ギャンブル依存症で借金地獄|返済できない場合は債務整理を
ギャンブル依存症が原因で作ってしまった借金を解決する方法である「債務整理」には3種類あり、いずれの手続きであっても根…[続きを読む]
「ギャンブル」と言えば、多くの人がパチンコやパチスロを思い浮かべるかもしれません。
しかし、日本では競馬、競輪、競艇、オートレースなどの公営ギャンブルも多く行われており、これらによって借金を抱える人々の借金問題が絶えません。
特に、最近は競馬が流行っています。
馬券の購入を繰り返し、結果的に大量の借金を抱えてしまって返済できないと悩む人は少なくないのです。
この記事では、競馬による借金で私生活にまで支障が生じてしまった方に向けて、借金問題を根本的に解決するための方法を詳しく説明します。
「競馬をやめられない」「競馬による借金から抜け出したい」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
競馬は競馬場に行かずとも馬券を買うことができ、「仕事の合間にできる」などとブログで綴られるケースもある他、購入にはクレジットカードの利用が可能ということもありお金を賭けるハードルが低いのが特徴です。
最近では女性も競馬をするケースが多く、「競馬」は非常にポピュラーとなったギャンブルと言えるでしょう。
競馬などの賭け事をする場合は、自分自身で予算を設定し、それを守ることが大切です。身の丈に合わない賭け事を行い続けると、以下のようなリスク・デメリットが生じます。
最終的には給与のほとんどを競馬に注ぎ込んでしまい、借金まみれとなり大きな損失に苦しむ事態になりかねません。
競馬はギャンブルの一種であり、特に競走馬(馬自体)に対する熱狂的なファンにとっては非常に魅力的なものです。
しかし、競馬はその射幸性から依存症になるリスクがあり、借金をしてまで競馬をしてしまうならば既に依存が深刻化していると言えます。
ギャンブルでお金を使うことでストレス発散をしたり、心理的な満足を得たりしているような「ギャンブル依存」は借金依存症の一種です。
単なる「ギャンブル好き」と違って、依存症ではその行為にのめり込んでしまい日常生活に支障を来します。
例えば、ギャンブル依存症の中でも競馬依存症ならば、競馬場の看板を見たり、馬の走る音を耳にしたりしても、それがスイッチとなって競馬をしたくてたまらなくなることがあるようです。
なお、ギャンブル依存症は、1970年代に「病的賭博」という名前で、WHOから病気として認定されています。
競馬では「必ず勝てる」という保証はありません。不確定な要素が多く含まれており、通常勝ち続けることは難しいと言えます。
しかし、ギャンブル依存症になると、大負けしてもそれを取り戻そうとして再び借金をする、ということを繰り返し、負債が雪だるま式に増えていくリスクがあります。
また、借金をした競馬で大損を出し、返済ができなくなったまま放置をしていれば、金融情報に関する信用が損なわれることになります。「この人は借金をしたまま長期で返済していない」という情報が貸金業者や金融機関から信用情報機関に渡ると、それ以降はあらゆる審査に通らなくなってしまうでしょう(=ブラックリスト入り)。
競馬をするために借入をすると、返済の際には利息をつけて返す必要があります。また、返済期日が過ぎれば遅延損害金も嵩むでしょう。
「競馬で勝って返せば良い!」と思っても、結果として借金を返済するための資金まですり減らしてしまう可能性が高く、結果的に「借金のために借金をする」という事態になりかねません。
また、返済が滞れば債権者は当然ながら返済の督促・取り立てを行います。
この督促・取り立ては電話や郵便で繰り返し行われますので、精神的なプレッシャーも大きなものになるでしょう。
ギャンブルなどによる借金地獄を根本的に解決する方法としては、「債務整理」が挙げられます。
債務整理は、借金を整理し債務の負担を軽減する手続きのことで、日本において合法的に認められています。債権者と直接減額交渉をする方法もあれば、裁判所に申し立てをして借金を減免する方法もあります。
とはいえ、競馬はギャンブルの一種で、ここまで借金まみれになったのは自業自得だと思う方も多いでしょう。
競馬をはじめとしたギャンブルが原因の借金も債務整理できるの?と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、心配はいりません。パチンコ・パチスロをはじめ、競馬・競輪・競艇・オートレース、株式投資・FX・先物取引で作った借金のいずれも、債務整理で減額・免除をしてもらうことができます。
ただし、債務整理には次の3つの種類があり、方法によっては手続きの際に注意しなければならない点もありますので、以下でご説明します。
任意整理は、裁判所を通さず、債務者が債権者と個別に交渉をして行う債務整理です。
原則としては、将来発生する利息を一部カットした上で、3年~5年ほどかけて毎月少しずつ返済する和解契約を結びます。
下記の個人再生・自己破産は、裁判所を通すことで全ての借金を減免するのに対し、任意整理では整理する借金の対象を自由に選ぶことができます(ただし、実際に整理に応じてくれるかどうかは債権者次第です)。
競馬による借金を整理する場合、任意整理ならば(債権者が反対しない限り)問題なく手続きできるでしょう。
借金の理由を問われることもないので、弁護士に交渉を依頼することで借金の負担を軽減できるケースが多いです。
ただし、債権者の方針によっては、いかなる減額交渉も取り合っていないとして門前払いを受ける可能性はあります。
また、任意整理では元本のカットはできないため、借金の大幅な減額はできません。
この場合、以下の2つの手続きのうちから手続きを選択することになります。
個人再生は、裁判所の認可を得て借金を大幅に減額してもらった後、残った負債を原則3年かけて毎月少しずつ返済していく手続きです。
裁判所を通して債権者全員に連絡がいくため、債権者が債務整理に対して取り合わないということはできません(必ず、賛成・黙認・反対の意思表示をすることになります)。
個人再生でも、借金の理由は問われません。よって、競馬による借金でも手続き可能です。
ただ、借金総額が100万円未満の場合は減額されないので、低額な借金の解決には向いていません。
また、借金額が5,000万円を超える人は個人再生を利用できませんので、この場合は自己破産を検討することになるでしょう。
さらに、必要書類や面談も多いため、手間と時間がかかります。
現実的な返済計画を裁判所に認められることが必要となってくるので、安定した収入が将来にわたってあることも条件です。
なお、個人再生では住宅ローン付きのマイホームを手元に残したまま、他の借金を大幅に減額することが可能です。
同居家族がいてマイホームを守りたいという場合には、多くのケースで個人再生が選択されています。
自己破産が裁判所に認められれば、借金が全額免除されます。
その代わり、不動産や高価な車などの債務者が持つ高額な資産は処分され、債権者に配当されます(生活必需品や当面の生活に必要な財産は手元に残せます)。
自己破産では、税金などの公租公課・健康保険料等の返済義務は残りますが、裁判所の許可を得ることで競馬などによる借金も免除の対象となります。
しかし、債務者に「免責不許可事由」があると自己破産に失敗してしまうおそれがあります。
「免責不許可」とは、すなわち借金を0にする許可が下りないということです(免責=借金を0にすること)。
免責不許可事由は破産法252条1項の第1~11号で定められています。
そしてその中には、「ギャンブル・浪費などが借金の理由である場合」という事項があります。
すなわち破産法では、競馬・パチンコ・パチスロなどのギャンブルなどで作った借金や、 株式投資やFX・先物取引などが原因の借金、収入に見合わない高額な買い物や旅行など浪費による借金は、免責を許可しないとしているのです。
このような免責不許可事由の規定があるのは自己破産だけです。どうしても免責許可を得られないようなケースでは、個人再生など別の債務整理を検討することになるでしょう。
しかし、免責不許可事由に該当しても、すぐに免責不許可となるわけではありません。
破産法には「裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる」という条文があるのです。
これについて、次の段落で詳しく説明します。
裁判所が免責不許可事由のある債務者の免責を認めることを「裁量免責」と言います。言葉の通り、裁判所が自身の裁量により免責を認めるのです。
日本では、競馬などが原因の借金であっても、この裁量免責によりほとんどの案件で免責が認められています。
とはいえ、何もしないでいれば勝手に裁量免責をしてくれるというわけでは当然ありません。
「この債務者は十分反省をしているし、更生も望めそうだ」と裁判所に判断をしてもらう必要があります。
そのために重要なのが「反省文」です。「自己破産に至った経緯」「家計の状況」「今後の生活をどう改善するか」を書き、今後は借金に頼らず自立して働いて更生する意思を前面に押し出し、借金地獄の生活を反省している態度を示しましょう。
また、裁判所の手続きに積極的に協力したり、必要書類などを素早く提出したりして、心象を良くすることも大事です。
なお、免責不許可事由がある場合、自己破産は「管財事件」となります。
管財事件では、裁判所から「破産管財人」が選任され、事件の状況をチェックした上で債務者を免責させて良いかどうか裁判所に意見を述べます。
破産管財人が選任されると、高額な費用がかかることに注意が必要です。
これについては、弁護士に依頼をすることで費用をある程度抑えることができるケースもあります。
自己破産をするとなっても競馬を続けていれば「反省をしていない」と受け止められ、裁判所が免責許可を出すはずがありません。
よって、裁量免責を受けるためには競馬をやめる必要があります。
また、仮に自己破産前後では競馬をやめることができても、破産の後に再びギャンブルを再開してしまっては意味がありません。
二度目の債務整理は、往々にしてハードルが高くなります。
競馬をはじめとしたギャンブルをやめるためには自分の状況を正確に把握し、また、競馬依存症ならばそれを克服するために活動する必要があるでしょう。
特に依存症となってしまっている場合、これを自力で克服するのは簡単ではありません。継続的な努力と意志、そして周囲のサポートが必要です。
家族の協力も得ながら、競馬の借金問題からの解放を目指しましょう。
競馬による借金地獄を根本的に解決する方法としては、「債務整理」が挙げられます。
債務整理は借金を整理し、債務の負担を軽減する手続きのことで、日本において合法的に認められています。債権者と直接減額交渉をする方法もあれば、裁判所に申し立てをして借金を減免する方法もあります。
パチンコ・パチスロをはじめ、競馬・競輪・競艇・オートレース、株式投資やFX、先物取引で作った取引のいずれも、債務整理で減額・免除をしてもらうことができます。
しかし、借金を原則全額免除する「自己破産」では、競馬による借金が免責不許可事由となり、何もしないでいると手続きに失敗してしまいます。
裁判所は、免責不許可事由のある債務者の免責についても、裁量により認めてくれるケースがあります(裁量免責)。
このためには、裁判所に「この債務者は十分反省をしているし、更生も望めそうだ」と裁判所に判断をしてもらう必要がありますので、弁護士にどうするべきかを相談することをお勧めします。
ギャンブルに依存して借金を増やしてしまう原因として、「ギャンブルの負けは勝って取り戻せばいい」と考えてしまう心理が挙げられます。
実際、借金の額が少ない段階ならば、次の「当たり」で巻き返すことができるかもしれません。
しかし、ギャンブルにのめり込むと負の連鎖を断ち切れず、一度勝った時の気持ちを忘れられずに繰り返し借金をしてしまいます。
「借金はいくらからやばいのか?」と金額は気にせず、「借金により生活が苦しい」「借金を借金で返すようになってしまった」「給料の多くを借金返済に回しており、生活費を借り入れている」という状況になったら、一日でも早く弁護士へご相談ください。
なお、自己破産をした人の借金額で最も割合が多いのは、2020年の日弁連の資料だと、「200〜300万円未満(14.52%)」、ついで「100〜200万円未満(13.87%)」です。
つまり、ギャンブルに限らず、200万円~300万円の借金が世間では自己破産を考える水準になっていると考えられます。
任意整理では、債権者との交渉を不利にまとめず、現実的に借金を減額する必要があります。
さらに言えば、そもそも弁護士や司法書士などの専門家相手ではないと交渉の席にすらついてくれない債権者が多いです。
個人再生は手続きが非常に複雑なため、必要書類の準備や裁判所の手続きを弁護士や司法書士にサポートしてもらうことが必須です。裁判所によっては、弁護士への依頼を申し立ての条件としているところもあるほどです。
自己破産では、競馬の借金は免責不許可事由となります。裁量免責を得るためにも、そして管財事件の費用を抑えるためにも、弁護士・司法書士の助けが必要です。
以上より、競馬の借金は弁護士・司法書士へ相談・依頼するようにしましょう。
そもそも、法的知識のない一般人が、どの方法で債務整理を行うのがベストかを判断するのは非常に難しいです。
弁護士・司法書士に相談すれば、個別の事案に応じて最良の方法をアドバイスしてくれます。どうぞお気軽にご相談ください。