会社・法人が倒産したら|破産手続きの概要と流れ
この記事は、資金繰りでお悩みで「会社が倒産したらどうなるかわからない」「会社を畳むにはどうすれば良いのか」とお考えの…[続きを読む]
現在、新型コロナウイルスは収束に向かいましたが、今でも多くのバス会社が経営難を引きずりに苦境に立たされています。
2023年には全国旅行支援策も導入されたものの、未だに厳しい状況に直面していると言えるでしょう。ツアー中止や都道府県間の移動制限などにより、売り上げが激減している状況です。
このような困難な状況を切り抜けるためには、いくつかの対策を検討することが重要です。
バス会社は人員整理やバスの売却などを行い、当面の資金を確保しています。また、国の助成金制度や金融機関の融資制度を活用することも一つの手段です。
さらに、債務整理も検討すべき対処法です。弁護士に相談することで、借金の負担を減らす方法を検討できます。
この記事では、新型コロナウイルスを始めとした様々な理由で経営難に苦しむバス会社に向けて、助成金や融資制度の利用方法、債務整理のメリットなどについて詳しく解説していきます。バス会社が経営を立て直すための情報を提供し、前向きな対策を支援します。
目次
新型コロナウイルスの影響を受け、未だ厳しい経営状況を続けているのはバス業界だけではありません。
幅広い業界・企業を救済するため、国や公的な金融機関は助成金制度や特別の融資を設けて対応しています。
以下ではそのうち代表的なものについて紹介します。
バス会社の経営が苦しい場合には、利用可能な制度がないかを検討して、関係省庁や金融機関に問い合わせてみてください。
なお、経済産業省の新型コロナウイルスへの対応については、公式HPにまとめられていますので、参考にしてください。
半官半民の金融機関である日本政策金融公庫は、新型コロナウイルスの影響により売り上げが減少するなどした事業主に対して、最大6000万円の特別融資を行っています。
そのうち3000万円分については、一定の要件を満たせば、当初3年間は無利子で借り入れることができます。
同じく政府系の金融機関である商工組合中央金庫(通称:商工中金)も、事業主に対して特別の条件による融資を行っています。
こちらも一定の要件を満たせば、当初3年間は無利子で借り入れを行うことができます。
信用保証協会は、中小企業が借り入れを行う際に債務を連帯保証することにより、円滑な資金調達をサポートする機関です。
セーフティネット保証・危機関連保証の制度を利用することにより、中小企業はより多くの金額を金融機関から借り入れることができるようになります。
しかし、企業ごとに「一般枠」という保証の枠が設けられており、その限度でしか保証を受けることができません。
雇用調整助成金は、従業員の雇用の維持を促すために国が設けている助成金制度です。
事業主が労働者の雇用を維持した状態で休業する場合、労働者に対して平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。
しかし、売り上げがなければ休業手当の支払いは非常に重い負担となります。
労働者を解雇する事業主が続出すると、失業者が大幅に増加してしまうでしょう。
雇用調整助成金は、このような事態を防ぐために、休業手当を支払った事業主に対して、一定の要件の下でその金額の一部を助成する制度です。
会社の債務が巨額であるなど、先述の各制度を利用しても事業の継続や支払いが困難であるという場合には、法人破産を検討してみてください。
事業の継続が不可能な状態に陥った会社のとることのできる選択の1つとして、裁判所を介しての清算手続である「破産」があります。
「破産」は、倒産状態に陥った会社について、会社の総財産を換価して、債権者に対して公平に配当を行うことを目的とした清算の手続であり、その完了により、会社が消滅することを指します。
破産手続では、法人の財産はすべて処分された上で債権者に分配され、最終的に法人は清算手続きにより消滅します。
法人破産をすると法人が消滅してしまいますが、その反面、借金に苦しむ事業主は債務の負担から解放されます。
法人の債務は税金を含め全額免責されてゼロになるので、事業主は法人の借金から完全に解放されることになります。
なお、会社の代表者が会社の債務を連帯保証している場合には、代表者が会社の債務を履行しなければなりません。
この場合は、代表者自身も会社と連鎖的に自己破産せざるを得なくなる可能性が高いといえます。
代表者が破産する場合は個人破産(自己破産)となりますが、これについては後で解説します。
債務整理を弁護士に依頼した場合、弁護士から債権者に対して受任通知が発送されます。
債権者が弁護士による受任通知を受け取った後は、債務に関するやりとりはすべて弁護士を通じて行われるようになるため、債務者への取立てはストップします。
債務者が厳しい取立てに遭っている場合には、法人破産により取立ての日常的なストレスから解放されることが期待できます。
支払不能や債務超過というマイナスの状態にある会社を立て直すことは非常に困難です。
このような場合には、破産により会社を清算して一からやり直す方が良い、という場合もあります。
なお、一度法人破産をしたとしても、その後に新たな会社などを設立して、その代表者に就任することも特に制限なく可能です。
そのため、将来を見据えた再出発をするために、あえて法人破産を行うというのも一つの考え方でしょう。
とはいえ、会社破産となれば、代表者の経営判断等の能力について取引先等の債権者などの信用を低下させることになるというリスクがあります。
それだけでなく、代表者が会社の債務の連帯保証人となっているような場合には、会社破産と同時に代表者個人の破産を進めていかなければならず、事故情報として破産の事実が5~7年間「信用情報機関」に登録されます。
ローンを組めない、借入ができないなど、代表者個人の信用取引に大きな影響を与えることになるので注意が必要です。
バス会社の経営が逼迫している状況では、バス会社から突然解雇されてしまった役員や従業員の方も、借金の支払いなどに困っているという場合もあるでしょう。
また、個人事業としてバス会社を経営しているケースもあるかもしれません。
このような場合に個人が行うことのできる債務整理の方法について解説します。
債務整理の方法には、大きく分けて①自己破産、②個人再生、③任意整理の3種類があります。
どの債務整理を利用する場合でも、月々の借金の返済金額が減ったり、債務自体が減額・免除になったりします。
そのため、借金の負担が軽減され、生活が楽になるメリットがあります。
また、法人破産で解説したのと同様、債務整理を弁護士に依頼した場合、厳しい取立てが止まるというメリットがあります。
しかし、自己破産では事業で使っていた車や不動産は手放すことになるケースがほとんどです。
車や不動産は基本的に「一定以上の財産」とされるので、破産手続の際に換価処分の対象となるのです。
今回は、バス会社(株式会社)やその経営者、解雇されてしまった従業員が取ることのできる方法について解説しました。
まずは、国の助成金制度や金融機関の融資制度の利用を検討しましょう。
しかし、それでも経済状況を立て直すことが難しい場合には、弁護士にご相談ください。弁護士は、債務整理を含めて依頼者が取るべき最適な方法についてのアドバイスをしてくれます。
借金問題を長く放置してしまうと、夫妻は利息や遅延損害金でどんどん膨れ上がってしまいます。
そのため、借金については早めに対応策を考えて行動することが必要です。
特に、生活に影響するほどの多額の借金を抱えてしまっている場合には、すぐに弁護士にご相談ください。