債権譲渡通知書が内容証明で届いたらどうする!債権譲渡された時の対処法
債権譲渡通知書を無視・放置していると事態が悪化し、最終的には手持ちの財産を差し押さえられてしまうこともあります。債権…[続きを読む]
消費者金融や銀行、住宅ローン、カードローンなどの借金を長期に渡り返さないでいると、債権回収会社(サービサー)から郵便等で連絡が来ることがあります。
「こんな会社からお金を借りたことはないのに…」と戸惑う人も多いでしょう。中には「特殊詐欺に違いない」「連絡を返したらお金を騙し取られるかもしれない」と考えて、郵便物を捨ててしまう方もいるかもしれません。
しかし、こういった連絡に対して無視を決め込むと、後々大変なことになるおそれがあります。
セゾン債権回収など、サービサーと呼ばれる債権回収会社からの連絡かもしれません。
ここでは債権回収会社(サービサー)から連絡が来た場合の対処法について解説していきます。
心当たりのある連絡を受けた方、または現在借金を滞納している方はぜひお読みください。
目次
債権回収会社(サービサー)とは、その名の通り債権(借金)を回収する会社のことで、全国に75社以上あります(2023年1月現在)。
「サービサー法」という法律に基づいて法務大臣から認可を受けており、合法的に借金の取り立てを行います(※)。
債権回収会社は債権者から依頼を受けるか、債権を譲渡された・買取した(債権回収会社自身が新たな債権者となった)うえで借金の取り立てを行います。債務者としては、返済先が変わるのみで借金問題については解消されていません。
主に、長期に渡る督促の無視・滞納など、もともとの貸金業者が自分で債権回収するのが難しくなったケースでこのような処置が行われます。
債権回収会社からの連絡があったら、相手が本腰を入れて債権の回収を始めたということです。
間も無く法的措置が実行される可能性が高いので、すぐにでも対策を考えて、速やかに行動に移す必要があります。
※参考「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧|法務省」
債権回収会社は債権回収・取り立てのプロです。連絡を無視していても引き下がることはなく、法律に基づいて様々な方法で取り立てを行います。
債権回収会社の取り立ての流れとしては以下のようになり、最終的に強制執行で給与や預貯金が差し押さえられてしまうでしょう。
まず、債権回収会社に債権の譲渡・売却が行われた場合、遅滞なく以前の債権者(貸金業者など)が債務者に、債権譲渡を知らせるための「債権譲渡通知書」を送ることとされています。
債権譲渡通知書は、通常「内容証明郵便」を使って送られてきます。
そして、債権者から委託・譲渡を受けた債権回収会社は、通常の郵便や圧着はがき、SMS等で借金を返済するように債務者へ督促します。
郵便・SMSによる督促を無視していると、場合によっては電話がかかってきたり、自宅訪問されたりするかもしれません。
家に来る場合は、最終的な段階と考えたほうが良いでしょう。
最初は通常の郵便やハガキによる督促も、時間が経つと内容証明郵便を用いられることがあります。
それも無視していると、債権回収会社は裁判所に訴訟を提起する・債務者へ支払督促を送るなどの法的手段を行使します。
訴状が届いたのに無視していると欠席裁判となって、債権回収会社が望むとおりの判決(借金を支払うという判決)が出るでしょう。
また、支払督促では、簡易裁判所から債務者に督促状が送られます。これに異議申し立てをしないでいると、勝訴判決と同じ効果を債権者は得られます(訴訟よりも簡易的な手段です)。
この段階まで放置を続けた場合、残念ながら債務者にとって良い結果が出る可能性は低いです。
ただ、裁判となっても分割払いなどの和解に応じてもらうことはできるかもしれないので、無視をせずに話し合いを進めるべきです。
訴訟や支払督促で和解ができないと、強制執行が行われます。
具体的には、給与や預貯金の差し押さえです。
特に給与の差し押さえは、給与の一部が強制的に借金の返済に回されるため、生活に直接の悪影響があります。
また、勤務先等に差し押さえの事実がわかってしまうのもデメリットです。借金が原因で解雇されることはありませんが、信用が失墜してしまうかもしれません。
給与の差し押さえについて、詳しくは以下の記事をご覧ください。
では、債権回収業者から取り立てが来たらどう解決すれば良いのでしょうか?
借金は、長期間請求を受けなければ時効を主張して消滅させることができます。
この場合の請求とは「裁判上の請求」なので、郵便や電話による請求は当てはまりません(裁判所から届く訴状等が「裁判上の請求」の一例です)。
貸金業者等からの借金は多くの場合「最後に返済した日の翌日から数えて5年」で消滅時効を迎えます。
しかし、消滅時効というものは、期間の経過で借金が自動的に消滅するものではありません。「時効の援用」という手続を踏まなければならないのです。
もし消滅時効の期間が経過しているにもかかわらず「援用」を行わない場合は、借金が消滅せず返済義務が残ってしまいます。
仮にこの状態で裁判上の請求を受けると時効の進行が更新されてしまいます。こうなると、消滅時効の援用ができるまで再び5年待たなければなりません。
債権回収会社は更新の更新を狙って様々な策を講じます。
例えば「利息を負けますよ」「1万円だけでも返済できませんか」などと言って返済を促し、借金を少しでも支払ってもらえば、時効は更新されます。
また、「確かに借りています」「近々払います」など、債務があることを承認させることでも、同じく時効が更新されます。
このようなミスを防ぐために、消滅時効の確認がまだ済んでいない場合は、債権回収会社から連絡があっても「確認してから連絡します」等の対応をして、すぐにでも弁護士や司法書士に相談することが正解です。
うかつな返事をしてしまうとせっかくの時効が使えなくなってしまいます。
債権回収会社からの連絡を無視してはいけませんが、連絡に応対する場合でも十分に注意してください。
借金をしたけど返せないまま何年も過ぎている……という場合、その借金は時効(消滅時効)になっている可能性があります。借金の時効と成立の条件に付いてお話しします。
残念ながら消滅時効の援用ができない場合は、当然ですが返済義務があります。
債権回収会社は一括払いで返済を求めてくることがほとんどです。
そういった場合は、分割払いができないか相談してみましょう。
現実的に無理のない返済プランであり、債権回収会社が債権の回収が確実だと考えれば、分割払いに応じてくれるかもしれません。
債務整理は、借金を合法的に減額または免除する手続です。
債権回収会社が請け負うような、消費者金融・銀行などからの借金は全て減免の対象になります。
債務整理には様々な方法があるので、どれを行うかは弁護士に相談して決めることをおすすめします。
個別のケースに合わせて最適のものを提案してくれるはずです。
債務整理について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
最後に、大手の債権回収会社を一部紹介します。
借金を長期間滞納している方で、これらの会社から連絡があったら注意が必要です。
【その他の有名な債権回収会社】
SMBC債権回収・エー・シー・エス債権回収・オリックス債権回収・リボーン債権回収・日立キャピタル債権回収・日本債権回収・三菱HCキャピタル債権回収
なお、上記の会社を名乗って詐欺を企む団体がいるかもしれません。
郵便等があったら各会社の名前で検索して公式サイトを見つけ、そこに書いてある住所や連絡先と郵便物に記載されている内容が一致しているか確かめてみましょう。
どうしても不安な場合は、公式サイトにある電話番号に電話をして「自分に書類を送りましたか?」と確認するのも良いかもしれません。
債権回収会社は、債権者から依頼を受け代理をするか、債権を譲渡された・買取した(債権回収会社自身が新たな債権者となった)うえで、元の債権者の代わりに借金の取り立て・回収を行います。
債権回収会社が出てくるのは、督促の無視が数ヶ月続いているなど、もともとの債権者(貸金業者)が自分で債権回収するのが難しくなったケースが考えられます。
このまま自力で処理をすると手間がかかるとして、債権回収のノウハウが豊富な債権回収会社に回収を一任するのです。
債務者としては、返済をする相手先が変わったのみで、債権回収会社から督促されている間も借金問題は依然続いていることになります。
借金は、長期間(5年)裁判上の請求を受けなければ時効を主張して消滅させることができます。そのため、まずは借金の時効が成立しないかどうか確認しましょう。
時効の期間が経過している場合は、「援用」により借金を消滅させることができます。この手続きは弁護士や司法書士に依頼することがおすすめです。
時効の成立が難しいならば、債権回収会社に分割払いができないか相談してみましょう。
現実的に無理のない返済プランであり、債権回収会社が債権の回収が確実だと考えれば、分割払いに応じてくれるかもしれません。
これも難しければ、債務整理を検討します。債務整理は、借金を合法的に減額または免除する手続です。
債権回収会社が請け負うような、消費者金融・クレジットカード会社、銀行などからの借金は全て減免の対象になります。
債権回収会社を名乗って詐欺を企む団体も実際には存在するため、心配でしたら、郵便等に書いてある各会社の名前で検索して公式サイトを見つけ、そこに書いてある住所や連絡先と郵便物に記載されている内容が一致しているか確かめてみましょう。
どうしても不安な場合は、公式サイトにある電話番号に電話をして「自分に書類を送りましたか?」と確認するのも良いかもしれません(この際、時効の更新となるような発言をしないように注意が必要です)。
なお、正規の債権回収会社は、「サービサー法」という法律に基づいて法務大臣から認可を受けており、法務大臣許可の番号が割り当てられています。
参考「債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧|法務省」
債権回収会社から連絡が来た場合、最も良い対応方法は弁護士・司法書士に相談することです。
弁護士・司法書士なら、連絡をしてきた会社が本物かどうかも確認してくれます。
時効の成立の有無についても調査が可能で、時効が成立していた場合、援用の手続きまでを任せることもできます。
また、時効が成立していなかった場合でも、分割払いの交渉をしたり、数種類ある債務整理方法の中からあなたに最も良い解決方法を考えたりしてくれるでしょう。
弁護士・司法書士はあなたの強い味方です。債権回収会社から連絡あったら、すぐにでも専門家に相談することをおすすめします。