債権回収会社(サービサー)から取り立てがきたらどうなる?
借金を返さないでいると、見覚えのない会社から郵便等で連絡が来ることがあります。 多くの場合、そこには借金の支払に関す…[続きを読む]
「私は2年前にリストラに遭い、その後はアルバイトなどをしながらなんとか生活をつないでいる状況です。借金は自転車操業状態ながらも何とか返しているのですが、使っているauの携帯電話の料金など、いくつか滞納してしまっている料金があります。
そのような状況の中で、「星川法律事務所」というところから私宛に1通の手紙が届きました。手紙の内容は、「滞納している携帯電話料金を速やかに支払うように」というものでした。
たしかに私は携帯電話料金を滞納してしまっていますが、なぜ「星川法律事務所」が携帯電話料金の支払いについて連絡してくるのでしょうか。これは架空請求ではないのでしょうか。
できれば無視したいのですが、心当たりはあるため、正当な請求かもしれないと思い、不安です。この手紙に対して、どのように対応したら良いのでしょうか?」
上記のように、借金や料金の支払いの滞納を続けている場合、ある日突然「弁護士」からSMS(ショートメール)や内容証明郵便により、借金返済や料金支払いに関する連絡が届くことがあります。
以下では、このような事例に沿って、弁護士からの手紙・督促の対処法について解説します。
目次
星川法律事務所とは、星川勇二弁護士を代表とする弁護士法人です。
星川法律事務所のホームページを参照すると、取扱業務の中に債権回収に関する業務が含まれており、「電気通信事業会社を顧問先とする」旨が記載されています。
参考:弁護士法人星川法律事務所
そのため、星川法律事務所から債権の回収についての連絡が来た場合は、星川法律事務所が債権者から債権回収業務を受任し、代理人として債権回収の連絡をしてきた可能性があります。
星川法律事務所は、携帯電話サービス「au」を提供するKDDI株式会社を顧客としていることで広く知られています。
auの携帯電話料金を滞納しているということであれば、星川法律事務所はKDDIから債権回収業務を受任したのかもしれません。
手紙の文面の中で、どの債権者を代理しているかが記載されているはずですので、まず債権者名を確認して、どの滞納金が回収の対象となっているのかを把握しましょう。
星川法律事務所から、正当な債権回収の手紙が届いたという事例は数多く存在します。
しかし、逆にこのことを利用して、振り込め詐欺等の一環として、星川法律事務所の名前を騙って連絡してくる悪徳業者が存在することも事実です。
そこで、怪しいと思ったら、手紙が本当に星川法律事務所から送られてきたものであるのかを確認する必要があります。
手紙の中に、星川法律事務所の連絡先が記載されていると思いますので、その連絡先が、星川法律事務所のホームページに記載されている連絡先と一致するかどうかを確認してください。
もし、連絡先が一致するならば、その手紙は星川法律事務所から送付されたものである可能性が高いと言えます。
次に、星川法律事務所の債権回収方法について、また滞納金の督促を放置するとどうなってしまうのかということについて解説します。
星川法律事務所が債権者から債権回収を受任した場合、まず債務者に対してSMS等で受任通知(名称の通り、本債権者から債権回収を受任しましたという通知)を送付します。
これ以降、星川法律事務所による債権回収が開始します。
受任通知を受領しても債務者が支払いを行わない場合には、警告の意味で星川法律事務所から債務者に対して、何度か手紙・SMS等で催促の連絡がなされます。
星川法律事務所から電話がかかってきたり、直接家まで来られたりということは基本的にありませんが、催促を無視し続けると、文言のトーンがだんだん強くなり、最終的には最後通告という形で、これ以上無視すれば法的手段に移行するという内容が記載されることになります。
警告文の送付を受けても債務者が支払いを行わない場合には、星川法律事務所は裁判所を通じた支払督促や訴訟といった法的手段に訴えてくることになります。
訴訟で債権者・星川法律事務所側の勝訴が確定した場合、その確定判決を「債務名義(債権の存在を証明し、裁判所が強制執行の許可をした文書)」として、債務者の財産に対して強制執行が行われることになります。
強制執行が行われる場合、たとえば給与の差し押さえがされてしまうと、滞納の事実が勤務先に発覚してしまいます。
また、所有している不動産が競売にかけられてしまうと、不動産を失うだけでなく、市場価格よりもかなり安い金額でしか売却できずに損をすることになります。
様々な弊害が生じることになりますので、強制執行の段階に至る前に、滞納金について適切に対処する必要があります。
滞納金をすぐに支払えない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
まず、滞納金が消滅時効にかかっていないかを確認します。
携帯電話料金などの債務の消滅時効は、支払うべきとされている日から5年です。
よって、星川法律事務所からの手紙を受け取った日から遡って5年以上前に発生した滞納金については、消滅時効を援用することで支払いを免れることができます。
しかし、債権者側も債権の消滅時効については管理をしているため、消滅時効の完成前に法的手段による請求を行ってくる可能性が高いです。
現実的には消滅時効の完成はあまり期待できませんが、可能性は0ではありませんので、かなり昔の借金である場合は一度他の弁護士に相談してみることをお勧めします。
星川法律事務所からの滞納金の請求は原則として一括払いです。
しかし、「一括払いでは支払えないが、分割払いなら完済できそう」という方もいらっしゃるでしょう。
このような場合は、星川法律事務所に分割払いの交渉をすることをお勧めします。
現在の収入などを鑑みた返済計画で、最後までしっかりと支払うという意思を示せば、分割払いを認めてもらえるかもしれません。
時効が成立しておらず、分割払いでも滞納金を支払うことができないという場合には、「債務整理」により返済負担を軽減するという方法があります。
債務整理には、大きく分けて、任意整理・個人再生・自己破産の3種類がありますが、いずれの方法も弁護士に依頼をすれば迅速に手続きを行ってもらえます。
どの債務整理方法が最適かどうかも、弁護士に相談をすれば個別にアドバイスしてくれるでしょう。
星川法律事務所から債権回収についての手紙を受領した場合、それが詐欺なのか、詐欺でないとしたらどのように対処すべきなのかなど、様々な事柄を専門的に判断する必要があります。
そこで、債権回収や債務整理に強い弁護士に相談し、対処法についてアドバイスを求めることをお勧めします。
弁護士は、複数の方法を比較した上で最善の解決策を提示してくれます。時効成立の検討や債務整理方法の選択など、様々な方面から助言を受けられるので、まずは自分が陥っている状況について弁護士に話してみてはいかがでしょうか。