エムアールアイ債権回収からピンクの封筒｜差し押さえされるの？

などと悩んでいる方はいらっしゃいませんか？

実際に、株式会社エムアールアイ債権回収（以下、エムアールアイ債権回収）からの連絡を無視し続けると、訴訟の提起や支払い督促が届き、最終的には財産が差し押さえられる、強制執行など、非常に深刻な状況に陥る可能性があります。

この記事では、エムアールアイ債権回収がどのような会社なのか、ピンクの封筒での連絡が届いた場合にはどのような対応が適切かについて解説します。エムアールアイ債権回収に関する理解や、連絡が来た際の適切な対処方法について詳しくご紹介します。気になる方はぜひ参考にしてください。

エムアールアイ債権回収について

株式会社エムアールアイ債権回収の会社概要

エムアールアイ債権回収は、法務省からの認可を受けて営業している債権回収会社（サービサー）です（法務大臣第93号）。

債権回収会社（サービサー）は、サービサー法に基づき、債権者から債権の譲渡・委託を受けて代わりに借金を回収しています。一般的に法令順守や個人情報保護に厳しいことも知られており、怪しい会社ではありません。
エムアールアイ債権回収も、平成19年にはプライバシーマークを取得しており、多くの大手企業からの信用を得ています。

エムアールアイ債権回収はもともと、昭和60年に日本初のクレジットカードを作った丸井グループの「マルイカード（現エポスカード）」が100％出資して設立した会社です。

丸井グループにはエポスカードとゼロファースト（平成26年エポスカードと合併）があり、エムアールアイ債権回収株式会社はマルイ（エポスカード）からの債権譲渡を受けていることが多いです。
その他、スルガ銀行などの金融機関も債権者となっています。

これらの債権者への支払いを一定期間以上滞納したことで、エムアールアイ債権回収のような債権回収会社に債権譲渡を行うと、以降は主債務者ではなく債権回収会社から督促の連絡が来ます。
特にエポスカードは、約３ヶ月滞納すると債権が譲渡されるそうです。他社よりも譲渡のタイミングが比較的早いと言われています。

エムアールアイ債権回収からの連絡手段

エムアールアイ債権回収の督促の方法としては電話や手紙、SMSが主です。

エムアールアイ債権回収から手紙で督促をされる場合、ピンクの封筒で、以下のようなタイトルのものが送られてくることが多いようです。

• 遅延損害金減額のご案内
• 期間限定 お支払額 減額相談のお知らせ
• 減額和解のご提案
• 債権譲受通知
• 支払督促予告通知書
• 強制執行予告通知
• 裁判所への提訴予告通知書
• 裁判所への提訴を予定しております
• 法手続き予告通知
• 法手続きを予定しております
• 自宅訪問通知

エムアールアイ債権回収の借金の時効について

上記の書面を見ると「すぐに連絡をしなければ！」と思ってしまうタイトルのものが多いです。特に「期間限定で減額してくれる」などと書かれていると、焦って連絡してしまったという方も多くいらっしゃいます。

しかし、長い間支払いを行なっていない場合、あなたの借金はすでに時効となっている可能性があります。
この場合、安易に債権者へ連絡をしたり、借金を一部支払ったりしてしまうと、時効が更新されて数え直しになってしまうので注意が必要です。

時効の成立と時効援用

エムアールアイ債権回収から送られてくる通知書には、以下のような記載があるはずですので、まずはその日付を確認してみてください。

• 最新お取引日
• 最終利用年月日
• 延滞となった貸金債権の当初の約定支払日最終利用年月日

これらの日付が5年以上前であった場合には、既に時効となっている可能性があります。
エムアールアイ債権回収から連絡が来たら、まずは時効が満了となっているかどうかを確認しましょう。

しかし、借金の時効は、刑事事件などの時効とは異なり自動的に成立するわけではありません。
時効を成立させるためには、「時効の援用」の手続きが必要となります。

すなわち、借金が時効となっている可能性が高いと判断できる場合には、債務者がエムアールアイ債権回収に対して内容証明郵便などの書面によって消滅時効を援用するという旨を通知する必要があります（消滅時効援用通知書）。

本当に時効が成立しているかどうかの確認をしてもらうために、そして失敗なく援用の手続きを行うために、時効の成立が考えられる場合は一度弁護士や司法書士にご相談ください。

時効が更新する原因

先述の通り、せっかく時効が成立するだけの期間が経過していても、安易に債権者へ連絡をしたり、借金を一部支払ったりしてしまうと、時効が更新されて数え直しになってしまう可能性があります。

手紙や電話に対する安易な連絡

エムアールアイ債権回収からの手紙に「このままの状態が続いた場合には、法的手続きをとる」などの内容が書かれていたとしても、仮に時効が成立している場合は一切の支払いが義務はありません。

しかし、手紙や電話を受けて慌ててしまい、安易に債権者と支払いについての相談をしてしまうと、時効が更新されてしまう可能性が高いです。

時効が更新してしまう原因となる行動は、主に以下のようなものがあげられます。

• 借金の一部返済
• 分割返済交渉
• 債務者からの利息や損害金免除のお願い
• 分割返済の和解書へのサイン

一部弁済・返済交渉は、時効の更新事由に該当してしまいます。債権者は時効の更新を狙った督促をしてきますので、「損害金を期間限定で減額する」「今なら減額の相談に乗る」などの話には要注意です。
時効が成立している可能性がある場合には、安易に連絡をとる前に弁護士に相談しましょう。

なお、自宅訪問による取り立てを受けた場合も同様で、時効の可能性がある場合には「確認してみます」などとその場を濁し、返済などに応じてはいけません。
口頭で返済に関するやり取り（「返済するのでもう少し待ってください」「分割・減額してください」など）をしてしまうのもNGです。

【置き手紙「ご相談承り票」にも注意】
自宅にいない時間にエムアールアイ債権回収株式会社の方が訪問した場合には、ポストに手紙が投函されていることがあります。「○日以内のご連絡をお待ち申し上げております」「延滞利率の減免・遅延損害金の減額等のご相談を承っております」などの記載があり、裏面が「ご相談承り票」となっています。
この「ご相談承り票」に記載して返送してしまった場合も、時効が更新する可能性があります。安易に返送することなく、まずは弁護士に相談するようにしてください。

以下のツールで、時効の更新などなく実際に時効が援用できそうかどうかをチェックできます。弁護士・司法書士への依頼前にぜひご利用ください。

時効が成立しているか確認！時効援用チェッカー

連絡を無視し続けたらどうなる？

最後に、時効の援用の手続きもせず、エムアールアイ債権回収からの連絡を無視し続けるとどうなるのかを解説します。
結論を言うと、訴訟の提起で裁判となったり、支払督促を送られたりした結果、財産を差し押さえられてしまう可能性があります。

支払督促・訴訟を申し立てられる

エムアールアイ債権回収が「この債務者は支払いの意思がない」と判断すると、裁判所への申し立てを行うことがあります。

支払督促

債権者（エムアールアイ債権回収）が簡易裁判所に申し立てをすると、簡易裁判所から債務者の元へ特別送達によって「支払督促申立書」が送られてきます。

裁判所からの手紙に驚いて捨ててしまう方もいらっしゃるのですが、慌てずに「支払督促申立書」の中身をしっかりと確認することが大事です。
同封されている「異議申立書」を、支払督促申立書の受け取りから２週間以内に簡易裁判所に対して提出する必要があります。

そして、「支払督促申立書」が送付されてから２週間後の日から数えて30日間、債権者（エムアールアイ債権回収）は仮執行宣言の申立てをすることができます。
仮執行宣言の申立の内容に問題がなかった場合には、「仮執行宣言」が発付され「仮執行宣言付支払督促」が送付されます。

その後、債権者は裁判所に対し、財産の差し押さえなどの強制執行の申立てが可能となってしまいます。

訴訟

支払督促よりも手間がかかる手続きですが、エムアールアイ債権回収が貸金返還訴訟を提起するケースもあります。
これは文字通り、エムアールアイ債権回収が「借金を返してほしい」という訴えを起こし裁判となるケースです。

訴訟を提起されると訴状と呼び出し状が債務者に送達されますが、これを無視していると自動的に敗訴となり、債権者側の請求（借金を返すこと）が全面的に認められます。

その後は、次で説明する財産の差し押さえに発展します。

財産の差し押さえ（強制執行）

仮執行宣言付支払督促や勝訴の確定判決文は、「債務名義」となります。
この債務名義があることで、債権者は裁判所に強制執行を申し立てることが可能になります。強制執行により債務者の給料や預貯金、マイホームなどの財産が差し押さえられることになり、これらは強制的に借金の弁済に充てられます。

債務者としては、大切な財産を失うことのないよう、支払督促や訴訟に発展する前に、分割払いの交渉や債務整理手続きなどできる限り早めの対応をすることが必要となります。

債権回収会社との交渉は弁護士に相談を

このように、「株式会社エムアールアイ債権回収」からの連絡を無視し続けると、最悪の場合大切な財産を失ってしまう可能性も出てきます。
とはいえ、時効が成立しているかどうかの確認や、裁判所とのやり取り、債務整理手続きなどはいずれも煩雑で、精神的にも大きな負担がかかるものです。

もし、エムアールアイ債権回収から電話や手紙などが来て不安な場合、借金問題を根本的に解決したい場合は、できる限り早い段階で弁護士・司法書士に相談することをオススメします。