緊急小口資金・総合支援資金で償還免除(返済免除)になる条件とは?

 

【速報】2023年1月10日
新型コロナウイルス禍で収入が減った世帯に特例で生活資金を貸し付ける国の制度を巡り、返済免除を求める申請が2022年10月末時点で貸付総数の3割超(約106万件)に上ることが日本経済新聞の調査で分かりました。
参考:コロナ禍の特例貸付、3割が返済不能 2108億円免除決定(2023.1.10 日本経済新聞)

コロナ禍で困窮して社会福祉協議会からの融資を受けたけれど、思ったように収入が回復せず、「コロナ貸付の月々の返済が苦しい」「緊急小口資金・総合支援資金を返済できない、滞納している」というケースも多いかと思います。実際「コロナ貸付 返済できない」というキーワードで検索をされる頻度は多いようです。

実は、緊急小口資金と総合支援資金の特例貸付で借りたお金は、一定の条件を満たせば償還免除(返済免除)になります。
また、償還免除が難しくても、条件を満たせば償還猶予が受けられる可能性があります。

この記事では、「緊急小口資金と総合支援資金の償還免除(返済免除)・償還猶予の条件」「返済免除の対象外でも、緊急小口資金・資金総合支援資金で借りたお金を返さずに済む方法」を解説していきます。
緊急小口資金・資金総合支援資金の返済に困っている方はぜひ参考にしてください。

緊急小口資金・総合支援資金の償還免除の条件とは?

緊急小口資金と総合支援資金(特例貸付)の基本的な返済免除条件は、借主と世帯主が指定の年度に住民税非課税であることです。
この条件に当てはまる人は、返済免除申請をすることで、緊急小口資金と総合支援資金の一切の返済を免除してもらうことができます。

  • 償還時期が2024年1月〜:2023年度が住民税非課税
  • 償還時期が2023年1月〜:2021年度又は2022年度が住民税非課税

住民税の非課税について、より分かりやすくは下記の動画も併せてご覧ください。

ただ、実際にはこれ以外にも返済免除になるケースがあります。例えば、お金を借りた本人が以下のような状況であっても償還免除の対象となります。

  • 返済が始まってから生活保護を受給し始めた
  • 返済が始まってから障害を負ってしまった
  • 死亡・失踪宣告を受けた
  • 失踪宣告された

また、「住民税均等割は課税だけど、住民税所得割なら非課税になっている」という場合については、

  • 高齢者世帯
  • 障害者世帯
  • ひとり親世帯

であれば、返済額の一部(返済が遅れている部分)の支払いについては、免除を受けることが可能です。

今回はかなりざっくりまとめましたが、詳しく知りたい方は下記の動画も併せてご覧ください。

緊急小口資金・総合支援資金の償還猶予の条件とは?

上記の返済の免除にはならずとも、厚生労働省は以下のようなケースで償還猶予になる可能性がある(原則1年間)と案内しています。

  • 地震や火災などの災害にあってしまった
  • 仕事を失ってしまった
  • 病気で働けなくなってしまった
  • 債務整理をする可能性がある
  • 仕事が安定せず収入が低いままである
  • 生活が苦しく公共料金の滞納が続いている
  • DVを受けて避難している など

返済猶予を受けるには、まずはお住まいの地域の市区町村社会福祉協議会に相談する必要があります。

償還猶予ならば猶予期間中の延滞利息も発生しないので、安心して生活の再建を目指すことができます。

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返済免除対象外でも緊急小口資金・総合支援資金を返済せずに済む方法

前章でお話ししたようなあらゆる返済免除・猶予のパターンを見てみても、どうしても対象にはならない場合、緊急小口資金や総合支援資金で借りたお金を返さずに済むとしたら、取れる手段は次の通りです。

  1. 自己破産
  2. 時効の援用

自己破産

自己破産とは?

自己破産」とは、債務整理の手続きのうちの一つで、借金返済の目途がどうしても立たないこと(支払不能であること)を裁判所に認めてもらい、今ある借金を全て0にする手続きです(税金や国民健康保険料などを除く)。

緊急小口資金や生活福祉資金も「借金」ですので、自己破産が可能です。
また、緊急小口資金や総合支援資金以外にも、消費者金融、銀行、奨学金などの借金がある場合は、そのあらゆる負債の返済義務が全て免除になります。

厚労省が都道府県社協に通達した書類には、以下のような記載があります。

自己破産の手続きが完了した場合や個人再生の手続きをして返済が完了した場合については、都道府県社協会長の職権によって、緊急小口資金・総合支援資金で借りたお金を返済免除にできる

上記の通り、緊急小口資金・総合支援資金は「個人再生」することも可能です。個人再生は、裁判所に申し立てをして全ての借金を元金から大幅に圧縮し、その後原則3年の分割払いをしていく制度です。

個人再生をするには将来的に返済を継続できるだけの安定した収入が必要ですので、生活苦に悩んでいる方は自己破産の方が向いているかもしれません。一度弁護士にご相談ください。

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自己破産にデメリットはある?

「自己破産」と聞くと「なんだか怖い」「路頭に迷うことになるのでは」などと感じる方もいるのではないでしょうか。

実際、自己破産にもデメリットはあります。

まず、自己破産にしても個人再生にしても、手続きを行うといわゆる「ブラックリスト」に載ってしまうため、手続き完了から5年〜7年程度は借金が出来ません。自己破産後しばらくは新規のクレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなかったりするので、生活が不便に感じるでしょう。

また、自己破産をする時は手持ちの高価な資産を一部処分しなければならなくなる可能性もあります。
マイホームなどの不動産、高価な車などがある場合は、換価されて債権者に配当されると考えましょう(生活必需品などは手元に残せるため、実際には何も処分することなく手続きが完了することも多いです)。

この他、自己破産をすることで生活や人生にどんな影響があるのかについては下記の動画で詳しくお話ししています。

しかし、様々なデメリットを考えても、借金を合法的に免除・減額できるという自己破産のメリットは大きいです。
借金問題は何もしなければなかなか自力では解決できないものですので、一度、弁護士や司法書士などの専門家に相談して、一歩踏み出してみることをお勧めします。

時効の援用

借金にも「時効」の概念がありますので、法律で定められた期間が経過すると時効で消滅します(消滅時効)。
借金の時効が成立した場合、時効の援用という手続きによって返済義務を免れることができます。

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実は、借金についても「時効」の概念が存在します。この記事では、借金の時効(消滅時効)について解説していきます。[続きを読む]

ただ、お金を貸した側(緊急小口資金・総合支援資金なら社協)が、時効が来るまで何も対策をしないというのはほぼありえないかと思いますので、こちらについてはあまり現実的な手段とは言えません。

ということで、緊急小口資金・総合支援資金で借りたお金を返済できない場合、免除を受けられない時に実際に検討するとしたら「自己破産」ということになります。

まとめ

今回は、緊急小口資金・総合支援資金で借りたお金を返せない時にはどうすればいいのか、というテーマで解説しました。

自己破産をするには、原則として弁護士や司法書士のサポートが不可欠です。
債務整理弁護士相談Cafeでは、無料の法律相談に行っている事務所を多くご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。

緊急小口資金・総合支援資金の返済免除に関するQ&A

緊急小口資金、総合支援資金の返済免除条件は?

緊急小口資金と総合支援資金(特例貸付)の基本的な返済免除条件は、借主と世帯主が指定の年度に住民税非課税であることです。
この条件に当てはまる人は、返済免除申請をすることで、緊急小口資金と総合支援資金の一切の返済を免除してもらうことができます。

  • 償還時期が2024年1月〜:2023年度が住民税非課税
  • 償還時期が2023年1月〜:2021年度又は2022年度が住民税非課税

ただ、実際にはこれ以外にも返済免除になるケースがあります。例えば、お金を借りた本人が以下のような状況であっても償還免除の対象となります。

  • 返済が始まってから生活保護を受給し始めた
  • 返済が始まってから障害を負ってしまった
  • 死亡・失踪宣告を受けた
  • 失踪宣告された

緊急小口資金・総合支援資金が返済できない時、自己破産できる?

緊急小口資金・総合支援資金も、自己破産をして返済免除できます。

厚労省が都道府県社協に通達した書類には、

自己破産の手続きが完了した場合や個人再生の手続きをして返済が完了した場合については、都道府県社協会長の職権によって、緊急小口資金・総合支援資金で借りたお金を返済免除にできる

という旨が記載してあります。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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