借金200万円は返済に何年かかる?任意整理なら解決できる?
200万円の借金は「返済できるかも」と無理な生活や返済を続けていると、いずれ破綻して自己破産などをすることになりかね…[続きを読む]
お金、特に借金の問題は、私たちの日常生活に深く関わる要素です。
というのも、自分は借金とは無縁だと思っていても、クレジットカードによる買い物や、各種ローン(マイホーム・車・携帯電話の端末代金など)も借金の一種であり、現代社会において誰もが借金に悩む日々に陥る可能性があるのです。
借金の問題を抱えている場合、その重荷は心身に大きな負担をかけます。毎日繰り返される督促、取り立てに怯え、不安と苦悩に包まれているかもしれません。
特に、最初は生活費の足しにするだけのつもりが、気がついたら200万円もの借金を背負っていた…ということもあるようで、実際にネット検索で「借金 200万円」と検索されるケースは非常に多くなっています。
「借りたものは返さないと!」「200万円くらいならば自力で完済できるはず!」と思う方も多いと思いますが、実際に200万円の借金を完済するのは非常に困難です。
しかし、このような借金問題に一人で悩む必要はありません。債務整理の一種である「自己破産」ができれば、200万円の借金支払い義務が免除になるケースがあります。
自己破産は避けたいという場合なら、個人再生や任意整理も検討する余地があります。
この記事では、200万円の借金の有益かつ現実的な解決方法をご提案します。
目次
「世の中には何千万円もの借金を背負っている人がたくさんいるのだから、200万円くらいなら自分でもなんとかなりそう」と考えている方はいませんか?
確かに、時たまにニュースなどで聞く「1億円の負債」「1000万円の借金」というワードに慣れていると、200万円の返済は可能だと思えてしまうかもしれません。
すぐの完済は無理でも、1年、2年と頑張れば大丈夫だと楽観視したまま、ずるずると返済を先延ばしにしている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、実際に200万円の借金を1年〜5年で完済するとしたらどのような計画になるのか、借金の返済シミュレーションをしてみましょう(※以下のシミュレーションは借入額200万円、実質年利15%で計算を行なったものです)。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
1年 | 180,516円 | 166,194円 | 2,166,194円 |
2年 | 96,973円 | 327,348円 | 2,327,348円 |
3年 | 69,330円 | 495,888円 | 2,495,888円 |
4年 | 55,661円 | 671,728円 | 2,671,728円 |
5年 | 47,579円 | 854,770円 | 2,854,770円 |
このように見ると、短期間で完済を目指すと利息は少なくて済みますが、当然ながら毎月の返済額は多額になります。
12ヶ月間とはいえ、毎月約18万円を支払続けるのは不可能な方がほとんどでしょう。
反対に、毎月の返済額を減らそうとすると、完済までに支払う利息の総額が跳ね上がります。
毎月47,000円を支払って5年で完済しようと思うと、支払利息は約85万円にまでなります。
もちろん、5年以上の分割払いを想定すれば、利息の総額は更に高額になります。
200万円の借金を完済するのに利息が100万円近くなると思うと、途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。
そもそも、200万円の借金を抱えるまで生活に余裕がない方が、約5万円の支払いを5年間毎月続けることそのものが難しいと思われます。その間に病気をするかもしれませんし、勤め先の都合で収入が減る可能性もあります。家族や親戚、友人などにお祝い事や不幸などがあって急な出費が必要になることもあるでしょう。
このように、200万円の借金を自力で完済するのは、想像以上に難しいことなのです。
「任意整理」とは、自己破産と同じ債務整理の一種で、債権者との直接交渉により将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらいます(交渉は通常、債務者を代理して弁護士や司法書士が行います)。
借金の元本は、3年〜5年間の分割払いで完済を目指します。
上記の通り、任意整理をせずに通常通り(実質年利15%の)200万円の借金を3年で支払うと、月々の返済額は約69,330円です。
一方、任意整理をして利息が0になった200万円の借金を3年で支払う場合、月々の返済額は約55,555円になります。
債権者が利息のカットや返済計画のリスケジュールについて合意してくれるなら、任意整理も有効な借金問題解決策となります。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3年 | 55,555円 | 0円 | 2,000,000円 |
5年 | 33,333円 | 0円 | 2,000,000円 |
ここまでは200万円の借金の分割払い計画について解説してきましたが、それでも「毎月3〜5万円でさえ払い続けるのは難しい」というケースや、債権者の合意が得られず思ったように借金を減額できそうにないと言うケースがあるかもしれません。
特に、仕事を解雇されて無職になってしまったような場合は、長期間の継続した分割払いは現実的ではないでしょう。
そのような場合に考えられるのが、「自己破産」という債務整理方法です。
自己破産にマイナスなイメージをお持ちの方も多いとは思いますが、債務者の状況によっては大きなデメリットもなく借金を0にすることが可能です。
実は、自己破産をした人の借金額で最も割合が多いのは、2020年の日弁連の資料だと、「200〜300万円未満(14.52%)」、ついで「100〜200万円未満(13.87%)」です。つまり、200万円〜300万円の借金が実際に自己破産を考える水準になってくると考えられます。
自己破産では、裁判所に申立を行い、債務者の一定の資産を換価して債権者に配当した上で、残りの借金の支払い義務が免除されます。
債権者の利益を保護するため、マイホームなどの不動産、査定額の高い車、高価なブランド品などは処分される可能性がありますが、このような目ぼしい資産を持っていないならば特に財産の処分もなく借金が0になるのです(当面の生活に必要な現金・預金、生活必需品、仕事に必要な道具は処分されません)。
確かに、自己破産をするといくつかのデメリットが発生することがありますが、それでも借金が0になり新たなスタートを切れるメリットは絶大です。
「手持ちの財産を全部取り上げられて路頭に迷うことになる」「結婚に影響が出る」「選挙権がなくなる」などの誤解もありますが、実際のデメリットは思ったほどではないというケースもあるので、多額の借金にお悩みの方は一度自己破産を検討してみてはいかがでしょうか。
以下は、200万円の借金を分割払いしていく際の返済シミュレーションです。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
1年 | 180,516円 | 166,194円 | 2,166,194円 |
2年 | 96,973円 | 327,348円 | 2,327,348円 |
3年 | 69,330円 | 495,888円 | 2,495,888円 |
4年 | 55,661円 | 671,728円 | 2,671,728円 |
5年 | 47,579円 | 854,770円 | 2,854,770円 |
一方、「任意整理」に成功すれば、その後の返済額は以下のようになります。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3年 | 55,555円 | 0円 | 2,000,000円 |
5年 | 33,333円 | 0円 | 2,000,000円 |
このように、任意整理をすれば現実的に支払可能な金額まで減額できる可能性がありますが、それでも毎月数万円の返済は必要です。
仕事を解雇されて無職になってしまったような場合は、長期間の継続した分割払いは現実的ではないため、自己破産を検討することも視野に入れるべきです。
借金の重大度は、収入や支出は個人によって異なります。同じ200万円の借金でも、月収30万円を超える人と、月収15万円程度の人とでは、「やばいかどうか」の感覚は大きく異なってくるでしょう。
一般人にわかりやすい一つの目安として、以下のどちらかに当てはまった場合はもはや支払不能状態と言えるため、自己破産を検討することをお勧めします。
とはいえ、上記は「支払不能」の目安です。例え借金が100万円以下でも、「生活が苦しい」「滞納を続けてしまいそう」ならば、弁護士・司法書士に依頼をすることで債務整理ができるかもしれません。
本格的な支払い不能に陥ってしまう前に、専門家にご相談ください。
実は、自己破産できる条件は借金の額ではありません。
「自己破産をする人の借金の平均額はいくら?」や「自己破産の最低額はいくら?」ということは気にする必要なく、100万円でも200万円でも自己破産をすることができます。
とは言え、自己破産には最低でも30万円程度かかるため、30万円前後の借金は自己破産する意味がないでしょう(自己破産の費用が用意できるなら、自己破産せず返済できるからです)。
ちなみに、自己破産をした人の借金額で最も割合が多いのは、2020年の日弁連の資料だと、「200〜300万円未満(14.52%)」、ついで「100〜200万円未満(13.87%)」です。つまり、200万円〜300万円の借金が実際に自己破産を考える水準になってくると考えられます。
自己破産できる条件は、「借金がいくらか」ではなく、以下の2つを両方とも満たすことです。
自己破産に成功すれば、200万円の借金の支払い義務が原則として全てなくなります(税金などの公租公課を除く)。
自己破産を避けたいという場合も、任意整理や個人再生により借金を減額できるでしょう。
例え闇金などの違法業者から借りてしまった借金でも、弁護士や司法書士ならば将来的なトラブルを回避した上で根本的に解決することができます。法的に解決できない借金問題はないのです。
「がんばれば返済できるかも」と思って無理な生活や返済を続けていると、分割払いであっても弁護士費用を支払えなくなったり、家族関係に亀裂が入ったりしてしまうことも考えられます。返済に少しでも不安が生まれたら、その段階で弁護士や司法書士にご相談ください。
弁護士・司法書士は借金問題を解決するプロです。現状のまま借金の完済が可能かどうかを判断し、借金の額や内容などに応じて最も良い解決方法をアドバイスすることができます。
借金のお悩み解決は、弁護士・司法書士にお任せください。