ティーオーエム株式会社の借金は時効援用できる？裁判を回避したい！

ティーオーエム株式会社は、北海道札幌市にある貸金業者です。主に破産・倒産・廃業した会社から債権譲渡を受けたり、その他様々な業者から未払い債権を譲り受けたりして、債務者に請求を行っています。
こう聞くと債権回収会社（サービサー）を想像するかもしれませんが、ティーオーエム株式会社はあくまで貸金業登録をしている貸金業者で、法務大臣の許可を受けた債権回収会社ではありません。

近年、このティーオーエム株式会社から、「昔の借金について督促（電報・訪問通知書）が届いた！」「自宅訪問をされて取り立てを受けた！」「借金の返済を請求された！」というケースが増えているようです。

身に覚えがないくらい昔の借金ならば、それは既に時効を迎えている可能性があります。
しかし、安易に自分で連絡を取ると、せっかく成立するはずの時効が無効になってしまう可能性があります。まずは弁護士や司法書士に連絡し、最適な対処法のアドバイスをもらいましょう。

この記事では、ティーオーエム株式会社からの請求・電報・自宅訪問に正しく対処し、時効援用で借金を０にする方法について具体的に解説していきます。

「ティー・オー・エム株式会社」から請求が来る理由

ティーオーエム株式会社は、北海道知事に認可された正規の貸金業者です。身に覚えがない請求だからといって、闇金や違法業者ではありませんのでご注意ください。

詐欺業者などがティーオーエム株式会社を騙って連絡をしてくる可能性は０とは言えませんが、この場合、請求書や督促状に書かれている情報が以下と一致しているかどうかを確認してみてください。
同じような社名を騙っているのに住所や電話番号が違っていたり、登録番号が書かれたりしていないならば、安易に対応するのは控えましょう。

とはいえ、「ティーオーエム株式会社からお金を借りた覚えはない！」という方が大半でしょう。
なぜティーオーエム株式会社から請求が来るのかというと、ティーオーエム株式会社が破産・倒産・廃業した会社から債権譲渡を受けたり、その他様々な業者から未払い債権を譲り受けたりして、元の債権者の代わりに債務者に請求を行っているからです。

お金を貸すことを生業としている貸金業者などは、なかなかお金を返してくれない利用者に対し長く時間をかけて請求するコストを確保できません。
そこで、自力では回収できないと判断した負債について、ティーオーエム株式会社などの第三者に回収を依頼したり、借金そのものを譲渡したりするのです。

あなたが過去に以下のような会社からお金を借りたことがあるならば、その借金が巡り巡ってティーオーエム株式会社の元に渡り、現在請求を受けていると考えられます。

奨学金、アエル（旧社名日立信販、ナイス）、タイヘイ、ニッシン、プライム、クリバース、シーエスジー、ドリームユース、ニッコウファイナンス、ユニマットライフ、ユニマットレディース、Tsuiteru、CFJ（アイク、ユニマット・ディックファイナンス）、オリエント信販（ベティーローン）、播磨信販、プロマイズ、レタスカード、ネットカード、富士キャッシュサービス、センチュリー、ユニワード、ジャクソン、太平洋信販、パスキー、マルフク（旧丸福）、ファド、インベスト

こう見ると、決して北海道に本社がある企業には限らないということが分かります。
「自分は北海道に住んでいないのに、北海道の貸金業者から請求が来るなんて詐欺だ！」ということにはなりませんので、覚えておきましょう。

ティー・オー・エム株式会社から届く督促

督促状・催告書・電報の種類

ティーオーエム株式会社から届く書面のタイトルは多岐に渡ります。
例えば、以下のようなものが考えられるでしょう。

【債権を譲り受けたということを報せる書面】
債権譲渡受通知書（債権譲渡についてのご案内）
債権管理回収に係る受託通知
貸金業法24条2項に関する通知

【借金の督促・和解の提案】
御連絡のお願い
確認通知
支払通告
和解提案書（最終和解案）
特別救済通知
特別返済案
無効通告状
優遇措置終了通知
一括弁済勧告通知
電報（「あす かならず れんらく されたし」等）

【自宅訪問を予告する通知】
調査依頼通告
訪問予告通知

【法的措置に入る旨を検討している通知】
法的措置予告通知
権利行使予告通知
ご通知並びに法的請求前のご確認

タイトルはケースバイケースですが、いずれの連絡であっても無視をせず、必ず中身を確認することをお勧めします。
放置していれば、本当に自宅訪問をされて取り立てを受けたり、法的措置に移行された給料や預貯金を差し押さえられたりする可能性があります。

とはいえ、自宅訪問や裁判を避けようと思って安易にティーオーエム株式会社に連絡するのは危険です。下記で詳しく解説しますが、昔の借金ならば時効が成立する可能性があるからです。

督促の書面には「至急下記までご連絡を頂きますようよろしくお願い申し上げます」など連絡先が記されていますが、ご自身で対応せず、まずは借金問題に詳しい弁護士や司法書士に相談されることをお勧めします。

ティーオーエム株式会社からの督促書面の文面例

【貸金業法24条2項に関する通知】
（元債権者）は、貴殿に対して有していた、本通知記載の金融消費賃借契約に基づく賃金債権及び、これに付随する保証、抵当権その他一才の担保権を、ティー・オー・エム株式会社に対し譲渡致しました。
譲受人はこれを受けて債権を譲り受けましたので、ここに通知致します。
（以下、債権の内容や返済方法、期日の記載）

【無効通知書】
別紙請求債権記載の債権について、御貴殿の将来的負担の軽減を目的とした特別返済案をお送りいたしましたが、その回答期限が既に過ぎた状態にあります。（略）
至急、該当債権の解決の為、御連絡いただくか、前回送付済みの回答書の返却を催告いたします。尚、返済案において、御貴殿の希望等がある場合は、電話にてご相談願います。
又、特別救済通知記載の通り、特別返済案においては、期限付きの提案であり、速やかに御連絡又は回答書の返却が無い場合は、御貴殿に対する利息・損害金の免除並びに特別返済案を無効とし、弊社は債権者としての権利を行使いたします。

【権利行使予告通知】
現在に至るまで御貴殿より連絡無く、放置されている状態です。よって、別紙請求債権記載の現在請求金額を清算して頂くか、速やかに弊社営業時間内にご連絡下さる様、催告いたします。
清算又は連絡をいただけない場合においては、本書を以て、原契約に基づく御貴殿の期限の利益の喪失を通知するとともに、弊社は、当然に債権者として債権の保全を図ることとなります。

ティーオーエム株式会社の訪問・裁判を回避する方法

貸金業者の督促・取り立て方法は電話や郵便が主です。特にティーオーエム株式会社は、原則として郵便による連絡をしてくるでしょう。
しかし、何度取り立てをしても返済に応じない場合や、音信不通など連絡が取れない場合には、家に取り立てに来られる可能性も考えられます。

ティーオーエム株式会社は、訪問回収を「ネットコミュニケーションズ」など、ノウハウのある債権回収会社や調査（探偵）会社に依頼することも多いです。「まさか家までは来ないだろう」と安易に考えるのは危険と言えます。

そこで、電話や郵便物を無視・放置せず、以下のような対応をしましょう。

時効の援用をする

ご存知の方も多いですが、借金にも「時効」は存在します。
「定められた借金の返済期日」あるいは「債務者が最後に返済した時」から「５年」が経過すると、消滅時効となり借金を支払う義務がなくなります（2020年3月31日までに成立した借金の場合）。

ただし、実は時効期間が経過したからといって、それだけで債務を返済する義務が完全に消滅するわけではありません。

時効が成立した場合でも、債務者が「援用」という主張をしない限り、債権者は債務の存在を主張し返済を受けることができます。だからこそ、ティーオーエム株式会社は５年以上前の借金について請求をしてくるのです。

「援用」とは、債権者に対して「消滅時効が完成した」と主張することです。

債務者（お金を借りた人）としては、時効の期間が経過したと思ったら早急に弁護士・司法書士などに依頼をして、本当に時効が成立するのかどうかをしっかりと確認した上で、「消滅時効援用通知書」を内容証明郵便で作成・送付することが大切です。

援用の前に以下のような時効の中断・更新事由をしてしまうと、時効のカウントが１から数え直しになってしまう可能性があります。

• 裁判上の請求（訴訟の提起や支払督促の送付）
• 差押え、仮差押えまたは仮処分
• 債務の承認（債務者が借金の存在を認めたり、一部でも借金を返済したりする）

特に、債務の承認は債務者がうっかり行なってしまうケースが多い事項です。
ティーオーエム株式会社に債務者本人が安易に連絡すべきではないというのは、これが理由になります。

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債務整理で借金を減額・免除する

残念ながら時効が成立していないならば、借金は返済しなければなりません。
しかし、今の資力では到底支払えないという方も多いでしょう。

そこで、弁護士や司法書士に相談をして「債務整理」を行うことを検討してください。
債務整理とは、債権者との任意の交渉や裁判所を通す法的な手続きによって、借金の減額・免除・返済スケジュールの延長を認めてもらう合法的な手続き全般のことをいいます。

弁護士や司法書士に依頼をすれば、あなたにとってどの債務整理の方法を選択するのがベストなのかのアドバイスを受けられます。

さらに、債権者との交渉や裁判所での手続き（※弁護士のみ）を代行してくれるので、スムーズに債務整理を進めることが可能です。

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