借金のブラックリストとは?掲載デメリットと掲載期間を解説
債務整理をすると「ブラックリスト」に掲載されてしまいますが、その影響を正しく理解すれば決して怖いものではありません。…[続きを読む]
今や成人している日本人のほとんど利用しているクレジットカードですが、クレカの仕組みは「借金」と同じです。
クレジットカードのショッピング枠では、利用者はカードを使うことで一旦はカード会社の支払いで商品を購入します。その後(主に翌月)利用者の口座などから代金が引き落とされるため、利用者は一時的にカード会社から「お金を借りている」状態になるのです。
もし、クレジットカードを使ったにも関わらず翌月以降のカード会社への支払いを行わないと、それはカードの利用料金を滞納したと言うことになります。
そして、カードの支払いを長期で滞納した利用者は、その滞納情報が信用情報機関という組織に登録されてしまいます。
これが、俗に言う「ブラックリスト」状態です。
ブラックリストに記載されると、新たにクレジットカードを取得する際や、他の借入・ローンを利用する際に、信用審査にて落とされてしまう可能性が高いです。
こう聞くと不便に感じる方が多いと思いますが、ブラック中でも作れるクレジットカードはあるのでしょうか?
また、クレジットカード滞納によるブラックリスト登録は、何年で解除されるのでしょうか?自力で消す方法や、解除を早くする方法はあるのでしょうか?
目次
ブラックリストは法的用語ではありませんが、冒頭の通り、「滞納をしたり債務整理をしたりして借金を返せなかった場合に、信用情報機関に金融事故情報が掲載される」ことを意味します。
クレジットカードが原因でブラックリストに載せられる主な理由は以下の通りです。
クレジットカードを長期で滞納したり、債務者が債務整理をしたりすると、カード会社は信用情報機関に「この人は借金を長期で滞納しています」「債務整理をして借金を減免しました」などといった情報を提供します。
この情報は、他の企業がお金の貸し借りについて信用審査をする際に参照されることになります。
クレジットカードを新しく作成する際は必ず審査が行われます。
(審査なしにブラックでもお金を貸します、という業者があれば、それは闇金業者である可能性が高いでしょう。)
また、例え普段利用していないクレジットカードであっても、別のカードや借入の滞納などでブラックリスト状態になると、途上与信や更新の際に情報を照会されて審査落ちになる可能性があります。
「審査に甘い」クレジットカードは存在しますが、「審査がない」クレジットカードはないため、ブラック中でも作れる・使えるクレカはないと考えましょう。
後述しますが、クレジットカードによるブラックリストは完済から約5年で解除されます。
よって、規定の期間が経過した場合はクレジットカードの審査に通る可能性が出てきます。
しかし、「審査に必ず通る」とは限りません。
ブラックリスト明け(喪明け)の場合、これまでの信用情報も真っ白であるため、逆に「この人はつい最近までブラックリスト状態だったのだろう」と察せられて審査落ちする可能性は0ではないのです。
よって、ブラックリストが解除された直後は、審査が甘いと言われている以下のようなクレジットカードへの申し込みを検討してみると良いでしょう。
楽天カード、PayPayカード、三井住友カード、ライフカード、ACマスターカード、プロミスVISAカード、Tカードプラス、Nexusカード、VISAOカード、アメックス・グリーン・カード、セゾンカードインターナショナル など
もし、審査が厳しいカードに申し込みをして審査落ちをした場合、「審査に落ちた」という情報もマイナスの要素として今後の審査に影響を与えることになってしまうため、要注意です。
以下のカードは、クレジットカードとは少し違った仕組みを持っていますが、だからこそ審査がなくブラック中でも使うことができます。
既にお話しした通り、ブラックリスト中は新たなクレジットカードを利用したり、既存のクレカを使い続けたりすることができなくなります。
自力で解除することはできず、結論としては「時間経過で解除されるのを待つしかない」ということになりますが、実際には何年で登録解除されるのでしょうか。
信用情報機関には、CIC、JICC、KSCの3つの組織があり、相互に事故情報について共有しています。
クレジットカード会社は、このうちCICかJICCのいずれか(あるいは両方)に加入しているケースが多いでしょう。
クレカの支払いを滞納した場合(多くは2ヶ月以上の滞納)CIC、JICCの掲載期間は、いずれも「借金の完済から5年間」です。
完済をすれば削除されるというわけではなく、滞納している借金を完済した上で年月の経過を待つ必要があります。
信用情報機関 | 登録期間 |
---|---|
CIC | 完済から5年 |
JICC | 完済から1年(長期の延滞の場合) 完済から5年(強制解約や代位弁済の場合) |
また、クレジットカードを債務整理した場合は、上記のような借金滞納よりも長期で掲載されるケースが多いです。
信用情報機関 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
---|---|---|---|
CIC | 登録されない | 返済完了から5年 | 免責許可決定から5年 |
JICC | 受任通知の到達後5年 | 返済完了から5年 | 免責許可決定から5年 |
これよりも早く登録を解除する方法(早く消す方法)はありませんので、登録期間中は不便に感じてもデビットカードや家族カードなどを利用する必要があるでしょう。
CIC、JICCなどの信用情報機関とは別に、クレジットカード会社は独自に顧客の信用情報を記録しています。
そして、その独自のリストに「支払いを長期で延滞した」「債務整理をした」などの情報が載ることを「社内ブラック」と言います。
債権者としては、一度信用を裏切られた債務者にもう一度お金を貸したいとは思わないのが通常です。
よって、社内ブラックについては、原則として「○年で削除される」ということがなく、一度借金を長期滞納したり債務整理をしたりした会社からは二度とお金を借りられないと認識するべきでしょう。
ブラック後に新たにクレジットカードの申し込みをする場合には、これまでカードを作ったことがない会社で作成するようにしましょう。
ブラックリストに登録されると、完済後の約5年間は、原則として全てのクレカが使えなります。しかし、ネット上には「ブラック中でもクレカを作れた」「数年も待たずに審査に通った」「クレジットカードの更新ができた」という声が見られます。
実際には、「勘違いをしていただけで、実は十分な年数が経過していた」というケースがほとんどでしょう。
しかし、中には本当にクレジットカードが作れたというケースもあります。
信用情報機関が提供する情報は、あくまで各企業が審査の参考にするためのものです。ブラックリスト状態=カードを持つことが禁止、というわけではありません。
貸し倒れのリスクがあれば審査に通さないケースが通常ですが、中にはあらゆる事情から「ブラックであっても審査に通す」会社がある可能性も0ではないのです。
よって、ブラックリストに掲載中でも、カード会社が審査に通すと判断したならばカードを作ることができます。
(ただし、原則としてクレカを作ることは難しく、作成に成功するのはあくまで例外であると考えましょう)。
ブラックリストは自力で解除することはできず、結論としては「時間経過で解除されるのを待つしかない」ということになります。
クレカの支払いを滞納した場合(多くは2ヶ月以上の滞納)CIC、JICCの掲載期間は、いずれも「借金の完済から5年間」です。
完済をすれば削除されるというわけではなく、滞納している借金を完済した上で年月の経過を待つ必要があります。
信用情報機関 | 登録期間 |
---|---|
CIC | 完済から5年 |
JICC | 完済から1年(長期の延滞の場合) 完済から5年(強制解約や代位弁済の場合) |
また、クレジットカードを債務整理した場合は、上記のような借金滞納よりも長期で掲載されるケースが多いです。
信用情報機関 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
---|---|---|---|
CIC | 登録されない | 返済完了から5年 | 免責許可決定から5年 |
JICC | 受任通知の到達後5年 | 返済完了から5年 | 免責許可決定から5年 |
これよりも早く登録を解除する方法(早く消す方法)はありませんので、登録期間中は不便に感じてもデビットカードや家族カードなどを利用する必要があるでしょう。
「自分の信用情報が解除されたのかどうか気になる」という方は、信用情報機関に開示請求することができます。
自分の信用情報が登録されている信用情報機関に対して、自分で契約内容や支払状況等を確認する「本人開示制度」があるのです。
「審査に通らない」「登録期間は過ぎたはず」と思われる方は、一度確認してみると良いでしょう。
登録情報が間違っている場合は、訂正・修正を請求することもできます。
詳細は、各信用情報機関にお問い合わせください。
クレジットカードの滞納が生じた場合、「今月がきついだけで、分割払いにすれば払える」という状況なら大きな問題にはなりません。
しかし、経済難が長期に渡り、ブラックリストに掲載されそうなほど(2ヶ月近く)滞納しそうならば、弁護士や司法書士に相談することが有効です。
確かに、債務整理をしてもブラックリストには登録されます。
しかし、滞納を続ければ、遅かれ早かれブラックリストに載ることになります。
クレジットカードの滞納などの借金問題は、借金の状態や現在の生活状況を専門的な視点からチェックしてもらうことで、債務整理・時効援用など、適切な対応策を受けることができます。