20代の借金400万円はヤバい?自力返済のコツと任意整理による返済方法

20代の借金400万円はヤバい?自力返済のコツと任意整理による返済方法

20代であっても、奨学金車のローンなどで多額の借金を背負ってしまう方はいらっしゃいます。
「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」の質問には「24歳男です。 借金が車のローンも合わせて400万ほどあります」「20代で借金300〜400万前後って多いですか?」「20代前半で400万以上の借金は異常でしょうか!?」というものも投稿されており、20代で400万円前後の借金を作ってしまった方の嘆きの声が見受けられます。

実際、20代の借金400万円は「ヤバい」のでしょうか?
また、自力で返済できる見込みはあるのでしょうか?

20代での借金400万円はヤバい?多い?

20代の借金の平均額は258万

金融広報中央委員会の調査によると、20代の借金額は50万円未満が36.2%と最も多く、金額が増えるほど割合は少なくなっていきます。
つまり、20代は少額の借り入れをしているケースが圧倒的で、ほとんどの20代の方は400万円ほど高額な借入をしていません。

しかし、冒頭に述べた通り、奨学金や車のローンなどで400万円以上の借金を作る方は少なからずいらっしゃいますし、中には500万円、1000万円をいう借金を抱えている方もいます。

よって、20代で400万円という借金額は「多い」と言えますが、無条件に「ヤバい」というわけではないでしょう。

少し前のデータですが、金融広報中央委員会の2018年の調査によると、20歳代の単身世帯の借入額は平均258万円、中央値100万円です(中央値=借入額を少ない順から並べて中位に位置する人の借入額)。

借金が「ヤバい」判断基準は年収の1/3

「こんなに借金を抱えているなんてヤバいのでは」と感じる20代の方は多いようですが、借金額がヤバいのかどうかは本人の収入によるというのが実情です。
そして、その判断基準として分かりやすいのが、「借金が年収の1/3を超えるかどうか」というものです。

400万円の借金ならば、あなたの年収が1200万円以上ならば「ヤバい」とまではいかず、自力返済できる可能性が高いです。
しかしそれ以下ならば、返済が不可能とは言わずとも、多少なり生活で不便な思いをしたり、節約をしたりしなければ完済は難しいかもしれません。

このような基準は、貸金業法の「総量規制」による判断です。
総量規制とは、貸金業者に対し「お金を借りたい旨の申込みがあった場合、年収の1/3以上のお金を貸してはならない」と制限するものです。多重債務が社会問題になったことから、このような規制が設けられました。つまり、貸金業法という法律から見ても、年収の1/3以上の借金は危険と判断されているのです。

とは言え、総量規制は貸金業法の規定ですので、銀行などのローンでは適用されません。
よって、車のローンや住宅ローン、銀行系カードローンなどでは、年収の1/3を超える借入も可能であり、これによって400万円もの借金を抱えてしまうケースが増加しているのです。

20代の400万円の借金の主な内容は車のローン?

ここで、20代の方が借金400万円を作ってしまう理由(原因)について、ネット上の体験談から抜粋しています。

  • 「借金が車のローンも合わせて400万ほどあります。借金はアコムから50万、ローン会社50万、キャッシング50万、車のローン200万、兄から50万ほどです。」
  • 「250万(仕上がり)の新車を7年ローンで購入しました。」「3年過程の専門学校へ行き(中略)奨学金で生活してました。月6万借りて、3年間で216万借りました。」
  • 「(借金の理由は)奨学金、車、クレジットカードなどです…」
  • 「夜な夜なインターネット業界の人たちが集まる会に参加していました。一度に万単位が飛んでいくお店で開かれることも多く、(中略)投資でお金を取り戻そうと思いました。株やFX、先物取引など、何にでも手を出したと言います。当然、素人が軽い気持ちで手を出してもうまくいくはずがなく、借金は膨らんでいきました。」

こう見ると、400万円という多額の借金を20代で抱えてしまう理由の多くは「車のローン」や「奨学金」「クレジットカードの利用」であることが分かります。
20代でマイホームを持つことは少ないですから、そう考えると20代の方にとって最も高い買い物が「車」になるのでしょう。

なお、20代前半の借入の目的については、弁護士法人・響の2022年11月の調査により、「生活費」が 44.2%と最も高く、次いで、「買い物」「遊交・交際・趣味」が共に20%代であることが公開されています。他方、「車の購入」による借金は11.6%でした。

生活費だけで多額の借金を抱えてしまうことはないでしょうから、借金400万円を抱えている方は、生活費以外にも何かしらも借金の理由を抱えていると思われます。

20代で400万円の借金を返済する方法とは

400万円の借金について、自力でこつこつと返済をした体験談はいくつかあります。

  • 「幸いにも実家暮らしだったため、最初の2年で250万円ほど返済することができました。その後結婚をし、実家を出たため生活費が増え、100万円を返すのに2年ほどかかりました。こうして5年ほどで、借金返済生活に終止符を打つことができました。」
  • 「現在は実家暮らしです。月の給料は手取りで約20万です。400万円以上のうち、今は約70万円を返済しました」

しかし、いくら利息の少ない車のローンであっても、借金400万円を自力で返済するには努力をして働き、趣味嗜好品を少しでも減らしていく姿勢が必要です。
また、上記の例はいずれも実家暮らしのケースですので、一人暮らしでこれを完済するのは更に時間が考えるべきでしょう。

400万円+利息(年15%)の借金を完済しようと考えた時、仮に毎月の支払額を8万円、10万円、15万円…とすると、完済にかかる期間は以下の通りになります。

毎月の支払額 完済までの期間 払う利息の合計
8万円 79ヶ月(6年7ヶ月) 2,316,422円
10万円 56ヶ月(4年8ヶ月) 1,579,828円
15万円 33ヶ月(2年9ヶ月) 896,121円

このように、毎月15万円ほど借金を返済できるならば、3年以内に完済ができ、利息も90万円以下となります。
しかし、このような多額の支払いを毎月何年も行うことは難しいというケースが多いでしょう。

また、400万円の借金返済について、「3年で完済したい」「5年で返し終えればいい」という目標がある場合、月額で換算すると以下の金額を支払う必要があります。

完済までの期間 毎月の支払額 払う利息の合計
3年 138,661円 991,792円
5年 95,159円 1,709,567円
10年 64,533円 3,743,960円

※上の表はあくまで計算した場合の数字であり、実際に貸金業社が10年の長期返済計画を認めてくれることはないでしょう。

このように、5年かけて返済しよう!と考えた場合でも、毎月の支払額は10万円近くになります。毎月10万円の返済を5年も続けていくのは、かなり厳しい生活になると言わざるを得ないでしょう。

そもそも、5年かけて返済すると利息だけで170万円を超えますので、かなりの損をすることが分かります。
(※車やマイホームのローンは、利息についてかなり低く設定されているケースもあります。)

こう見ると、特に実家暮らしではない場合において、400万円の自力返済は決して「余裕」とは言えないのが分かります。

借金の主な返済方法「債務整理」とは?

400万円の借金を返済しようとして、インターネット上でも、「死ぬほど働いて返す気持ちはあります。ですが、返済に間に合わせるには日払いではないと厳しいです。」「日払いのバイトを死ぬほどいれてその月はしのぐことは可能でしょうか?」という質問をされている方がいます。
しかし、一日に数万円稼ぐ日払いのバイトや単発のバイトでは完済までの道のりは長く、身体を壊してしまう事態にもなりかねません。副業についても同じことです。

よって、400万円の借金を根本的に解決するならば、弁護士・司法書士のサポートを受けながら「債務整理」で借金を減免することを考えましょう。

債務整理とは、多額の借金の返済が困難になったときに、債務者の負担を軽減するために取られる合法的な手続きの総称です。
個人ができる債務整理の方法には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」があります。

  • 任意整理:債務者と債権者が直接交渉し、返済条件を見直した上で合意をする手続きです。原則として将来利息のカットをした上で、3〜5年程度の分割払いをする旨で合意ができます。法的な強制力はないため合意を得られなければ失敗に終わりますが、手続きが迅速かつ安価に終わります。
  • 個人再生:裁判所を介して借金を元本から大幅に減額し、再編成した返済計画に基づいて原則3年かけた分割返済を行う方法です。住宅ローンなど特定の資産を守りながら多額の債務を整理することができますが、手続きが複雑で必要書類も多くあります。
  • 自己破産:借金の完済が困難となった場合、裁判所を通じて債務を全て免除してもらう手続きです。税金などを除くほとんど全ての借金の支払義務が免除されますが、不動産などの大きな資産を持っている場合はこれを処分した上で債権者に配当する必要があります。

借金400万円の理由が車のローンならば、ローン支払い中の車を引き上げられることのない任意整理や個人再生がおすすめです(個人再生は、車のローンがあることにより減額率が下がるケースがあります)。

また、奨学金は任意整理では減額できませんので、任意整理をしたいならば他の借金について減額の交渉をする必要があります。

それぞれの手続き方法にはメリットとデメリットが存在するので、ご自身の状況(借金の総額、借入先の数、現在の収入・支出、手持ちの資産の金額など)に応じて最適な方法を選択することが重要です。
債務整理を行う際には、弁護士などの専門家のアドバイス・サポートを受けることが必須でしょう。

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服部 貞昭(CFP・日本FP協会認定)
ファイナンシャル・プランナー(CFP・日本FP協会認定)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
東京大学大学院 電子工学専攻修士課程修了

新宿・はっとりFP事務所
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