自己破産をしたことはバレるのか?

自己破産をしたことはバレるのか?

「借金が多額過ぎる」「解雇されて収入がなくなった」など、今後債務を返済していく目処が立たない場合に、借金問題を解決する有効な手段が「自己破産」です。

自己破産は裁判所により借金を免除してもらう合法的な手続きであり、債務者の人生の再スタートの機会となるものです。
しかし、「自己破産=借金を返しきれずに踏み倒した」というイメージが根強く、自己破産したことを誰にも知られずに行いたい、家族や職場に知られたくないと思う方がほとんどです。

実際、「家族に内緒にしたい」「職場・周囲の人にバレたくない」という不安を抱えながら弁護士などへ債務整理の相談をする方は多いです。

では、自己破産をしたという事実は、どこまで調べられる恐れがあり、家族や近所の人にバレてしまう可能性はあるのでしょうか?

この記事では、自己破産したことはバレるのか?を解説いたします。

自己破産をしたことはバレるのか

早速ですが、自己破産の事実が掲載されたり、調べられたりするケースがあるのかどうかを見ていきます。

官報

自己破産をすると、漏れなく「官報」に氏名や住所が掲載されます。
官報とは、政府が休日以外の毎日発行している新聞のような機関誌で、誰でも購読できるものです。

自己破産では、すべての債権者(貸金業者や銀行)を対象に借金を免除してもらいます。しかし、債務者が把握しておらず、手続きから漏れている債権者がいるかもしれません。
官報で公告をする目的は、そのような全ての債権者に自己破産を知らせるためです。

官報は、基本的に「紙の情報」なので、いったん発行されたら永遠に残り続けることになりますし、インターネットからも閲覧可能です。
しかし、官報から周囲に自己破産が知られる可能性は極めて低いです。

自己破産については、官報の中でも後の方に小さい文字でまとめて掲載されているので、そこから一個人の名前を探すのは簡単ではありません
知り合いの名前を調べようと思っても、毎日発行されている官報について、全ての情報を見ようという人はいないでしょう。

また、インターネット媒体の官報を無料で閲覧できるのは、直近30日間に限られます。しかも、これはPDFデータですので、文字で検索をすることはできません。すなわち、実名検索をすることはできないのです。

また、ネット上で直近30日よりも前のものを閲覧・検索するには有料版への申し込みが必要ですので、実際に検索・閲覧される可能性は低いと言えるでしょう。

確かに、理屈上、官報は誰でも読める環境にあるので、ここから誰かに自己破産の事実を調べられる可能性は0ではありません。
しかし、上記のような理由から、知り合いに官報で自己破産がバレる可能性は極めて低いと言えます。

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破産者名簿

破産者名簿とは、破産申立人の本籍地の市区町村役場で管理されている名簿です。
名前からして自己破産をしたらこの名簿に氏名が載ると思いがちですが、実は、破産者名簿に掲載されるのは、「自己破産をしても免責を受けられなかった人」のみです(免責=自己破産に成功し、借金が0になること)。

自己破産は、弁護士などの専門家のサポートの元で行えば、免責を受けられないケースは滅多にありません。よって、ほとんどの人は破産者名簿に掲載されません

また、仮に掲載されたとしても、破産者名簿を閲覧することができるのは役所の一部の人だけであり、一般に公開されることはありません。

よって、破産者名簿から自己破産がバレることもないでしょう。

【破産者名簿に掲載されるとどうなる?】
仮に免責を受けられず掲載されてしまうと、破産者でないことを証明する書類である「身分証明書」を発行してもらえません。
弁護士や司法書士、宅地建物取引主任者、警備員などは、破産して免責を受けていない人(破産者)は就くことができない職業と定められています。このような特定の職業に就くためには、「破産者名簿に名前がないこと=身分証明書を作成してもらうこと」が必要になります。

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破産者マップ

破産者マップとは、官報に掲載されている人の情報を収集し、Googleマップに関連づけを行いネット上で可視化したサイトです。
運営者が「勝手に制作・掲載」しているサイトであり、様々な問題点から類似サイトは次々と指導が入り閉鎖されています。

しかし、2022年6月20日、「新破産者マップ」が公開されていたことが発覚し、現在注目を浴びています。これには、2009~2019年の破産者情報(数十万件分)が掲載されているそうです。

破産者マップは、一般の方でも地図上から簡単に情報を調べることができてしまうので、自己破産をした方にとっては大きな問題となり得るサイトと言えます。

破産者マップについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。

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ブラックリスト

自己破産を始めとした債務整理を行うと、「ブラックリスト」に掲載されてしまうことが避けられません。

「ブラックリストへの掲載」というのは、金融機関同士の情報ネットワーク(信用情報機関)に、「この人は過去に借金を約束通りに返済しなかったことがある」という信用情報が掲載されることをいいます。

信用情報機関に加盟している会社が新規申込などを受けた際には、その申込者の信用力(支払い能力)を判断するために、機関に登録されている信用情報を確認します。
ここで、債務整理の情報が確認されると「この人は過去にお金を返せず債務整理をしたから、返済能力に問題があるだろう」として、審査を落としてしまうのです。

このように、ブラックリストは加盟会社が申込者の審査をする際に活用するものであるため、一般の方が掲載の有無を調べることはできません(本人であれば、掲載内容を照会することができます)。

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自己破産が家族などにバレるケース

このように、自己破産の事実が周囲の人に調べられてバレる、というケースはほとんどありません。
しかし、同居している家族や借金の保証人には、自己破産をしたという事実がバレてしまうケースが多いです。

財産を処分される

自己破産では、借金を0にする代わりに、自分自身の手持ちの資産で債権者に対してできる限りの返済をすることになります。
そのため、自宅や車など、一定の価値のある財産は処分され、現金化されて債権者に割り振られることになります。

家や土地は高価な財産ですので、所有している場合は確実にほぼ換価処分の対象となります。
また、車についても査定額によっては処分の対象となり引き上げられてしまいます。

普段生活している家や、使用している車が処分されてしまうとなれば、家族に自己破産を隠し通すことは難しいでしょう。

保証人に請求がいく

債務者本人が自己破産をした場合、保証人(連帯保証人)は、債務者本人の代わりに免除された借金を返済しなければなりません。

万が一保証人にも返済能力がない場合、主債務者だけでなく保証人まで連鎖的に自己破産せざるをえなくなってしまうでしょう。

自己破産では、保証人がついている借金のみを対象から外すことはできません。
よって、自己破産をするならば保証人に事前にしっかりと事情を説明して、どうするべきかを話し合うことが必要となります。

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自己破産に関するよくある質問

自己破産はどうやってバレる?

自己破産をすると、漏れなく「官報」に氏名や住所が掲載されます。
官報とは、政府が休日以外の毎日発行している新聞のような機関誌で、誰でも購読できるものです。しかし、一般の方が官報を見るケースはほとんどないため、官報に掲載されたからといって、すぐに周囲に知られることはほとんどありません。

自己破産したとき家族への影響は?

自己破産は個人的な手続きであるため、家族に影響はありません。ただし、自宅や車など、一定の価値のある財産は処分され、現金化されて債権者に割り振られることになりますので、その場合、ご家族への影響が及ぶと考えておいた方が良いでしょう。

まとめ

以上のように、自己破産が身近な人にバレることはありますが、周囲の人が調べようと思って判明するようなことはほとんどないと言えます。

また、自己破産が家族や周囲に与える影響は限定的なものですので、事前に自己破産の内容とその影響についてしっかりと説明をすれば、理解を得られるケースも多いでしょう。

自己破産によるデメリットを最小限に抑え、また、できる限り内密に行うためには、弁護士や司法書士などの専門家に手続のサポートを依頼するべきです。
専門家の手を借りれば、失敗なく、そして迅速に自己破産を行うことが可能でしょう。

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執筆・監修
服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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