借金を放置し続けたらどうなる?裁判所からの連絡は無視せず弁護士へ相談
一度借金を滞納し、ずるずると返済を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。借金の放置・裁判所の無視のリスクは大きい…[続きを読む]
主婦(主夫・専業主婦)の方が夫などの家族に内緒で借金をしてしまう事例は意外と多いです。生活費や育児・養育費の不足を補うためという理由はもちろん、ギャンブル・買い物、美容関連の出費を抑えられなかったりするケースも見られます。
主婦の方は、自力で稼ぐにしてもパート・アルバイトという少額の収入でやりくりをしなければならないため、膨らんだ借金を自力で返済するのが困難になってしまうケースが多く見受けられます。
「現状のままでは完済が難しいが、なんとか家族に内緒で借金を解決したい」というケースでは、弁護士・司法書士などの専門家に相談してみてください。
この記事では、借金問題に悩んでいる主婦(主夫)の方に向けて、自力返済できない借金の解決方法を考えていきます。
目次
銀行カードローンなどの場合、限度額はありますが専業主婦の方でも家族の収入を基にして平均30万円程度の少額の借入をすることは可能です。
しかし、最初は生活費の足しにしようとした数万円の借入でも、利息や遅延損害金が原因となり少しずつ負債が膨らみ、最終的には数十万円の借金を背負ってしまうケースがあります。
なんとかして返済したいと考えても、夫に内緒の借金の場合、主婦の方単独の収入では完済が難しいことも多いでしょう。
返済できないからといって放置していると、督促・取り立てにより以下のようなリスクが発生しますので、一日でも早く対処法を考える必要があります。
借金の返済を毎月行うとなると、支出の一部が借金返済に回されることになり、家計を圧迫します。
借金を返済する分生活費を削ることになりますので、生活費の足しにするために借金をしていたならば本末転倒でしょう。
結果として、食費や水道光熱費を削るために生活の質が落ち、子どもを含めた家族に大きな影響を与えてしまいます。
なお、借金の返済をするために借金を重ねる自転車操業状態になっているのならば、それは非常に危険な段階です。
自転車操業では借金問題を解決することは不可能ですので、別の解決策を模索する必要があります。
借金を滞納すると、電話や郵便で返済の督促・取り立てが行われます。
家族に内緒で借金をしている場合は、郵便受けに督促状が入ることで家族に借金がバレてしまう可能性があります。また、日々電話がかかってくるとなると大きな心理的ストレスにもなるでしょう。
このような督促・取り立ては日時が経過するにつれて激しいものになり、最終的には裁判所からの郵便が届くケースもあります。
上記の督促状などが原因で内緒の借金がバレると、問い詰められることは避けられないでしょう。
実は、配偶者が借金をしたという事実だけでは離婚することはできません。
しかし、協議や調停などで夫婦の双方が合意をすれば、借金も離婚の理由としては認められます。また、借金が婚姻を継続しがたい重大な事由にあたれば、裁判でも離婚は認められるとされています。
例えば、「借金を返済できる見込みがないにも関わらず無計画に借り入れを重ねたことにより家計が破綻し、夫婦関係が修復不可能なほどまで壊れてしまった」「経済的余裕がないにも関わらずギャンブルを続け、それによって家族全員が困窮している」などの理由があれば、借金が原因で離婚することになってしまう可能性があります。
借金自体は悪ではありませんが、返せないと分かったまま借金生活を続けてはいけません。
とはいえ、ない袖は振れないというのが実際のところでしょう。
収入が少ない、あるいは全くない主婦の方が借金の解決を目指すならば、以下のことを実践してみてください。
まず、郵便やHP上などから取引履歴を確認し、「どこから」「いくら」借りているのかを整理しましょう。
その上で、ご自身や家計の収入・支出と照らし合わせ、毎月いくらなら返済できるのか、その場合に何年で完済できるのか等を検討してみることをお勧めします。
シミュレーションをした上で「頑張れば返済できそう」と感じるならば、不必要な支出がないかどうか家計を見直しましょう。削減・節約できる場面があれば見直し、出費を少しでも抑えることが大事です。
当然ですが、ギャンブルやショッピングをしてしまう癖がある方は、これを我慢することも大事です。他の趣味を作る、浪費をできない環境を作るなどの工夫が必要なケースもあるでしょう。
日本貸金業協会が無料で提供する「貸付自粛制度(借り過ぎを防ぐために自ら貸付を制限できる制度)」もありますので、利用を検討してみることもおすすめです。
現在専業主婦で収入がない場合は、短時間のパート・アルバイトで収入を得ることを検討してみると良いでしょう。
現在は在宅ワークも普及しているため、子育てや家事の合間にできる仕事が見つかるかもしれません。
現在個人の収入が0ならば、パート・アルバイトで少しでも収入を得ることで借金の完済が見込めるようになる可能性もあります。
消費者金融やリボ払いの借金は、利息が高く設定されているケースが多く、この利息が借金の完済を難しくしています。
そこで、このような借金を利息の低い一つのローンに統合して、より低い利率で返済することを目指すサービスがあります。これは「おまとめローン」「借金の一本化」などと呼ばれます。
しかし、金利が安くなり毎月の返済額が減っても、返済期間が長引くことにより最終的な金利総額は大きくなってしまう可能性が高いです。
また、おまとめローンは審査が厳しく、主婦の方が利用しようとしても審査に落とされてしまう可能性はあります。
勇気がいることだとは思いますが、できるならば借金問題を夫や家族に相談することも考えてください。
夫には話せずとも、親に相談すれば借金を立て替えてくれることもあります。親への返済は利息をつけないで済むことがほとんどですので、援助を受けることは大きなメリットになるでしょう。
もし夫(妻)などの家族に打ち明けられるならば、「どのようにして完済を目指すか」「どこを節約できそうか」を一緒に話し合うことができます。借金問題を一人で抱え込まずに済むというだけで、精神的にはかなり楽になります。
借金問題の相談先としては弁護士・司法書士などの専門家がおすすめですが、それ以外に相談のハードルが低い公的機関も存在します。自分ではどうすれば良いか分からない場合、このような機関に相談することも考えてみましょう。
借金問題のお悩みを抱えている方にとって特に有効なのが、日本クレジットカウンセリング協会のカウンセリングです。
日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)とは、クレジットや消費者ローンを利用して多重債務に陥った方々について、消費者保護の立場から公正・中立なカウンセリングを行っている機関です。
電話相談やカウンセリングは無料(通信量のみ)なので、「いきなり弁護士や司法書士はハードルが高い」という方は、お近くの相談室に一度電話をしてみるのも良いでしょう。
また、日本貸金業協会でも、貸金業務に関連する借入れや返済の相談ができる窓口を設けています。
債務整理とは、借金(債務)を整理し、返済の負担を合法的に軽減する手続きのことです。
弁護士などに代理人となってもらった上で債権者(お金を貸した側)と直接交渉したり、裁判所の許可を得たりして借金を減額・免除してもらうことができます。
主婦の方でも債務整理をすることは可能です。
しかし、OLなどの安定したかつ継続した収入がある方とは違う注意点もありますので、以下で解説していきます。
任意整理は、裁判所を通さず債権者と直接交渉をして「将来利息のカット」「長期の分割払い(リスケジュール)」などを認めてもらい、借金の元本の完済を目指す手続きです。
そのため、任意整理をするには一定の「安定した収入」があることが条件となります。
これは正社員に限らず、パート・アルバイト、家族の収入などを含め、家庭全体で安定して収入が確保できる状態であれば応じてくれる可能性があります。
よって、専業主婦や兼業主婦でも、家庭全体の収入があれば任意整理ができる可能性があるのです。
とはいえ、これは交渉先の債権者にもよりますのでケースバイケースです。本当に任意整理できる見込みがあるのかどうか、詳しくは弁護士・司法書士に相談してみることをお勧めします。
個人再生では、裁判所の許可を得た上で借金を元本から大幅に減額してもらいます。
そして、個人再生をするには「安定した収入」が「将来にわたって」「継続する見込み」がなければいけません。
任意整理では家庭全体の収入が見られるケースが多いですが、個人再生で審査されるのは「本人の収入」です。
よって、配偶者や生計を共にしている家族の収入が高くでも、本人に収入がない以上、専業主婦(主夫)は個人再生ができません。
パート・アルバイトの場合、給与の金額が十分であれば、個人再生を認めてもらえる可能性が高いです。
ただし、同じ職場で長期間継続して働いており、収入の金額も安定している必要があります。シフトに入れる月と入れない月の差が激しくて収入の上下動が激しい人は、個人再生を認めてもらえない可能性が高いでしょう。
また、単発バイトを繰り返している人や、何度も別のバイトに転職している人などは、収入の継続性に疑問符がつくため、やはり個人再生を認めてもらえません。
「収入の額」と「継続性」が大切だと覚えておいてください。
自己破産は、裁判所に申立てをして、借金をゼロにしてもらう手続きです。
任意整理や個人再生と違って借金を返済する必要がないため、収入に関して問われることがありません。
そのため、専業主婦(主夫)の方でも自己破産は問題なく可能です。
むしろ、無収入の場合は自己破産の選択が現実的と考えるべきでしょう。
しかし、自己破産をすると「自分名義の財産が一部処分されることがある」「ブラックリストに載り、数年間は借入やクレジットカードの利用ができない」などのデメリットも生じますので、これらのリスクについて一度弁護士や司法書士に相談してみることをお勧めします。
【パート勤務の兼業主婦が任意整理で家族に内緒のまま借金100万円を解決】
主婦のCさんはパートで働きながら、会社員のご主人、中学生と小学生の二人の男の子と暮らしていました。ご両親の医療費やお子さんの進学費などで生活費が足りなくなり、銀行カードローン3社から合計100万円ほどの借り入れを行っていました。しかし、パート先の会社が不況で勤務日数と収入が減少したことで、返済が困難になってしまいました。
当事務所にご依頼いただいた際、「主人やパート先、ご近所などに知られないように債務整理をしたい」というご希望でしたので、任意整理をお勧めしました。また、書類郵送時の封筒に事務所名を入れないなどの配慮も行いました。
無事に任意整理の和解交渉が完了した結果、月の返済額は4万円→2.5万円にまで減り、パートの収入でも返済を続けられるようになりました。周囲にバレることもなく、これまでと変わらない日常を送られています。
※東京ロータス法律事務所の解決事例
【パート主婦が任意整理で月々の支払いを減額】
パート主婦をしている依頼者様は、生活費が足りなくなる度にキャッシングを利用していましたが、返済が追い付かず、さらにキャッシングをしてしまい自転車操業の状態に陥りました。
月々の支払額は65,000円にまで膨らみ、旦那様の給料も少なく内緒で返済を続けるのは困難だという状態でご依頼をいただきました。
もうどうにもできないと精神的に追い詰められていた状態でしたが、アヴァンス法務事務所が任意整理を行い利息を免除してもらったことで、毎月の返済額を31,000円にまで減らすことができました。この金額ならばパートの給料で返済でき、旦那様にも知られずに借金を解決できました。
※アヴァンス法務事務所の解決事例
【主婦の方が自己破産で300万円の借金を免除】
主婦のMさんは買い物の代金をカードで支払っていた他、生活費や子供の学費などのためにキャッシングをしていました。当初は返済できたのですが、ご主人の給与やボーナスが大幅に減り、返済のための借入を繰り返すようになってしまいました。気が付くと、借入は総額約300万円にも膨れ上がってしまい、行き詰ったMさんは弁護士に相談しました。
Mさんは主婦のために収入もなく、返済が難しかったため、自己破産の申立をすることになりました。
弁護士のサポートのもと手続きを進めたところ、数ヵ月後には裁判所から免責決定がおり、300万円の借金の支払義務がなくなりました。
自己破産後の生活も順調で、Mさんは現在パートで仕事を始め、将来のことを考えながら新たな生活を送っています。
※アース法律事務所の解決事例