受任通知(介入通知・債務整理開始通知)で督促・取り立てが止まる!
借金の支払いを滞納しているとき、債務者の頭を悩ませるものの一つが「取り立て」「督促」などの催促です。この記事では、督…[続きを読む]
内緒で抱えている借金がある場合、完済することができれば理想的ですが、返済が難しくなったときの問題が大きくなります。
借金の返済が困難になると、債権者からの督促や取り立てが郵便や電話などで届く可能性が高まります。この状況下で、家族に内緒にしている借金が露呈する可能性が増えてしまいます。
しかし、借金の返済が難しい場合には、「債務整理」という手続きを通じて債務総額を軽減することができます。ただし、債務整理を行っても、家族にバレてしまう可能性はゼロではありません。
この記事では、「債務整理を行いたいが家族には知られたくない」という場合の対処法について説明します。家族に気づかれずに債務整理を進めるためのアプローチや注意すべき点について解説します。借金問題に悩む方々が、自分や家族の状況に合った適切な方法を見つける手助けとなることを願っています。
目次
任意整理とは裁判所を通すことなく、債権者と直接交渉して借金を減額してもらう債務整理です。
減額できるのは利息や遅延損害金などに留まるため、借金の減額効果は高くありません。
しかし、全ての債務を整理しなければいけない自己破産や個人再生に対して、任意整理には整理する借金を自由に選べるメリットがあります。
そのため、ローン支払中の自動車や家族が保証人になっている債務などがあっても、そのローンを任意整理の対象から外すことで、自動車が債権者に回収されてしまったり、保証人に請求が移ることを防ぐことができます。
自己破産や個人再生でも、手持ちの資産が少ないケース・家計の管理を全て自分で行っているケースなど、場合によっては借金や債務整理がバレる可能性を減らすことは可能です。
しかし、財産の処分や家族に関する必要書類などがある関係で、バレないようにするのはかなり困難を伴います。
任意整理は裁判所を通さない個別の交渉である分、必要書類が少なく手続きの時間も短いため、他の債務整理よりもバレる可能性を低くできます。
裁判所に申立てを行い、一定の財産を処分してお金に換えて債権者への弁済を行い、それでも残った借金について支払義務を免除してもらう制度です。
自己破産では財産を処分する手続きがあるため、高価な財産を所持している場合は家族にバレやすいです。
マイホームや車(ローン支払い中のものや、完済済みでも査定額が20万円以上と高額なもの)は処分することになります。
また、財産を隠していないか調査するため、一定期間郵便物が「破産管財人」という人のところに転送されてしまいます。
その他、裁判所や破産管財人との面談があり、必要な書類も多いため、家族に秘密のままで自己破産を行うのは難しいと言えるでしょう。
ただし、転送される郵便物は本人宛のものだけで、家族宛のものは対象になりません。
また、弁護士に依頼すれば裁判所や破産管財人との面談も一度で済むケースが多く、代行もしてもらえたりします。必要書類の複雑さも後述の個人再生ほどではありません。
結論としては、「弁護士に依頼して自己破産をするのであれば、家族にバレないこともあるが、絶対にバレないとは言い切れない」といったところです。
こちらも裁判所に申立てをして、借金を最大10分の1(平均5分の1程度)にしてもらう制度です。
減らしてもらった借金は毎月少しずつ、3年程度かけて返済すればいいので、生活はかなり楽になります。
また、自己破産のように財産を処分する必要は基本的にありません。
(ローン支払い中の車などは、自己破産と同様でローン会社に引き上げられてしまう可能性があります。)
しかし、個人再生は減額した借金を将来的に継続して返済していくことが前提となります。
そのため、家族の収入や財産を明らかにする必要があります。
例えば、家族の給与明細が必要な場合、ご自身で家計の管理をしていなければ、家族に不審がられずに用意することは難しいでしょう。
そういった書類を収集する段階で家族にバレるおそれが大いにあります。
また、自己破産と個人再生は、全ての借金を整理の対象にすることになるので、家族からの借金や家族が保証人になっている借金も手続きをすることになり、結果、債務整理を行ったことがバレてしまうでしょう。
借金を返済しないまま支払期日を過ぎ、それでも放置していると、債権者としては債権の回収を図らなければいけなくなります。
債権者は債務者に連絡を行いますが、その方法は主に郵便です。圧着ハガキや封書などで支払いの請求が行われます。
こういった郵便物を家族が確認することで、借金がバレてしまうことがあります。
家族が郵便物を開封してまで確認しない場合でも、安心はできません。
カード会社や金融会社のロゴ等が書かれた郵便物を見られたら、不審に思われても仕方がないからです。
また、債権者によっては電話で督促をする場合もあります。
個人の携帯電話ではなく自宅の電話にかかってきた場合、家族が電話に出て、それがきっかけで借金のことがバレた例も多いです。
さらに、支払いの滞納が続くと、債権者が家まで直接来て督促を行うこともあるようです。
このとき家族が応対するとほぼ確実にバレてしまうため、このような事態になる前に対処しなければなりません。
強制執行されると、財産や銀行口座、給料などが差し押さえされてしまいます。
財産を差し押さえられた場合、財産の一部を回収されて競売にかけられます。
銀行口座が差し押さえられた場合は、滞納分が強制的に引き落とされて、債権者への弁済に回されます。
そして給料が差し押さえられた場合、給料から一定額が引かれて弁済に充てられます。
いずれにしても財産や収入が減ってしまうため、家族にはバレてしまうでしょうし、給料が差し押さえられた場合は職場にも借金の滞納が伝わってしまいます。
督促を受けるとバレる可能性が高くなるため、苦しいながらなんとか返済を続けていたとします。
しかし、利息が膨らむなどして返済額が家計を圧迫すると、生活の質が悪くなっていきます。
特に給料の中から借金を返済するための資金を捻出している場合、家に入れるお金が減ることになります。
収入と支出がマッチしていないことを不審に思った家族は、そのうち原因を調べるでしょう。その結果、隠していた借金が見つかることがあります。
債務整理を家族に内緒のまま行うことは簡単ではありません。
何も考えずに債務整理をするとバレる可能性が高くなるので、以下のような工夫を凝らしてください。
債務整理は理論上、誰でも弁護士なしでも行えるようになっています。
しかし、実際に自力でできるかどうかは別の話です。
手続きは複雑で、たくさんの書類を集めなければなりませんし、書いたこともない書類を書かなければなりません。
裁判所によっては代理人弁護士の存在を前提としているところもあるほどです。
また、書類の書き方や手続きの進め方を調べるために家族共用のパソコンを使った場合、検索履歴等からバレることがあります。
さらに、任意整理の場合は債権者との交渉が必要ですが、一般人が相手だと債権者である金融業者等が交渉に応じてくれないかもしれませんし、法的知識の不足等を逆手に取られて不利な条件で和解させられるかもしれません。
弁護士に依頼すれば、裁判所での手続きや債権者との交渉を代行してくれます。
自分で行うよりも早く、スムーズに債務整理を終わらせることができるのです。
債務整理に必要な書類は、家族の目に触れないところに隠しておきましょう。
債権者から届く郵便物がネックですが、弁護士に依頼すれば解決が可能です。
依頼を受けた弁護士は、債権者に受任通知というものを送付します。これを受け取った債権者は、以後債務者本人と直接やりとりができなくなります。
電話も郵便物も、債務者ではなく弁護士のところを経由しなければならなくなるのです。
債権者からの連絡が弁護士のところへ行くようになれば、家族に債務整理がバレる可能性が少なくなります。
弁護士に依頼すれば、債権者や裁判所との窓口を弁護士が担当してくれます。
問題は弁護士とのやりとりです。
弁護士とは依頼人である債務者が直接対応しなければなりません。
「弁護士と頻繁に連絡を取り合っている」ことが家族にバレた場合、家族から疑いの眼差しを向けられるのは必然です。
弁護士はとの連絡は、家の共用電話を使うのは避けて、自分しか使わない携帯電話を使ってください。
また、弁護士と書類の受け渡しをする場合は、家族に絶対現場を見られないように、弁護士の事務所で行いましょう。
なお、家族に内緒で債務整理を行いたい場合は、必ず弁護士にその旨を伝えてください。
事前に事情を知らせておけば、弁護士は依頼人の家族に知られないような対応をしてくれます。
今回は家族に内緒で借金を解決する方法について解説しました。
どうしても家族にバレたくない場合は、任意整理をするのがオススメです。
自己破産や個人再生でもバレずに進めることはできますが、最もバレる可能性が低いのは任意整理だからです。
しかし任意整理であっても、バレる確率をゼロにできるわけではありません。
任意整理をする場合であっても、書類を取り扱いや弁護士との連絡には細心の注意を払ってください。
また、依頼の際は絶対に「家族に内緒で債務整理をしたいです」と弁護士へ伝えておきましょう。
これをすることで、バレる可能性をより少なくすることができます。
家族に秘密にするにせよ、そうでないにせよ、借金に悩んで債務整理を検討している方は、一度お近くの弁護士事務所までご相談ください。
弁護士が借金解決に最適の方法をアドバイスしてくれます。