債務整理の弁護士費用相場はいくら?払えない時の対処法
任意整理、個人再生、自己破産などの「債務整理」を弁護士や司法書士に依頼する際は費用がかかります。「任意整理は1社あた…[続きを読む]
自己破産をはじめとする債務整理を行うには専門的な知識が必要となるため、弁護士に依頼することで効率的かつ失敗なく進めることができます。
しかしながら、日本では多くの弁護士が自己破産(債務整理)を取り扱っています。自宅や勤務先の近隣の弁護士事務所をインターネットで検索してみると、ホームページや弁護士ランキング、口コミ・評価サイトが多く出てきて、「どこの弁護士が信頼できるのか分からない」「費用は抑えたいが、サービスの質も重要視したい」と迷うことがよくあります。
また、Google マップの口コミや 5ch、2ch、知恵袋などを見てみると、弁護士事務所に関するさまざまな意見が書き込まれています。星1つで酷評される一方で、同じ事務所に別の人から星5評価がついていることもあります。
自己破産を成功させるためには、「自己破産に強い」「債務整理の経験が豊富」な弁護士の選択が重要です。
そこで、この記事では、借金を免責してもらえる自己破産を依頼する際のおすすめ弁護士の選び方とポイントを解説いたします。
重要なのはネット上の情報だけで判断せず、自分の目で信頼できる依頼先を選ぶことです。
ネット上の評判や口コミ、人気ランキングに惑わされず、自分にぴったりの優れた弁護士を選ぶために、この記事を参考にして慎重な判断を行いましょう。
目次
「自己破産(債務整理)を取り扱っている」と「自己破産に強い」は別物です。
自己破産に強い弁護士を選ぶ際は、以下のような点をチェックしましょう。
自己破産などの債務整理を「取り扱っている」事務所は多いのですが、例えば、相続、離婚問題などをメインに取り扱い、自己破産については積極的に受任していない事務所もあります。
また、債務整理にも任意整理・個人再生・自己破産など様々な手続き(解決方法)があります。
個人再生や自己破産は裁判所の手続きが必要になる手段であるため、これに慣れていない弁護士だと、裁判所の手続きに時間がかかり、スムーズに解決できない可能性が考えられます。
債務整理は、各ケースに応じてあなたにぴったりの手続き方法を選ぶ必要があります。よって、「債務整理が得意」かつ「債務整理全般の経験が豊富」と謳っている事務所や、「債務整理専門」「自己破産が得意」を看板に活動している事務所を選ぶのがオススメです。
そういったところには過去の業務で培ったノウハウがあるので、多くの案件にスムーズに対応してくれる可能性が高いです。
では、「債務整理(自己破産)の経験が豊富かどうか」「自己破産が得意かどうか」はどこを見れば分かるのでしょうか。
自己破産の実績については、事務所のホームページなどで、実際の「解決実績」「解決事例」等を探してみましょう。
たまに「相談件数」「相談実績」のみを記載している事務所も存在しますが、これは相談を受けたのみで、実際に受任・解決をした数ではありません。より見るべきは「解決件数」「解決事例」となります。
自己破産に限らず、弁護士業務は「経験」が大切です。
まずは大前提として「債務整理や自己破産の解決事例が掲載されているかどうか」を基準にして弁護士を探しましょう。
特に、あなたが抱えている借金の金額や、理想の解決方法(自宅を残したい・家族に内緒したいなど)と似たケースを解決事例として載せている事務所があれば、良い判断材料になるでしょう。
事務所のホームページには、解決事例の他に「お客様の声」というものが掲載されているケースがあります。
例えば、以下のようなものです。
このような生の声は、依頼者にどのような利益をもたらしたのかがイメージしやすく、依頼先探しの良い参考になります。
では、自己破産が得意そうな弁護士を見つけたら、次はどのような点を見て依頼先を決めるべきなのでしょうか。
当然のことですが、自己破産の依頼人は「お金に困っている」人が多いです。「弁護士に支払う報酬の負担」を心配している人も少なくないでしょう。
したがって、自己破産を積極的に受任している事務所のほとんどは、借金問題に関する相談を無料で実施しています(30分〜1時間ほど)。
「無料相談」であれば、相談者としても気軽に相談を受けて、「自分の借金問題がどうなるか」の見通しを立てることができます。
もちろん、相談後に必ず依頼をしなければならないということはありません。
そこで、まずは気になる弁護士事務所の無料法律相談を複数受けた上で、以下のような弁護士の人となりや事務所全体の雰囲気・態度をチェックすると良いでしょう。
具体的には、相談時における弁護士の態度を以下の観点から観察します。
借金問題はスピーディーに対応することがとても大切です。電話やメールによる相談の申込みから相談実施までの連絡対応が遅い事務所は、安心して自己破産を任せるのに不安が残るでしょう。
実際の自己破産の事案処理は、弁護士だけでなく事務所スタッフも含めた弁護士事務所全体の能力が問われます。事務所全体のスピード感も大事に検討することがおすすめです。
弁護士事務所の中には、自己破産の案件を大量に受任しても、全てマニュアル通りに事務員に任せている事務所があるようです。
特別な都合があればともかく、弁護士が全て事務員任せで案件をこなすような事務所は信用できないでしょう。
また、初回相談の時に、弁護士が最初に挨拶だけして後は事務員任せにする事務所や、最初から事務員任せの事務所もあります。
借金の状況を事務員がヒヤリングした後に弁護士が手続きについて判断をしていると思われますが、依頼人としては最初から弁護士に相談できた方が安心でしょうから、できれば弁護士が直接対応をしてくれる事務所を選ぶことをお勧めします。
なお、「遠方の依頼人だから面談できない」は、弁護士が直接面談しない正当な理由にはならなりません。
債務整理は全国対応としている弁護士事務所も多いですが、できれば弁護士がいる事務所に直接相談へ行けるエリアを選ぶと良いかもしれません。
どのような理由であれ、相談の席に弁護士が一切現れない事務所に自己破産を依頼することは避けるべきでしょう。
弁護士は依頼人の代わりにトラブルを解決することが仕事なので、まず「依頼人の立場になって真剣に考える」ということが必須スキルとも言えます。
債務者の立場になれる弁護士は、「債務者にとって不利なこと」や「弁護士にとって不利なこと」なども伝えてくれます。
例えば、「自己破産には資格制限や資産の処分などのデメリットがありますよ」といった債務者の不利益になることや、「こうした方が弁護士費用を抑えられますよ」といった弁護士の不利益になることです。
上記のように「債務者にとって不利なこと」や「弁護士の不利になること」を積極的に教えてくれるようであれば、問題解決のために親身になってくれる良い弁護士である可能性が高いです。
「依頼人の意向に耳を傾ける姿勢」をきちんと持ちながらも、「実現不可能なこと」について「根拠を示してわかりやすく伝えてくれる」「代替案をきちんと示してくれる」弁護士事務所を選ぶことが大切です。
また、その場限りの解決案ではなく、将来の生活面にまで考慮した解決策を提示してくれる弁護士には、安心して任せられるでしょう。
弁護士も人間です。依頼者との相性が合うかどうかは大切な要素と言えます。
もし相性の合わない人に自己破産を依頼した場合、余計なストレスが溜まってしまいます。
債務整理の案件は、借金の原因、家庭の収入・支出など、ある程度プライベートなことを話す必要があります。打ち合わせの度に気の合わない弁護士と話すのは苦痛かもしれません。
最悪の場合、弁護士を変えることになり、そうなるとそれまでの時間や費用が無駄になってしまいます。
しかし、相性が合う・合わないは理屈ではないので、「なんとなく自分と合わない」という感覚で判断するしかありません。
敢えて言及すれば、相談時における弁護士の態度などを観察すると良いでしょう。
上記のようなことを感じた場合、相性が合わないおそれがあります。難しいかもしれませんが、初回相談時にしっかりと見極めましょう。
自己破産をお考えならば、弁護士費用を支払えるかどうかは大きな懸念点と言えます。
自己破産の料金は、それぞれの事務所が自由に設定することができます。安いに越したことがないのはもちろんですが、相談料、着手金、報酬金(解決報酬・減額報酬)、手数料などの項目があり、例えば「着手金が無料でも減額報酬が高い」「着手金も払う必要があるが解決報酬は手頃な価格」など、費用が複雑になりがちです。
料金体系、すなわち「○○にはいくらかかる」というのが明確な弁護士事務所であれば、ある程度安心できます。
料金体系がホームページに載っていれば、費用の総額も目処をつけやすくなり、弁護士を選ぶ目安になるでしょう。
さらにチェックするべきは、「料金体系」と「費用の総額」を早い段階で提示してくれるかどうかです。
契約を結んでから教えてもらっても遅いので、弁護士費用について不明な点・不安な点があるときには、相談段階で遠慮なく弁護士に質問してください。
弁護士費用の相場については、以下の記事で解説しています。
以下の相場を大きく超えるような高額な費用を設定している事務所への依頼は慎重にした方が良いでしょう(安すぎる場合も同様です)。
なお、多重債務者の気持ちや立場を理解してくれる弁護士は、債務者(お金を借りた側)の立場になって事案を検討し、費用面についても最大限の配慮をしてくれる可能性が高いです。
「弁護士費用の質問を受け付けない」「曖昧な説明で煙に巻かれた」と感じたときには、その事務所への依頼は見送った方が良いことが少なくありません。
また、費用の一括払いが難しい方は、「分割払い可能」な事務所を選ぶことも重要でしょう。
診断後は何度でも相談無料
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自己破産に強い弁護士に手続きを依頼すると、以下のようなメリットがあります。
裁判所を通す自己破産は、必要書類が多岐に渡ります。弁護士に依頼をすれば、自己破産の申立てに関する書類の収集や作成を任せることができるので、手間や時間を大きく省略できます。
また、書類の不備で申立てがやり直しになる・手続きに失敗するというリスクもなくなります。
さらに、自己破産における裁判上の手続きでは、債務者本人が参加すべき席があります。
このようなケースでも、弁護士が同席できますので、安心して参加できるといえるでしょう(司法書士の場合、代理人としての同席はできず、事前のアドバイスをしてもらうに留まります)。
弁護士や司法書士は、債務者から債権者の情報を得た後、債権者全員に対して受任通知を送ります。
受任通知が送付されると、債権者(消費者金融、銀行、クレジットカード会社など)は債務者に直接取り立てることはできなくなります。
東京地方裁判所などの一部の裁判所では、「即時面接」という、自己破産の申立てを行った当日に弁護士が裁判官と面接を行うことができる制度を採用しています。
「即時面接」が行われ、債務者が支払い不能にあるとその場で裁判官が判断した場合には、早ければ当日にも破産手続き開始決定を出してもらえることがあります。
通常では、申立てから破産手続き開始決定が出るまでには1~2か月かかるところ、弁護士が「即時面接」を行うことで、その期間を短縮でき手続きを早く進めることができます。
「少額管財事件」とは、自己破産手続き中の「管財事件」のうち、破産管財人の調査等が比較的短期間で済み、管財人への報酬金も低額となるものについて行われる手続きです。
少額管財事件は、弁護士が代理人となって破産申立てをする場合に利用できることが多いです。
そのため、弁護士に依頼して弁護士費用が発生することになったとしても、通常の管財事件として50万円以上の予納金を納めるよりも、少額管財事件として20万円程度の予納金を納めて弁護士のサポートを受けた方が、メリットがあるといえるでしょう。
自己破産には少額管財事件のほかに同時廃止事件があります。
両者の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
依頼先の弁護士に悩んだ際、口コミや人気ランキングの評判を参考にしたいと思う方は多いと思いますが、大事なのはネット上の情報だけで判断せず、自分の目で依頼先を決定することです。
じは、個別のケースに応じてあなたにぴったりの手続き方法を選ぶ必要があります。よって、「自己破産が得意」「債務整理全般の経験が豊富」と謳っている事務所や、「債務整理専門」を看板に活動している事務所を選ぶのがオススメです。
自己破産の実績については、事務所のホームページなどで、実際の「解決実績」「解決事例」等を探してみましょう。
さらに、事務所のホームページには、解決事例の他に「お客様の声」というものが掲載されているケースがあります。
このような生の声は、依頼者にどのような利益をもたらしたのかがイメージしやすく、依頼先探しの良い参考になります。
お金に困って自己破産をする以上、弁護士費用が気になるのは当然です。
弁護士費用は安ければ安いほどありがたいものですが、だからと言ってとにかく安いところを選べば良いというわけではありません。
弁護士費用については、以下の3点に注目すると良いでしょう。
自己破産の弁護士費用は、それぞれの事務所が自由に設定することができます。そのため、それぞれの事務所の事情が隠されていることが多く、金額の高低で正しく判断できない場合が多いのです。
例えば以下のように、弁護士費用が安い理由・高い理由には、ネガティブな要素もポジティブな要素も含まれています。
それぞれの事務所のウェブサイトにある情報だけで、「なぜ安いのか」「なぜ高いのか」を判断することは、一般の方には難しいといえるでしょう。
また、最初は安い金額を提示して、後から「この案件は難易度が高かった」などと言って追加料金を請求する弁護士がいないとも限りません。
そこで注目すべきは「料金体系」です。「これにはいくらかかる」というのが明確な弁護士事務所であれば、ある程度安心できます。
また、料金体系がわかれば費用の総額もわかりやすくなり、弁護士を選ぶ目安になります。
問題は、「料金体系」と「費用の総額」を早い段階で提示してくれるかどうかです。契約を結んでから教えてもらっても手遅れになることがあります。
また、費用の一括払いが難しい方は、「分割払い可能」な事務所を選ぶことも重要でしょう。
「弁護士費用の話は質問しづらい」と思っている依頼人の方は少なくありません。
しかし、弁護士には、「依頼人が弁護士費用について誤解をもたないように努める義務」があります。
弁護士費用の支払いについて、不明な点、不安な点があるときには、遠慮なく質問・相談してください。「不安な点をそのままにしておかない」ことは、依頼人と弁護士との間で信頼関係を築く上でもとても大切です。
「弁護士費用の質問を受け付けない」、「わかりづらい説明で煙に巻かれた」と感じたときには、その事務所への依頼は見送った方が良いことが少なくありません。
費用の支払いについて納得できないときには、依頼人と弁護士との間でトラブルが生じる可能性も高いからです。
自己破産を依頼する弁護士事務所選びは慎重に行う必要があります。
自己破産などの債務整理手続きは、依頼人のこれからの人生を大きく左右するものだからです。
「弁護士のことはよくわからない」「弁護士選びは面倒」と考えている人も少なくないようですが、「自己破産はどの弁護士に依頼しても同じ結果」になるものではありません。
「安心できる」「信頼できる」弁護士が選ぶためにも、この記事で紹介したポイントを参考にしながら、複数の弁護士事務所で相談を受けてから依頼先を決めることをお勧めします。
最後に、あなたが弁護士に相談するときにも注意点があります。
それは、相談内容について嘘をつかないと言うことです。
嘘をついても、手続き上その嘘の大体はバレてしまいます。そうなると、あなたが信用した弁護士が、あなたを信用してくれなくなってしまう可能性があります。
弁護士も人間なので、依頼人が嘘をつくと心証を悪くしますし、嘘によって増える仕事の手間もあります。
信用できる弁護士を見つけるためには、自分自身も信用に足る顧客であるようにしなければならないのです。
この記事を参考にすることで、皆さんが自分にピッタリの弁護士に出会えるよう心からお祈りいたします。