ソーシャルゲーム(ソシャゲ)で借金・自己破産。実態と対策

ソーシャルネットワークゲーム(以下ソシャゲ)は、今や学生からお年寄りまで、様々な方が楽しんでいます。
電車の中などはもちろん、自宅でお婆さんと一緒にソシャゲすることを題材とした漫画がTwitterで話題になるなど、その普及はとどまることを知りません。

一方で、2017年には、20代の男性巡査がソシャゲで約30万円を使ったことを親に知られたため、怒られるのを嫌がり失踪したというニュースもありました。
掲示板では、「ソシャゲで1000万円課金して破産をした」というスレッドも見受けられます。

この記事では、ソシャゲに関する問題点や、ソシャゲでお金を使い過ぎた場合の打開策について解説します。

1.ソシャゲと課金

1-1.そもそもソシャゲとは?

SNS上で提供されるゲームは総称して「ソーシャルネットワークゲーム」、略して「ソシャゲ」と呼ばれています。
人気漫画もソシャゲ化されるなど、話題に事欠きません。

ソシャゲの内容としては、フレンド同士で協力してストーリーを進めたり、プレイヤー間でランキングを競ったりするものが多いのですが、中にはキャラクターやゲーム内の自分の部屋を飾って他のユーザーに見せて楽しむだけのものもあり、その目的や楽しみ方は多岐にわたります。

ソシャゲは基本的に無料で遊ぶことができますが、お金を払うとゲーム内で有利になるアイテム・お洒落なアイテムを手に入れることができたり、限定のストーリーを読むことができたり、より長い時間遊んだりすることができます。
この時にユーザーが支払うお金で、ソシャゲは運営されています。

ユーザーが実際にお金を払う行為を、ソシャゲの世界では「課金」と呼びます。
そして、この「課金」が原因で、ユーザーは時に破産に至ることもあるのです。

1-2.ソシャゲの随所にある課金の誘い

先述の通り、ソシャゲの多くは基本的に無料で遊べます。ネットワークに繋いで遊ぶゲームなので通信費は発生しますが、それ以外の部分を楽しむには無料です。

しかし、ソシャゲにはジャンルを問わず、多かれ少なかれ課金の要素があります。
「パズドラ」「ツムツム」などに代表されるパズルゲーム、「グランブルーファンタジー」「FGO」「原神」などに代表されるRPG、「アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージ」「バンドリ!」などに代表される音楽ゲーム、そして「アズールレーン」「エバーテイル」などに代表される育成ゲームにも、ユーザーを「課金」に導く要素が随所に取り入れられているのです。

プレイヤーがゲーム内でなんらかの行動を起こす際と消費する「行動ポイント」の回復や、より有利にゲームを進めるための有料アイテム排出(ガチャ)、順位によってゲーム内で使える新しいキャラクターやアイテムが手に入る「期間限定イベント」の存在などが、その課金要素の代表です。

また、ゲームによっては、何らかの有料アイテムをゲットしなければ特定のストーリーを見られないものまであります。そういったゲームにハマってしまうと、基本無料とは言え思わぬ出費がついて回ります。

そうでなければ運営側が儲からないので仕方のない部分もありますし、少しの課金でしたら問題がないことが多いですが、一度に大金を使ってしまう人もいるのが現状です。

収入よりも出費が増えると、消費者金融から借金をする人が出てきます。この借金が原因で、破産に至る事例が増えているのです。

1-3.最大の問題は「課金ガチャ」

ソシャゲで多くの人がお金を使う仕様に、「ガチャ」があります。

ゲームによって「ガシャ」や「スカウト」などの名称がありますが、要するに昔ながらの「ガチャガチャ(ガチャポン・カプセルトイ)」を想像してください。スーパーやおもちゃ屋さんに置いてある、コインを入れてハンドルを回すとランダムでカプセルに入った玩具がでてくるあのガチャガチャです。

ソシャゲの中には、このような「ガチャガチャ」が実装されており、無料で回せるものやお金を払わないと回せないものがあります。
そして、有料のガチャの方が強いキャラクターやアイテムが排出される可能性が高く設定されています。有料のガチャを特に「課金ガチャ」と言います。

課金ガチャの問題は、欲しいキャラクターやアイテムが確実に出るとは限らないことです(ガチャを回したのに手に入らない場合「爆死」といいます)。
人気のあるキャラクターやアイテムの排出率は3%以下、ゲームによっては1%を下回る低確率が設定されており、手に入れるには何度も課金ガチャを回さなければなりません。

回したところで手に入るとは限らないのですが、とにかく手に入るまで回し続ける人もいます。その結果、場合によっては10万円単位〜100万円単位のお金を注ぎ込む人が出てくるのです。

家庭用のゲームであれば、ソフトを一本買えば基本的には追加料金無しで最後まで遊ぶことができます。しかしソシャゲには課金ガチャという仕組みがあるので、無制限にお金を費やしてしまいます

課金ガチャには、他にも以下のような問題がありました。

確率詐欺

ガチャでは、どの種類のキャラクターやアイテムがどの程度の確率・割合で出現するのかが、どこかに明示してあります。
(かつては確率が表示されておらず、本当に出現するのかどうかを疑う人が多かったため、業界全体の取り組みとして明示されるようになりました。)

しかし、あるゲームにおいて、ある種類の品物が1%の確率で獲得できると表示されていても、実際にはそれ以下の確率でしか出現しないように設定されていたという問題が発覚しました。表示された確率を信じて繰り返し課金しても期待値を大幅に下回る確率でしか出現しないことから、一部のユーザーがネット上で騒ぎ、発覚して炎上しました。

これは俗に「確率詐欺」と呼ばれます。高い確率で当たるとユーザーに誤認させておき、不当に課金を促す行為です。

優良誤認騒動

ソシャゲの中には、声優などを出演させて動画でゲームを紹介するものがあります。中には動画内でガチャを引くものもあり、しばしば低確率のキャラクターやアイテムを実際に引き当てています。
それを見たユーザーの中には「低確率であっても意外と出現する」と錯覚してしまう人もいました。

しかし、動画内で使うゲームのみ、出現確率を意図的に調整して珍しいアイテムなどが出やすくなっていたという事件が発覚しました。ユーザーは不正に操作されたゲームを見せられて「低確率でも意外と出現する」と錯覚させられていたのです。

中にはその思い込みを信じ、課金ガチャを何度も行った人までいました。この騒動はネット上で取り上げられ、「優良誤認だ」などとして炎上しました。

コンプガチャ

過去に問題となった事件に「コンプガチャ」というものがありました。これは、あるキャラクターやアイテムを揃えるとより効果的な別のアイテム等が手に入ったり、ストーリーが解放されたりする仕組みです。
複数のものを集めてコンプリートしなければいけないので、コンプガチャという名前です。

定められた種類や数のキャラクターやアイテムを全て収集しなければいけないため、多くの人がたくさんのお金を注ぎ込んで課金ガチャを回したことが問題視されました。

悪徳な業者が関わったゲームでは、あと1個でコンプリートできる場合に、最後の1個の排出率を意図的に下げて出にくくしたものまでありました。そうなるとなかなかコンプリートできないため、多くのプレイヤーがただただお金を浪費するために留まりました。

現在は規制が進み、コンプガチャは廃止されています。

【メーカー側の対策】
このような問題に対して、メーカーサイドも遅まきながら対策を講じ始めています。
CESAは昨年、課金を続けるかの判断材料となるレアアイテム一つずつの出現確率を表示するよう加盟社に求めたところ、カプコン、グリー、コーエーテクモ、コナミ、スクウェア・エニックス、セガゲームス、DeNA、ボルテージが賛同しています。
一方、「パズル&ドラゴンズ」を運営するガンホーと「モンスターストライク」を運営するミクシィは、当初、確率表示の公表はしないとしていましたが、両ゲームとも「ガチャ」の個別アイテムごとの当選確率の表示を2月18日から始めました。
これは、「App Store」によって、ゲーム配信を行っている米アップル社が、開発者向けの規約を改定したことによるものですが、未成年がソシャゲに多額のお金を投じることは、欧米でも問題となっているのです。
今のところ、自主的措置なので、各社情報開示のボリュームには差があり、今後このような情報公開とその透明化が進むかどうかについては、注視が必要でしょう。

2. ソシャゲ課金による借金の解決策

課金ガチャには一定の「射幸性」があります。いわゆる、パチンコなどのギャンブルにハマってしまう心理と同じなのです。
中にはクレジットカードの限度額いっぱいまでお金を浪費してしまう人もいますし、生活費を使い込んで消費者金融からお金を借りてしまう人もいるでしょう。

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時たまに、運営会社に対して返金を求めたいと考える方もいるようですが、ソシャゲで遊んだお金を運営会社から取り返すことはできません。

では、ソシャゲ課金が原因で借金が嵩み、お金に困るようになったらどうすれば良いか、以下に対応策を列挙します。

2-1.債務整理をする

すぐにソシャゲを控えて借金を返済できるようなら良いですが、現実問題、ソシャゲにハマってしまっている方はなかなか上手くいきません。
ソシャゲで借金ができ、返済が難しい場合は、弁護士に相談して債務整理を行うといいでしょう。法的な手続きを行うことで、借金を減額できます。

債務整理には、大きく分けて「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3つがあります。

自己破産

ソシャゲが原因で借金を作り、それが今後もとても返済できないほどの額になったら、自己破産を考える必要も出てきます。

なお、ソシャゲによる借金で自己破産をする場合には、以下の注意点があります。

浪費による借金は免責が認められない可能性

自己破産は借金の「清算」と「免責」を行う手続きです。免責=借金を0にすることであり、これが認められなければ借金は残ります。
免責が認められない理由のことを「免責不許可事由」と言いますが、その代表的なものが「浪費」です。

浪費には、競馬・競輪・競艇などの公営ギャンブルや、射幸性があり事実上ギャンブルと変わらないパチンコやパチスロ、ソシャゲ課金などの遊戯が含まれます。
また、収入と釣り合わない不必要なショッピングや旅行なども浪費とみなされます。

浪費を目的として作った借金をゼロにしてしまうと、「後先考えずにお金を使いまくって返せなくなったら自己破産すればいい」と考え人が現れるため、原則として免責が認められないのです。

ここまで聞いて、「では、ソシャゲで作った借金では自己破産ができない」と落胆する方もいらっしゃるかもしれませんが、現実は違います。
確かに、「浪費や射幸行為は免責不許可事由」にはなっています。しかし、免責されるか否かは個々の事情の総合判断であり、しっかりと反省をして課金から足を洗えば、裁判所の裁量で免責をされる可能性もあるのです(裁量免責)。

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自己破産を考えている場合は、免責が認められる可能性を上げるためにも弁護士・司法書士に相談しましょう。

任意整理・個人再生

上記の通り、自己破産を希望しても、ソシャゲが原因の場合は免責不許可事由となります。

そこで、債務整理のうち「任意整理」と「個人再生」を検討することもできます。
これらは借金の原因に関わらず行うことができます。

任意整理や個人再生では、借金をゼロにすることはできませんが、現実的に返済可能なレベルまで借金を減額することが可能です。

特に個人再生は、マイホームなどの住宅を残したまま、借金の大幅な減額をすることができる制度です。

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自己破産しか手段がないのか、任意整理や個人再生で何とかならないのかを確認してもらうためにも、あなたにピッタリな債務整理方法については弁護士・司法書士にアドバイスをもらいましょう。

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2-2.未成年者が親のカードで借金を作ってしまった場合

国民生活センターによると、オンラインゲームによる相談件数は2021年で4,740件です。
コロナ禍で自宅待機が続いた2020年には、その数は7,149件にのぼりました。

また、同サイトには、最近の事例として、「小学生の息子が、登録していたクレジットカード番号を利用し、タブレット端末からオンラインゲームに高額課金していた」「中学生の息子が勝手に現金を持ち出し、コンビニでプリペイド型電子マネーのギフトカードを購入して、タブレット端末でオンラインゲームに課金していた」というものが取り上げられています。*1

しかし、民法上、未成年者が行った契約は取り消すことができます。
ソシャゲでお金を使うことは「売買契約」に相当するので、親権者または未成年者自身が行った契約を取り消し、運営側に返金を求める事ができることがあります。

親権や未成年者の取り消しは非常に強力な権利なので、運営側は断ることができません。

*1 独立行政法人国民生活センターHP

民法上、未成年者による取消ができない場合

しかし、例外として、以下のような場合は契約の取り消しができません。

  1. 親権者が、未成年者が売買契約をすることに同意または追認している場合
  2. 未成年者のお小遣いの範囲内の浪費である場合
  3. 未成年者が、成年者であると嘘をついている場合

1.についてはわかりやすいでしょう。すなわち、親の同意があればソシャゲの課金は有効です。
2.については、一般的なお小遣いやお年玉の範囲内(5万円ほどまでと考えられます)であれば返金がされないケースが多いようです。
3.は少しややこしいですが、例えばゲームに実年齢を登録する時に、未成年者が「20歳以上」などと嘘をついてしまっていると、返金を受ける権利を失います。あるいは、「親権者の同意を得た」と嘘をついて使った分のお金も返金されなくなります。

【子供も使えるプリペイド】
なお、親権者は「子供にはクレジットカードを持たせていないから安心」と思ってはいけません。コンビニなどで、アップルカード(iTunesカード)やグーグルプレイカードなどのプリペイド方式のサービスを利用すれば、年齢に関わらずお金を使えてしまいます。

未成年者の浪費を防ぐために、未成年者であると登録した人については課金の上限額を設定しているゲームもあります。しかし、全てのゲームがそういった配慮をしているわけではないので、油断しないようにしてください。

3.ソシャゲ課金が原因の借金も自己破産できる

ソシャゲはゲームであり、確かに楽しい文化です。しかし、どんなに良いキャラクターやアイテムを手に入れても、もしサービス終了すれば二度と使うことはできません。
それにお金を使うべきかどうか、どのくらい使っても良いのかは、各々がしっかりと考える必要があります。

どうしてもソシャゲにお金を使いたい場合は、限度額を決めておきましょう。また、お金を使っている感覚の無くなってしまうクレジットカードではなく「iTunesカード」などを利用することをおすすめします。

クレジットカードなどを利用して際限なく「課金」を続けてしまうと、思わぬ借金を背負う事態になりかねません。

万が一、課金による借金を整理するため債務整理を検討している場合は、お早めに弁護士や司法書士に相談して打開策を見つけるようにしましょう。

この他、ギャンブルによる借金にお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、行政書士資格者、FP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、今までに、債務整理に関する記事を1,000以上作成、監修。
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