税金に気をつけよう

ビットコインについて、税金の仕組みをしっかり理解していないと後々に大変なことになることがお分かりいただけたと思います。
利益が大きくなると浮かれがちになってしまいますが、しっかり税金の仕組みを理解すること、そして利益確定をしたら税金の計算をして自分で帳簿をつけておくことが大切です。

どうしても税金が支払えないという場合、経済的にも苦労してしまいます。
税金が絡む借金で自己破産・個人再生などの債務整理を検討する場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は、あなたの債務状況や生活状況を加味した上で、ぴったりの解決策をアドバイスしてくれます。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、行政書士資格者、FP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、今までに、債務整理に関する記事を1,000以上作成、監修。
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