破産者名簿に載るデメリットとは?

借金をどうしても返せなくなった場合、自己破産をすれば返済義務がなくなります。
しかし、自己破産や借金のことは、できれば秘密にしたいと思っている人が多いはずです。

自己破産は、「官報」や「破産者名簿」への掲載により、周囲にバレてしまう可能性が0ではありません。
今回は、中でも「破産者名簿」について解説をしていきます。

なお、官報については以下のコラムをご覧ください。

個人再生や自己破産をしたいと思っても「官報公告への掲載が心配で踏み切れない」という方がいらっしゃいます。 2019年…[続きを読む]

【破産者マップについて】
「官報」「破産者名簿」の他に、2019年にはネット上に「破産者マップ」なるものが公開され、多くの批判の結果閉鎖となりましたが、2022年6月にも新たな破産者マップが出現し問題となっています。
破産者マップは個人が勝手に作成したものであり、過去のものは既に閉鎖されています。現在問題となっているものもじきに閉鎖すると思われますが、このような騒動は今後も起こる可能性があるかもしれません。
参考:【2022年】破産者マップに載ったらどうなる?影響と対応方法

1.自己破産と破産者名簿

1-1.自己破産とは

自己破産は裁判所に申立てをして行う「債務整理」の一種です。

自己破産に成功すれば借金をゼロにすることができます。
その代わり、自分が保有する財産は一部を除いて処分されてしまいます。処分された財産はお金に換えられ、債権者への弁済に使われます。

自己破産をする前に、自分は本当に自己破産が最適なのか、他の債務整理方法は可能なのかなどを、事前に弁護士と相談してから実際の手続きに踏み切ることがお勧めです。

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1-2.破産者名簿とは

破産者名簿とは、破産申立人の本籍地の市区町村役場で管理されている名簿です。
住民票のある市区町村役場ではなく、「本籍地」である市区町村役場であることに注意してください。

かつては「自己破産手続き中の人」は、全員この破産者名簿に記載されていました。
しかし、法改正が行われ、現在では「自己破産をしても免責を受けられなかった人」のみが破産者名簿に掲載されることになっています(免責=自己破産に成功し、借金が0になることです)。

そのため、ほとんどの人は自己破産の最初から最後まで破産者名簿に掲載すらされません。

また、仮に掲載されたとしても、破産者名簿を閲覧することができるのは役所の一部の人だけであり、一般に公開されることはありません。

2.破産者名簿に載るデメリット

そもそも、なぜ破産者名簿というものが存在するのでしょうか?

実は弁護士や司法書士、宅地建物取引主任者、警備員などは、破産して免責を受けていない人(破産者)は就くことができない職業と定められています。
弁護士や警備員など特定の職業に就くためには、破産者でないことを証明する書類である「身分証明書」が必要です。

(※破産者と聞くと「過去に自己破産をした経験がある人」と思う人が多いかもしれませんが、法律の世界では破産者のことを「破産してまだ免責を受けていない人」を指すことになっています。「自己破産をして既に免責を受けた人」は破産者ではないので注意してください。)

該当する職業に就きたい人は、自分で役所に問い合わせて「身分証明書」の発行を申請することになっています。
申請を受けた役所は破産者名簿をチェックし、そこに記載がなければ「身分証明書」を発行します。

「身分証明書」を作成するために必要となるのが、この破産者名簿です。

とはいえ、破産者名簿は一般人の目に届くところには置かれないものであるため、破産者名簿のせいで自己破産のことが周囲にバレることはありません。
また、破産者名簿に載ったとしても、一部の職業に就きたい人以外には実質的なデメリットがありません。

破産者名簿に載るデメリットは「破産者でない」ことを証明する身分証明書を発行してもらえないことのみなので、多くの人にとっては関係がないのです。

自己破産において制限を受ける職業について知りたい方は、弁護士に相談するか、リンク先をご参照ください。

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3.破産者名簿から名前を消す方法

自分で本籍地の役所まで行って「破産者名簿から自分の名前を削除してください」とお願いしても、受け付けてもらえません。

破産者名簿に記載された人が能動的に訴えて破産者名簿から抹消してもらうことはできない反面、一定の条件を満たせば自動的に削除してもらえることになっています。

その条件は以下のようなものです。

免責許可決定を受ける

免責を受ければ破産者でなくなるので、当然に破産者名簿からは削除されます。

個人再生を行い、再生計画の認可決定が確定した

自己破産で免責を受けられず、個人再生に切り替える人もいます。

その場合は、個人再生に成功すれば、自己破産による免責を受けていなくても破産者名簿から削除されます。

破産手続開始決定後に免責許可が決定されないまま10年経った

破産手続開始決定から10年経てば、免責許可がなくても破産者名簿から抹消されます。

しかし、10年もの間免責を受けられないままでは大変です。
あまり現実的な解決方法ではないので、個人再生をするなど何らかの措置を講じるべきでしょう。

破産手続の廃止を債権者全員の同意が得られた

債権者は破産手続によって、債務者から没収された財産から配当を受けることができます。

しかし、債権者全員が配当を受け取ることを放棄して、債務者の破産手続を廃止(終了)することに同意すれば、それによって破産手続は終了し、破産者名簿からも削除されます。

支払うべき債務が消滅した場合

債権者が同意して債務を免除する、破産申立人以外の誰かが破産申立人の代わりに債務を弁済するなどして債務そのものが消滅すれば、もはや支払う債務がないので免責を受ける必要もなくなり、破産者名簿から削除されます。

4.破産者名簿に載ってもデメリットはほとんどない!

官報と違って、自己破産に失敗しない限り破産者名簿に自分の名前が記載されることはありません。
ほとんどの人は自己破産をしても破産者名簿に載らないのです。

また、万が一記載されたとしても、破産者名簿を見られるのは一部の役場職員のみです。
一般人が破産者名簿を閲覧できる機会はないので、破産者名簿のせいで周囲に破産者であることがバレる心配はありません

破産者名簿に載るデメリットは「破産者でない」と証明するための身分証明書を発行してもらえなくなること程度であり、自己破産によって借金をゼロにできるメリットに比べれば、それほど大きなデメリットではありません。

多くの人は自己破産に不安を持っていると思いますが、弁護士に相談することで正確な知識を得られ、不安を解消できます。

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監修
弁護士相談Cafe編集部
弁護士ライター、行政書士資格者、FP(ファイナンシャル・プランナー)を中心メンバーとして、今までに、債務整理に関する記事を1,000以上作成、監修。
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