強制執行とは?借金滞納で差し押さえられるまでの流れ
借金を返済できず長期で滞納すると、手持ちの財産や給料の差押えを受ける可能性があります。この記事では、差押え(強制執行…[続きを読む]
公共料金が払えず困っている方はいらっしゃいませんか?
電気・ガス・水道などは生活に必須となるライフラインです。
ライフラインが止められてしまうと生活に支障が出てしまうので、水道光熱費の滞納はできる限り避けるべきです。
しかし、どうしても水道光熱費が支払えないというケースも見受けられます。
公共料金(電話、電気、NHK、ガス、水道・下水道)・水道光熱費を滞納してしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
この記事では、公共料金・水道光熱費が支払えない場合に取るべき対処法について解説します。
目次
電気・ガス・水道などのライフラインは、利用料金を支払わなければ、管理・運営元の民間企業や水道局によりストップされてしまうことになります。
電気・ガス・水道のいずれも、なんの前触れもなくいきなり止められてしまうということはなく、事前に供給停止の警告が行われます。
しかし、供給停止の警告を一定期間放置してしまうと、ライフラインの供給はストップされてしまいます。
その後、滞納している利用料金の督促は債権回収業者に委託され、電話や郵便による支払い催促が行われることになります。
債権回収業者からの支払い催促に応じない場合、最終的には訴訟や強制執行などの法的措置が取られ、利用者の財産が差し押さえられてしまう可能性もあります。
このように、水道光熱費を滞納してしまうと、生活に多大な影響が出てしまいます。
そのため、水道光熱費は優先的に支払いを行う必要があります。
次の項目以降で、電気・ガス・水道の利用料金を滞納した際の供給が止まるまでの流れについて解説します。
まず、電気料金を滞納した場合の送電停止までの流れについて見ていきましょう。
電気料金は、請求書に記載されている支払い期限までに支払う必要があります。
支払い期限は、検針日の30日後に設定されます。この支払い期限を過ぎてしまうと、電気料金の滞納として扱われます。
電気料金を滞納した場合、支払い期限の翌日から延滞利息が発生することになります。
ただし、支払い期限から10日以内に電気料金を支払った場合には、延滞利息の支払いを免除する特例が設けられている場合もあります。
支払い期限から20日程度が経過すると、電気事業者から送電停止の通知が届きます。
送電停止の通知には、電気料金の支払いがなければ電気をストップするという期限日が記載されます。
期限日は、検針日から2ヶ月後を目安に設定されます。
送電を停止されないためには、この期限日までに滞納分の電気料金を一括で支払う必要があります。
送電停止の通知に記載された期限日までに電気料金を支払わない場合には、送電がストップされてしまいます。
なお、その後滞納分の電気料金を一括で支払えば、数時間で送電が再開されます。
電気料金を支払い期限までに支払えそうにないという場合には、ひとまず電気事業者に相談してみましょう。
新型コロナウイルスの影響を受けた経済産業省の要請もあり、電気事業者が電気料金の支払い猶予に応じてくれることも考えられます。
自分の置かれている状況を具体的に説明した上で、電気事業者と交渉をしてみてください。
次に、ガス料金を滞納した場合の供給停止までの流れについて解説します。
ガス料金の滞納の場合も、供給停止までの流れは電気料金の滞納の場合とほぼ同様です。
検針日の30日後に設定された支払い期限を過ぎると、ガス料金の滞納として扱われます。
ガス料金の滞納の場合も、支払い期限の翌日から延滞利息が発生します。
ただし、電気料金の場合と同様、支払い期限から10日以内にガス料金を支払った場合には、延滞利息の支払いを免除する特例が設けられている場合があります。
支払い期限から20日程度が経過すると、ガス事業者から供給停止の通知が届きます。
ガスの供給停止を避けるためには、通知に記載されている供給停止期限(おおむね検針日から2ヶ月後が目安)までに、滞納分のガス料金を一括で支払う必要があります。
供給停止の通知に記載された期限日までにガス料金を支払わない場合には、ガスの供給が止められてしまいます。
なお、その後滞納分のガス料金を一括で支払うことにより、ガスの供給を再開してもらうことが可能です。
ガス事業者は、ガス料金の支払い猶予や供給停止の猶予などについて、原則不可としているところが多いです。
しかし、例えば新型コロナウイルスの影響を受けた経済産業省からの要請がなされている状況では、交渉に応じてくれるガス事業者もあるかもしれません。
どうしてもガス料金を滞納してしまいそうという場合には、ガス事業者に相談・交渉をしてみましょう。
最後に、水道料金を滞納した場合の給水停止までの流れについて解説します。
電気料金・ガス料金と同様、支払い期限を途過した場合には、水道料金の滞納として扱われます。
なお、延滞利息の取扱いについては、各水道局により異なります。
水道料金を滞納した場合、支払い期限からおおむね20日以内に水道局から督促状が届きます。
督促状には水道料金の再納付期限が記載されているので、その期限までに水道料金の滞納分を支払うことになります。
督促状の送付を受けても利用者が滞納している水道料金を再納付期限までに支払わない場合には、一段階進んで支払いの催告が行われます。
水道局からの支払いの催告が行われたにもかかわらず、利用者が滞納している水道料金を支払わないと、給水停止の予告が行われます。
給水停止予告書には、滞納分の水道料金を支払わなければ水道を止めるという期限が記載されています。
給水停止を回避するためには、この期限までに滞納分の水道料金を一括して水道局に支払わなければなりません。
給水停止の期限までに滞納分の水道料金を支払わなければ、給水がストップされてしまいます。
なお、その後滞納分の水道料金を全額支払えば、再度水道を供給してもらうことが可能です。
新型コロナウイルスの影響もあり、各水道局は水道料金の支払い猶予などについて柔軟に相談に乗ってくれる可能性があります。
水道料金を滞納してしまうおそれがある場合には、早めに水道局に相談してみましょう。
NHKの受信料を滞納した場合の流れは、以下の通りです。
まず、NHKは契約者に対して請求書を定期的に送付し、支払いを促します。支払いが遅れると、電話や書面での督促が行われます。それでも支払いがなされない場合、NHKは訪問員を派遣し、訪問を通じて直接支払いを求めることがあります。
督促が続いても支払いが行われない場合、最終的にはNHKが法的手段を取ることがあります。具体的には、NHKは簡易裁判所を通じて「支払い督促」や「少額訴訟」を行います。滞納者から2週間以内に異議申し立てがなければ、これにより、裁判所からの命令が出されると、契約者は強制的に受信料を支払う義務を負うことになります。この段階で、滞納金に加えて裁判費用などが請求される可能性もあります。
参考:受信料滞納者への「支払い督促」 NHKが簡易裁判所に申し立て
さらに、支払い命令が無視された場合には、NHKは給料や財産の差し押さえなどの強制執行を求めることができます。これは非常に重い手続きで、社会的信用にも影響を与える可能性があります。
滞納によるトラブルを避けるためには、受信料の支払いを計画的に行うことが重要です。万が一、経済的な理由で支払いが困難な場合は、早めにNHKに相談し、分割払いなどの対応を検討することが勧められます。
どうしても水道光熱費をすべて期限通りに支払うことが難しいという場合には、
・支払いに優先順位をつける
・債務整理をする
といった対処法が考えられます。
すべての水道光熱費を期限どおりに支払うことができない場合には、止められたら困るものから順に優先順位をつけて支払うようにしましょう。
一般的には、最も優先度が高いのは電気です。
電気がないと夜間の活動が一切できなくなってしまいますし、季節によっては必須の冷暖房を動かすこともできなくなります。
次に優先度が高いのは水道です。
水道はトイレや手洗い、シャワーなどで利用する場面が多いですが、水は外の施設を利用して確保することもある程度可能です。
そのため、まずは電気を確保して、次に水道という順番が良いでしょう。
ガスは最後に回しても、生活への支障は少ないでしょう。
ガスを利用する場面は調理と湯沸しにほぼ限られますので、自炊をせず、風呂は銭湯などで済ませることにすれば、(その分出費は嵩むかもしれませんが)利用できなくても生活は成立します。
最低限のライフラインを確保できないほどに追い詰められてしまっている場合には、弁護士に依頼して債務整理をすることを検討しましょう。
債務整理をすれば、負担する債務を減額したり、弁済スケジュールを猶予してもらったりすることができます。
(※なお、水道料金のうち下水道料金は債務整理の対象外となるため、注意が必要です。)
債務整理をしたからといって、その後ライフラインが止められてしまうことはありませんので、この点は心配する必要はありません。
なお、債務整理には大きく分けて①自己破産、②個人再生、③任意整理の3つの方法があります。
それぞれの方法に長所・短所があるため、どの方法が良いかは弁護士と相談して決めることをおすすめします。
水道光熱費を支払うことが難しい場合には、早めに各事業者や水道局に相談をしましょう。
ライフラインを止められてしまうと生活に大きな支障が出てしまうので、早めの対応が重要です。
また、水道光熱費などの公共料金を支払えないほどに生活が苦しい場合は弁護士にご相談ください。依頼者の債務負担を減らす方法を一緒に考えてくれます。
借金にお悩みの方は、お気軽に弁護士にご相談ください。