借金100万円は大したことない?返済できないやばい借金の解決方法
借金が100万円まで膨らんだならば、大したことない・まだ大丈夫だ等と油断せず、一度ご自身の返済計画をシミュレーション…[続きを読む]
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結論から言えば、しっかりと働いており収入がある20代で借金を抱えること自体は「ヤバい」わけではなく、また、100万円の借金ならば「自力で返済できる」可能性も十分にあります。
しかし、当然ながら滞納をせず、毎月計画的に返済を続けて行く必要があります。
令和2年に金融広報中央委員会が行った家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](※)によると、20代で消費者金融やローンなどの借金を持っている方の割合は16.3%です。
(これには、クレジットカードの翌月払い・分割払いなどは含まれていないと考えられます。)
20代前半の借入の目的については、弁護士法人・響の2022年11月の調査により、「生活費」が 44.2%と最も高く、次いで、「買い物」「遊交・交際・趣味」が共に20%代であることが公開されています。
20代の手取りの男女平均額は19~22万円ほどと言われており、決して高くありません。特に一人暮らしをするとなると生活費が足りなくなることも容易に想像できます。よって、20代の借金の内容は「生活費」が半数近くに上っているのでしょう。
また、社会人となり給料を得て、更にクレジットカードを使えるようになるとついショッピングをしたり、仕事上の付き合いで外食が増えたりするという方も多いです。これにより、「買い物」「遊交・交際・趣味」が借金理由の上位に食い込んでいます。
※全国2,500世帯(20歳以上70歳未満で、単身で世帯を構成する者)を対象にしたインターネットモニター調査
当然ですが、抱えている借金が「ヤバい」と言えるのかどうかは、債務者の収入(年収)や支出状況などによって異なります。
手取りが18万円の方と30万円の方では、借金100万円に対する危機感も大きく変わってくるのは明らかでしょう。
あなたの借金がヤバいと言えるかどうか、簡単に判断できる基準は「年収の1/3」という数字です。
借金の総額が年収の1/3よりも高いならば、あなたの借金額は「ヤバい」状況かもしれません。
これは、貸金業法が定める「総量規制」に沿った考え方です。多重債務者が深刻な社会問題となっている中、返済能力を超えた借入・貸し過ぎを防止する目的で、2010年から施行されています。
総量規制では、貸金業者に年収の3分の1を超える貸付を禁止しています。つまり、貸金業法という法律から見ても、年収の3分の1を超える借金は危険であると考えられているのです(※貸金業法の制約を受けない銀行ローンなどは総量規制の対象外です)。
借金が100万円ならば、年収は300万円を超えていることが、自力返済が現実的と言える大まかな基準となります。これを月収に直すと約25万円です。
20代の方の平均手取り額を考えればやや厳しい金額ではありますが、手の届かない数字ではありません。節約をしながら毎月最大限の返済をすることで、20代でも100万円の借金を完済できる希望はあるでしょう。
金融広報中央委員会の調査によると、20代の借金額は50万円未満が36.2%と最も多く、金額が増えるほど割合は少なくなっていきます。
つまり、20代は少額の借り入れをしているケースが圧倒的で、ほとんどの20代の方は500万円ほど高額な借入をしていません。
しかし、中には車などを購入するために500万円、1,000万円以上のローンを組んで借金をしている方もいます。これにより、20代の借金の平均額は跳ね上がることになります。
少し前のデータですが、金融広報中央委員会の2018年の調査によると、20歳代の単身世帯の借入額は平均258万円、中央値100万円です(中央値=借入額を少ない順から並べて中位に位置する人の借入額)。
よって、20代が抱える借金額の多くは数十万円~100万円と考えて良いでしょう。100万円の借金は、20代の中では決して多すぎるわけではありません。
なお、月収や年収が低くても、ある程度の資産を保有していれば20代の借金を自力返済できる可能性があります。
20代の平均預貯金額は87万円で、保険や有価証券、株式などを含めた平均貯蓄額は176万円です。貯金が全く無いという方はあまりいません。
何とか自力で完済したいとお考えの方は、費用を捻出できないかどうか、ご自身の貯蓄にも目を向けてみましょう。
100万円の借金を自力返済しようと思うならば、返済計画をしっかりと立てて毎月確実に借金を減らす必要があります。
途中で滞納をしてしまったり、さらに借金を増やしたりしないよう、以下の点に注意しましょう。
借金が100万円ある場合、1年間(12回払い)という返済期間でも毎月それなりに高額な返済が必要となります。
しかも、あなたが返済しなければならないのは、ただ借金100万円だけではありません。返済期間が長くなるほど、支払う利息も増えていきます。
自分の生活水準を維持しながら、借金の返済を無理なく進めるためには、3年程度の返済期間を見ておくべきでしょう。
以下は、金利15%で100万円を借入した場合についての返済シミュレーションです。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
1年 | 90,258円 | 83,096円 | 1,083,096円 |
2年 | 48,486円 | 163,664円 | 1,163,664円 |
3年 | 34,665円 | 247,940円 | 1,247,940円 |
5年 | 23,789円 | 427,340円 | 1,427,340円 |
シミュレーションの結果を見ると、100万円を1年で完済しようとする場合、支払う利息は8万円以下に抑えることができますが、毎月の返済額は9万円以上となります。
これまで借金をしながらやりくりとしていた方にとって、これは大きな負担となるでしょう。
これが、3年、5年の返済期間となると、毎月の返済額は2〜3万円程に抑えることができますが、完済までに支払う利息は40万円を超える結果となります。
大事なのは、ご自身の生活状況を踏まえ、収入と支出を詳細に把握し、返済に回せる金額を確定することです。利息を減らすためにはなるべく早く完済する必要がありますが、「何年の返済計画なら毎月支払えそうか」を考えていきましょう。
なお、借金が複数あるならば、返済に優先順位をつけ、高利息の借金から返済する方法が一般的です。
家族・親族に借金について相談できるならば、ある程度の援助を受けることも検討してみましょう。
家族からお金を借りることができるならば、そのお金でまずはできる限りの返済をすることが有効です。というのも、家族にお金を返す際には利息について考えなくて良いのが通常だからです。
複数の借金を一つにまとめると、管理がしやすくなり、時には利息負担が軽減されることもあります。これを「おまとめローン」「借金の一本化」などと呼びます。
また、借金が複数なくても、低利息の新しいローンで既存の高利息ローンを返済する「借り換え」も有効な手段になり得ます。
ただし、おまとめローンを利用した場合、毎月の返済額が減る代わりに、返済期間が伸びることがあります。
毎月の返済金額が減少すれば、それだけ元金(借入金額)の返済が遅れることになります。そして、場合によると、おまとめローンで発生する金利負担の総額が大きくなってしまう可能性もあるのです。
早く返すだけであれば、おまとめローンを利用せずに、それまでのローンの支払いを継続した方が有利なケースも存在します。
おまとめローンを利用するときは、どちらが有利なのか事前にシミュレーションする必要があるでしょう。
収入を増やすために副業を始めることも一つの方法ではあります。日雇いの単発バイトで一日数万円稼ぐことができれば、これを返済に回せるでしょう。
しかし、無理に働いて身体を壊しては元も子もありません。数回の副業やバイトで100万円を完済することはできませんので、長い目で見て有効かどうかを検討する必要があります。
それよりも、日々の生活費を見直し、節約に努めることで返済に回せる金額を増やすことのほうが有効かもしれません。
「現状の月払いで順調に利息が減っている」「少し節約をすれば返済できそう」というケースならば良いのですが、今のままでは自力返済が苦しいと感じるならば、弁護士や司法書士に相談して「任意整理」をすることがおすすめです。
任意整理とは、借金の返済に困っている場合に、債権者(お金を貸している側)と直接交渉し、借金の返済条件を見直す手続きのことです。
債務者と債権者の間の合意に基づく借金の整理であるため、法的強制力はなく、双方が納得することによって柔軟に見直しをすることができます。具体的には、返済期間の延長(原則3〜5年程度)や利息のカットなど、債務者が無理なく返済をしやすくするための条件変更が可能です。合意後は、新しい返済計画に従って返済を行います。
遅延損害金や将来利息をカットすると、100万円の借金においては以下のような返済計画になるでしょう。
返済期間 | 毎月の返済額 | 支払利息 | 総返済額 |
---|---|---|---|
3年 | 27,777円 | 0円 | 1,000,000円 |
5年 | 16,666円 | 0円 | 1,000,000円 |
「これくらいならば支払える!」という方も多いのではないでしょうか?
ご自分のケースで任意整理をするとどうなるのか、より詳しくは以下のシミュレーターからご確認ください。